速報です!
江戸川区・斉藤猛区長が、2020年9月23日の江戸川区議会本会議で、「すくすくスクール・学童クラブ登録での、平日・祝祭日の19時までの延長(土曜は17時までのまま)と、「補食再開」を行う方向であることを明らかにしました。
19時までの延長は、区長が議会に提出した「第89号議案」によって明らかになりました。時期は、令和3年4月から、とのことです。
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江戸川区議会サイト「議案一覧」
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<以下第89号議案抜粋>
第89号議案 江戸川区すくすくスクール事業条例の一部を改正する条例
令和二年九月十七日
提出者 江戸川区長 斉藤猛
江戸川区すくすくスクール事業条例の一部を改正する条例
江戸川区すくすくスクール事業条例(平成二十六年十月江戸川区条例第五十七号)の一部を次のように改正する。
第五条第二項中「前項の」を削り、「に係る登録をいう」を「の利用に係る登録をいう。以下同じ」に改め、同条に次の一項を加える。
3 学童クラブ事業の利用時間を延長しようとする児童の保護者は、学童クラブ登録に加え、学童クラブ延長登録(学童クラブ事業の利用時間の延長に係る登録をいう。以下同じ。)を行わなければならない。
第六条ただし書を削り、同条に次の二項を加える。
2 学童クラブ登録を行った児童の保護者は、児童一人につき、月額四千円の育成料(学童クラブ事業の利用に要する費用をいう。以下同じ。 を納付しなければならない。
3 学童クラブ延長登録を行った児童の保護者は、児童一人につき、月額千円の延長育成料(学童クラブ事業の利用時間の延長に要する費用をいう。以下同じを納付しなければならない。
第七条の見出し中「育成料」の下に「及び延長育成料」を加え、同条中「前条ただし書に規定する育成料」を「育成料及び延長育成料」に改める。
第八条(見出しを含む。)中「育成料」の下に「及び延長育成料」を加える)
付則
(施行期日)
1 この条例は、令和三年四月一日( 以下「施行日」という。)から施行する。
ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
2 江戸川区すくすくスクール事業の利用に係る登録その他利用のための必要な準備は、施行日前においても行うことができる。
(説明)
学童クラブ事業の利用時間の延長を可能とするとともに、当該利用時間の延長に要する費用に係る規定を追加する必要があるので、本案を提出いたします。
<抜粋ここまで>
※PDFが開きます。
また、補食の提供再開については、口頭で「提供する方向で考えていきたい」と述べられたとのことです。
補食再開の件は、詳しくは江戸川区議会議員・間宮由美氏のブログで紹介されておりますので、ご参照ください。
江戸川区議会議員 間宮由美のブログ * 青 空 *
■預かり18時まで、オヤツなしの江戸川区学童保育、
8年を経てようやく他区同等の水準に!
現在、すくすくスクール・学童クラブ登録の預かり時間は18時までです。
またすくすくスクールでの補食提供は2013年4月から廃止され、現在に至ります。
18時までですと、都心でのフルタイム就労から保護者の帰宅は間に合いません。やむなく就労の形態を変更するか(正社員を辞めて退職か転職、パート・派遣などへ切り替え等)、それとも暗い中、幼い子どもを一人で帰宅させるか…そしておやつがないため、そのまま空腹を我慢させるか等…苦渋の選択をしてきました。
このように「小1の壁」に阻まれ、安心して就労の継続ができなかった江戸川区ですが、いまようやく、他区同等の水準に戻ってきたと言えます。
前任・多田正見区長が、在職中の2013年4月より補食を廃止して8年。多くの保護者が補食再開を要望し続け、教育委員会は2016年から「補食の持ち込み」を認めたものの、食材の内容の制限、持参方法の条件はとても厳しく、現実には多くの家庭が補食持参を諦めていきました。
【参考】補食廃止時の記事
江戸川区・学童補食の継続を願う会(当えどがわ学童保育フォーラムの前身団体)
(補食廃止通知の実物は、コチラからダウンロードできます)
【参考】「持込での補食」が急きょ認められた時の当ブログ記事
その結果、2013年4月から約8年間、当事者である子どもたちが「空腹を我慢する」という形で、あるいは、保護者が転職や退職など就労のやむない変更を引き受ける形で、この間をしのいできました。
保護者が労働を通じた社会貢献、自立を目指した活動をしている間、子どもたちが安心して過ごせる「生活の場」が提供されること…家庭の経済的状況にかかわらず、いえ、厳しい経済的状況にあるご家庭ほど、保護者の就労を支える公的な仕組みを必要としています。
保護者が就労で留守にしている間でも、毎日子どもがおやつを食べられるよう、大人が適切な環境を用意する、その「当たり前のことを、当たり前と認める行政のリーダー」がやっと現れたことに私達は感動していますし、大きな拍手と、心からの感謝を贈りたいと思います。
■候補者は「印象」ではなく「政策」で選ぶこと。
そして行政に関心を持ち、声を上げ続けることの大切さ
今回、他の答弁からも、斉藤区長は持続可能な開発目標(SDGs)を、江戸川区行政の新たな使命と捉えていらっしゃると感じました。
この8年間、当会の活動は行政の理解を得られず、大変大きな回り道をして来ました。
いま江戸川区の学童クラブは、「持続可能な社会の発展を支える学童クラブ」として機能を果たす…そのはじめの立ち位置に、やっと戻ってきた気がします。
しかし、行政のリーダーが変わったことで問題が良いように転換するなら、今後はまた、逆のことも容易に起こりえるでしょう。
前区長時代、学童の補食や時間延長問題に関して、石のように頑固で動くことがなかった江戸川区。この方針を、斉藤区長がなぜ「突然」転換したのか、そのお心のうちはわかりません。
ここから先は想像にすぎません。もちろん区民側の地道な運動あってこそですが、それに加えて「選挙」が重要なポイントだったのではないかな、と思います。
振り返れば、2013年に「学童に補食は不要なので廃止する」とした江戸川区が、2015年になって突然、「保護者が持参するなら、補食OKにしよう」と方針を転換しました。
奇しくもその数ヶ月前、2015年4月に行われた統一地方選挙・江戸川区議会議員選挙において、自民党・公明党が大量の議席を失っています。そして選挙後に、「補食廃止に反対しておけば良かった」という与党議員の方々の発言が、複数、聞こえてきました。
江戸川区が、「保護者が持参するなら、補食OKにしよう」という方針を打ち出したのは、この与党大敗選挙の2か月後のことでした。
話は変わります。
現区長、斎藤猛氏が当選した2019年4月の江戸川区長選の際には、江戸川区の保護者の団体「子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)」さんが、子育て政策に関する区民アンケートを持って、区長候補に所信を聞きにいき、区民の要望を訴えた経緯がありました。
こういうことをきちんとやった団体は少なくて、江戸川区長となった斉藤氏の中に、重要案件として残っていたのではないかと思います。
いったん行政の長となると、こんなにも広い裁量権と強い行使力を握ることができるのだというのが、すくすく学童の補食廃止に直面し人生で初めて「市民運動」というものに取り組んだ当会メンバー(江戸川区内在住の保護者達)の、率直な感想です。
そして今回、あらためて「選挙で誰を選ぶのか」ということが、市民の命運を握ると感じています。
本来、選挙の有無に関わらず、普段から行政の長には市民の声に耳を傾けて政策を改善していただきたいのですが、国政を見ても、なかなかそうはいかないのが現実です。誰に投票するかは、「印象でなく政策で選ぶ」…そういう当たり前のことができるよう、私達の意識も、選挙制度も変わって行ってほしいものです。
今回は幸いにも、市民の声で行政を動かした良い一例になることができたな、と思いました。これから江戸川区で働きながら子育てをする方々のためにも、そして子どもたちのためにも、良い未来を残すことができたと思います。
行政にお任せにするのではなく、どうしたらよりよい社会が実現するのか、具体的な要望を挙げ、行政へ働きかけをすること、声高でなくても良いから、日常生活の中であきらめずできることを行っていくこと…それが市民としてのつとめでもあるように感じました。
当会は今後も、江戸川区政と子育て施策の動向、そしてすくすくスクールと学童保育の動向を、引き続き強い関心を持って見続けて参ります。