2015年4月24日金曜日

【回答になってない回答がいっぱい!?】「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」へのパブリック・コメント、結果発表!

本日は少々長くなりますが、お付き合いください。

さて本年1月26日、本ブログにて下記の記事を掲載し、江戸川区のパブリック・コメントに対して意見を出しましょう、と呼びかけをさせていただきました。

■【2/2(月)〆切】江戸川区の学童クラブ事業に対し「パブリックコメント」を利用して意見・質問を送りましょう!


そして4月1日、江戸川区ホームページに、その結果が公表されました。
■江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募手続きの結果


結果をまとめたPDFは、こちらからダウンロードできます。
江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募手続きの結果
今回は、この結果について解説を加えながらご紹介いたします。

なお本題に入る前に、お伝えしたいことが2点、あります。

1. 「パブリック・コメント」とは?

通称「パブリック・コメント」、正式には「意見公募」とは、「行政機関が命令等(政令、省令など)を制定するにあたって、事前に命令等の案を示し、その案について広く国民から意見や情報を募集する(総務省HP)」もので、平成17年から新設された手続きです。国の機関はもとより、地方自治体においても国に準じて実施されています。

江戸川区でも、パブリック・コメントの募集は随時行われており、区民が行政に意見・質問を伝える貴重な機会となっています。募集は、「江戸川区ホームページ」または「広報えどがわ」などで行われています。
江戸川区ホームページ


2. 江戸川区のパブリック・コメントとしては
  「異例の多さ」の意見・質問が集まりました

今回の「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募」において、集まった意見は60件。これは江戸川区のパブリック・コメントの集まり状況としては、突出した「異例の多さ」と言えます。

では通常、江戸川区のパブリック・コメントでどのくらいの意見が集まっているものなのでしょうか?
過去の様々なパブリック・コメントの集まり状況は、「江戸川区 パブリック・コメント 結果を公表している案件」のページで、案件をひとつひとつ開いて見ていくとわかります。

本日時点で、時系列的に上のほうにある案件を順に開いて見ていきますと、下記のような状況です。そのほとんどが、「意見0件」または数件と言う状況です。

実施日
H27年3月 平成27年度江戸川区食品衛生監視指導計画(案)の意見公募  意見8件(5名)
H27年3月 「エコタウンえどがわ推進計画見直し(案)」の意見公募  意見0
H27年3月 江戸川区実施計画(案)の意見公募 意見5件(2名)
H27年3月 「江戸川区住宅等整備事業における基準等に関する(中略)~」に関する意見募集 意見0
H27年3月 「第4期江戸川区障害福祉計画(案)」の意見公募 意見152件(370名・2団体)
H27年3月 江戸川区介護保険事業計画等改定に(中略)~意見公募 意見63件(50名・1団体)
H26年12月 「特定個人情報保護評価書(案)(地方税に関す(中略)~)」の意見公募  意見0
H26年12月 「特定個人情報保護評価書(案)(住民基本台帳(中略)~」の意見公募  意見2件(1名)
H26年9月 第二次江戸川区学校教育情報化推進計画(案)の意見公募  意見0
H26年3月「江戸川区新型インフルエンザ等対策行動計画(案)」の意見公募  意見0
H25年4月「江戸川区みどりの基本計画(案)」の意見公募  意見5件(5名)

障がい者福祉、および介護に関する案件のみ突出した数を示しています。

よって今回のパブリック・コメント「60件」というのは、異例の数の多さであり、区民の関心の高さが伺えます。

しかも60件のうち、なんと半分近くの「27件」が、すくすくスクールに関する意見・質問となっています。

さて、いよいよここから本題です。

こちらからダウンロードできる、「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募(パブリック・コメント)手続きの結果について」という文書を、可能な方はぜひプリントアウトして、比較しながらお読みいただければと思います。
戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募(パブリック・コメント)手続きの結果について

なお以下に記載の文章のうち、【区民からの質問】【江戸川区の回答】の部分については、上記文書からのそのままの抜粋であり、当会では一切、手を加えていません。
(ただし【コメント】との関連性を示すために、「下線」を入れている場合があります)

そして、その下の【コメント】の部分が、当会による解説等となっております。

また特にコメントのない質問に関しても、そのまま掲載させていただきました。

すくすくスクール(学童クラブ)に関する質問は、「質問番号34」から、始まっています。上記文書の7ページ目からご覧ください。

◆質問34
【区民からの質問】
すくすく利用者の親は、年間500円の保険料で子どもを預かってくれる無料の託児所という認識。学童利用者は、お金を払って確保している生活の場という認識で、大きな認識の差がある。

【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。

登録や保護者の就労等に関わらず、放課後や学校休業日に児童がどう過ごすかということに重点を置き、コミュニケーション力や発想力、生きる力を育むよう育成・支援してまいります。

【コメント】
おそらく質問者の方は、「生活の場」を必要とする就労家庭のニーズを述べておられると察しますが、これに対し、「コミュニケーション力や発想力、生きる力をはぐくむ育成支援の場である」とのみ、回答しています。

質問者の質問に、答えていない回答です。

質問35
【区民からの質問】
すくすくスクールでは仕事との両立が難しく、学童の機能が事実上ないように思える。

【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は、全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、就労等により家庭で適切な保護を受けられない児童を対象にした学童クラブ登録もすくすくスクールの中で行っています。

【コメント】
これも質問者の方は、「(現状のすくすくスクール学童クラブでは)仕事との両立が難しい」という現状を訴え、改善を要望をしていると思われます。

しかしこれも、質問者の質問に答えていない回答です。

◆質問36
【区民からの質問】
すくすくスクールを利用できる時間が短い(同様意見他3 件)。

【江戸川区の回答】
保護者が留守になる時間全てを補う事業ではないと考えております。

【コメント】
まず質問者の方は、「時間が短い」と述べておられ、江戸川区の回答にある「留守になる時間すべてを補ってほしい」とは質問していません。

どうやらこれは、「質問が相当省略されている、あるいは「同様意見」としてまとめられているため、質問者の意図が見えない形になっているのではないか?」 当会はそう考えました。

そこで各所に問い合わせをした結果、「同様意見」と記載された中の質問者の方、お一人から「質問の原文」をいただくことができました。

《質問原文》
『今回の子ども子育て支援計画(案)によれば、フルタイム就労する母親が増加する一方、日常的にこどもをみてもらえる祖父母などの親族、友人知人がいる家庭の割合は22.3%に過ぎないという結果です。

NHKの国民生活時間調査(2010年)では、通勤時間が東京圏では往復1時間37分となっており、フルタイム就労の場合、現在の学童クラブの終了時間には、親の迎えが間に合わないケースが平均的と考えられます。

昨今多発する凶悪事件の被害者になられた児童は、親の迎えがある幼児ではなく、ほぼ全てが学齢期児童であること、江戸川区内における不審者情報の多発を考えると、大人の保護がシームレスに行える環境がぜひとも必要になっています。

学童クラブ終了後はファミリーサポートの利用をと区の窓口は案内しますが、ファミリーサポートの充足数は現状でも不足しているうえ、今後はさらにニーズが増加するとの予想です。

従って、行政が責任を持って必要数を充足するか、学童クラブの終了時間延長などの措置がなければ危険の放置と考えます。この状況に対して区の方針をお伺いしたく存じます』(原文ここまで)

上記の長い質問が、なんとほんの一行、「すくすくスクールを利用できる時間が短い」という質問に省略されているわけです。

質問原文を、すべて掲載とは言いませんが、「質問者の真の意図・指摘を見えなくなるまで省略した意図」とは何か?気になるところです。

なお現状、すくすくスクールの開所時間は「9時」です。

通常の登校日ならともなく、夏休みの一日預かり日など「9時開所」では、都心の企業などに9時までに出社する保護者には間に合わない時間です。

「せめて夏休みだけでも8時、8時半から開所してほしい」という就労家庭のニーズは当然のごとくあり、過去幾度となく、「区長への手紙」や「陳情」など様々な手段をで江戸川区に伝えている経緯があります。それは単に、省略された質問文の「利用できる時間が短い」という言葉だけでは表しきれない、「就労家庭の切実な声」なのです。


★参考情報★

夏休みなどの「8時半開所」については、こちらの記事でご紹介していますが、江戸川区の予算委員会で、すくすくスクール担当部署責任者(教育推進課)が、「職員は8時半出勤のため、早く来た児童を中に入れないわけではない。柔軟に対応している」という主旨の発言をされております。

もしお困りの方は、すくすくスクール担当部署、もしくはお通いのすくすくスクールなどにお問い合わせいただければ、「柔軟に対応」していただけるのではないでしょうか。



◆質問37
【区民からの質問】
事業計画(案)の放課後児童健全育成事業について、すくすくスクール事業以外の学童すなわち民間などを指し、すくすくスクール事業以外は児童福祉法に準拠し、すくすくスクール事業は児童福祉法に準拠しないということか。

【江戸川区の回答】
すくすくスクール事業は児童福祉法によらない江戸川区独自の事業として、これまでと変わらず実施していきます。
すくすくスクール事業については1月20日号の広報えどがわでご紹介しております。

【コメント】
「これまでと変わらず実施しています」と回答されていますが、これは疑問が残ります。

なにしろすくすくスクール事業が、法的に正式に「児童福祉法によらない江戸川区独自の事業」となったのは、つい昨年、平成26年の10月に江戸川区議会で「すくすくスクール事業条例」が成立した時点から(しかも条例の施行は平成27年4月、つい今月から)、だからです。

※参考記事 
2014年10月28日 【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?

この「すくすくスクール事業条例」成立の以前は、江戸川区の「学童クラブ」は、「厚労省の定める児童福祉法に則っていなくてはならない」はずでした。

しかし「児童福祉法の下」の学童クラブであったにも関わらず、おやつをはじめ学童保育の機能が次々と消滅していったことを、私たち保護者等は問題視し、指摘を続けていたわけです。

「すくすくスクール事業条例」は、多田正見区長が発議し、これを江戸川区議会が承認しました。

これにより、児童福祉法の基準にあわない学童クラブを定めた「江戸川区独自の条例」が法律上、正当なものになったという経緯があります。

ですので、すくすくスクール導入された11年前から平成27年3月31日までは、児童福祉法によった学童クラブでなければならなかったはずなのに、「区民に正式に告知することなく、実はそうしてこなかった」ことを、江戸川区はここの回答で明言しています。


◆質問38
【区民からの質問】
事業計画(案)の学童クラブ事業について、「希望者は全員受入れ可能」となっているが、ここでは全校生徒の予定人数が反映されており、実際に18 時まで保育が必要な人数の予測がされていない。

【江戸川区の回答】
18時までにおいても希望者は全員受け入れ可能です。

【コメント】
質問者の方は、「(学童クラブとしての)保育の質が確保できるだけの集団の大きさ」があるものと想定して、このような質問をされていると察します。

しかし江戸川区は、「全員受け入れ可能」と繰り返すのみであり、これも質問者の質問に答えていない回答です。

「全員受け入れ可能」という言葉。これは、すくすくスクールの広報でよく見かける言葉です。

これは、下記のような言い方をされることもあります。

「待機児ゼロの画期的な学童保育」

「希望者全員受け入れ可能の学童保育」

「全入(ぜんにゅう)の学童保育」


「全国初!」をうたい「全入」の学童保育を誇る、東洋経済の記事(2013年11月25日)

『脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」~「つまらない」「入れない」の常識を覆す』


「全員受け入れ可能」…これは言い換えれば、「どれほど詰め込みになっても気にしない」ということです。

これに関する実際の保護者の意見等は、えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!「学童保育」の常識を覆す  脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』で、ぜひご覧ください。
えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!
「学童保育」の常識を覆す  脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』

◆質問39
【区民からの質問】
学童クラブの補食を復活してほしい(同様意見他10 件)。

【江戸川区の回答】
保護者の自主運営である補食の委託をお受けすることは考えておりません。

【コメント】
これも、質問に対する回答になっていないと考えます。

江戸川区すくすくスクールでは、平成24年度から「補食(おやつ)」が廃止されました。

この復活を願う保護者の活動に関しては、「江戸川区・学童補食の継続を願う会」のブログをご覧ください。

江戸川区・学童補食の継続を願う会 (2013年2月~2014年2月:現在更新停止中)

現在、東京23区内で「おやつ」がない学童クラブは、なんと江戸川区だけです。

江戸川区と同じ「全児童対策事業」を取り入れている品川区の「すまいるスクール」は、通常時はおやつがありませんが、学童クラブの子どもが一日過ごすことになる夏休みなどに限っては、「おやつの持ち込み」を許可し、就労家庭のニーズに応えています。

また江戸川区は、あくまで「補食(おやつ)は保護者の自主運営である」と、繰り返しています。

本来、おやつの提供は江戸川区が対応すべきことではない、保護者がやりなさい、ということです。

しかしこの「自主運営」については、江戸川区の学童クラブで補食が廃止になった平成24年度以降、「自主運営」に向けて動きを起こしたいくつかの小学校の保護者に対して、江戸川区は下記の条件が必須である、これができなければ自主運営は認めない、と提示しました。

①すくすくホームルームで食べることは禁止。
 食べる場所を別途確保すること。
 (学校内を使用する場合は、自分たちで学校と交渉すること。いったん下校して学校外で食べる分には構わない)

②子どもたちへのおやつの配布や管理(見守り等)を、
 すくすくスクールの職員は行わない。
 保護者などが行うこと。

これは就労している保護者にとって、「とうてい不可能」な条件であり、非現実的です。

平成24年度からのおやつ廃止以降、水道水だけで18時まで空腹をしのいでいる子どもたちをなんとかしたい!と、自主運営に向けて動き出した各地の保護者らの活動は、この江戸川区の条件提示で、すべて頓挫を余儀なくされました。

まさに就労家庭のニーズから、目をそむける回答と言えます。

成長期の子どもにとって、適切な時間の適切な補食は、心と身体の成長に欠かせないものであることは、国も認めています。

放課後児童クラブにおいて「おやつ」を適切に提供することの必要性は、平成27年3月に厚労省から発表された「放課後児童クラブ運営指針(案)」において、「実施すべきこと」として明確に位置づけられています。

なぜ江戸川区の子どもたちだけが、18時までおなかを空かせて親の帰りを待つことになるのか? 江戸川区在住の就労家庭としては、大いに疑問を感じると言わざるを得ません。

◆質問40
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の常勤サブマネージャーの確保について、今後の方針を教えてほしい。

【江戸川区の回答】
すくすくスクール指導員の非常勤化の考えに変更はありません。

【コメント】
ここの回答に、驚くべき発見があります。

江戸川区が、すくすくスクールの指導員を「非常勤化する考え」と言うものを、公文書で正式に表明したのは、これが初めてではないでしょうか。

「退職者不補充の方針である」との説明は、かつて一部の保護者になされたこともあるようですが、区民は繰り返し常勤指導員の必要性を訴えてきており、常勤指導員がぎりぎりまで減少した後は、常勤指導員の育成が再び始まる可能性に期待していました。

しかし実際に、すくすくスクールで常勤の正規職員を不採用となってから、すでに11年が経過しています。

◆質問41
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の活動場所について、定員がないために子ども達が過密状態になってしまう懸念があるが、今後どのように対応されるのか。

【江戸川区の回答】
すくすくスクール事業は、空き教室の活用ではなく、学校施設全体を活用します。放課後は校庭(雨天の場合は体育館)を中心に活動しますので、充分な広さを確保していると考えております。

【コメント】
「学校施設全体を活用」は、本当でしょうか?

例えば、4時間授業で13時半頃にすくすくスクールに来る1年生は、高学年の6時間目が終わる15時半過ぎまで、校庭や体育館はほぼ使えません(体育の授業等がある)。

ほか、学校により相当の差がありますが、「授業で使うため」「式典で使うためその準備」「運動会の準備」「クラブ活動のため」「見守りの職員数が足りないため」、さらには「夏休みの間は改修工事の機材置き場になるため」等々、様々な事情ですくすくホームルーム以外の場所の使用は制限され、江戸川区の誇っている「学校施設全体の活用」が、現実には実施されていないすくすくスクールは多くあります

また、学童クラブ登録したある1年生保護者から、こんな話も伺いました。

「入学前、学童登録時に職員の方に聞いたら、“すくすくスクールでは、図書室も使えます”という話があってほっとしたんです。本好きなうちの子は、雨の日などは、子どもがあふれかえって、ひじょうに騒がしいすくすくスクールホームルームではなく、図書室で静かに読書をしてすごせるなら、親としてとても安心できるからです」

しかし入学し、新学期が始まっても、すくすくスクールでいっこうに図書室を利用している様子がなかったとのこと。

その方は、心配になって先輩の保護者に色々聞いてみたら、昨年度は実際に図書室にすくすくスクールの児童が入れたのは、なんと

「すくすくスクールでの図書館の利用は一年間に、わずか2回」
「時間にして1回2時間程度」
「しかも通常時ではなく、夏休みの図書室開放日だった」

と知り、「すくすくスクールは学校施設全体を活用」という江戸川区の触れ込みに、大いに疑問を感じた…とのことでした。

このように、「学校全体をいつでも自由に使っているかのような」江戸川区の回答は、現実に即しているとは言い難いものです。

これに関する実際の保護者の意見等も、えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!「学童保育」の常識を覆す  脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』で、ぜひご覧ください。

またこの質問に関しても、質問がどうやら相当、省略されているのではないかと思われたため、ある保護者の方に質問原文を投稿いただきました。ご紹介しましょう。

《質問原文》
『すくすくスクール事業においては、学校の空き教室を活用するとされています。

しかし、近年の少子化に伴う学校統合に伴い、一部の小学校ではむしろ児童数が増え、学校運営に必要な教室が増加しこれに伴って空き教室が減る学校が実際に現れています。

すなわち、児童数が多い為に利用者が多い学校ほど、すくすくスクールに使用できる空き教室が減るという矛盾した状況に拍車がかかっています』(原文ここまで)

『学校統廃合で児童数が増加、空き教室が減り、すくすくスクールに充当するスペースがむしろ減っている学校もある』

質問のこの部分は江戸川区により省略され、回答がなされていないことがわかります。

◆質問42
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、学童クラブ事業が児童福祉法外のものとなり、区条例で運営されるなかで、どのように運営されるのか。

【江戸川区の回答】
厚生労働省令の職員が複数でそのうち一人は有資格者という職員配置ではなく、全てのすくすくスクールに複数の有資格者を配置するとともに、臨時職員、ボランティアなど多くの大人が関わる体制を整えていきます。

【コメント】
一度読んだだけでは、この回答文は、理解が困難でした。
みなさんはいかがですか?

まず江戸川区の回答にある、「厚生労働省令」について、正確にご紹介しましょう。

「厚生労働省令」では、まず子ども集団の規模を定義しています。

それは、「職員と個々の子どもが信頼関係を築ける規模」として、職員一人あたり「おおむね40人以下」とされています。

江戸川区の場合、この点についての考慮はありません。

次に「有資格者」の部分ですが、江戸川区が回答している「有資格者」とは、具体的には「保育士、教員、教育学士、社会学士、心理学士等」を指しています。

「保育士」「教員」はよく知られる資格ですが、その他の「○○学士」とは、主に4年制大学を卒業した者に自動的に付与される資格を指します。例えば、4年制大学の社会学部を卒業すれば、自動的に「社会学士」の有資格者となります。

これが、江戸川区のすくすくスクールが求めている、職員の「資格」です。

いっぽう厚労省の言う「有資格者」とは、少々分かりにくいのですが、「(江戸川区と同様の)資格を持った者」、あるいは「2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者」であって、加えて「市町村長が適当と認めた者」、さらに「都道府県知事が行う研修を修了した者」でなくてはならない、と定義しています。

さらに、放課後の児童の健全育成を目指し、これに関わる専門資格の新設も視野に入れて検討を重ねており、現状では放課後児童育成について、独自課題を含む研修を指導員に受けさせようとしています。

ようは国の方針として、今後「放課後児童育成のプロ」養成に力を入れようとしているのです。

※参考情報
厚生労働省 「放課後児童クラブの質の向上のための研修企画検討会(「子育て支援員(仮称)研修制度に関する検討会」専門研修ワーキングチーム(放課後児童クラブ)」

ただし江戸川区は、この「放課後児童育成のプロ」育成の流れに参加せず、「江戸川流」を貫く可能性が高いと予想できます。

なぜなら「すくすくスクール学童クラブ」に関しては、昨年10月の江戸川区議会における「すくすくスクール事業条例」可決後、「児童福祉法適用外」となったからです。

よって、現状では、すくすくスクールの指導員は上記研修の対象とならない(研修を受けないことを江戸川区は選択する)可能性が高いと予想されます。

さらに江戸川区の回答は、質問に対する正確な回答になっておらず、ただ「多くの大人が関わる体制」という茫洋とした回答であり、具体性を欠いていると言えるでしょう。

◆質問43
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、区条例で運営されるなかでもこれまでの説明の通り指導員が学童クラブの児童に必要なアプローチを行っていくと理解してよいか

【江戸川区の回答】
学年が上がってもなお職員と保護者が連絡を取り合うことが子どもの自立において最善の方法とは考えておりません。連絡帳に限ることなく、子どもの成長や自立に応じて保護者との連絡方法を変えていき、最終的には親子間の約束で参加(下校)時間を児童自らが確認できるよう支援していきます。

【コメント】
質問と回答の整合性がなくちぐはぐであり、理解が非常に困難な項目です。

質問者の方は、「必要なアプローチを行ってくれるのか?」と聞いていますが、江戸川区は「連絡帳(連絡方法)」に限った回答をしています。

これはもしや、質問がまた「省略」されすぎているのではないか…?そんな疑問が湧きました。

そこでまた、この質問の「原文」を送っていただきました。

《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母らへの説明会が行われました。

その際の区の説明では、児童の心のケアについては実績と自信がある、という明言があり、学童クラブの子どもたちについては毎日通い続けられるように保護者と連絡を取り合いながら見守り、生活の様子については、保育園のようにはすべてのこどもに詳しく記録を書くことはできないが、連絡帳で知らせるとあります。

学童クラブの子どもについては指導員は家庭状況をよく把握し、今まで通りこどもに関わって行くとあります。

すくすく事業条例の施行下でもこれまでの説明のごとく指導員が学童クラブの児童に必要なアプローチを行って行くと理解してよいでしょうか』(原文ここまで)

このように原文を拝見すると、江戸川区の回答の意味が、はじめてわかります。

質問を省略することで質問者の意図を失わせたものの、省略の仕方が、いささか不適切だったようです。そして回答は、省略された原文をベースに作成してしまったため、このようなちぐはぐなQ&Aとなった、ということがよくわかります。

◆質問44
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、学校の設備の違い等により、子どもが過ごす環境は、学校によって大きく違うのが実情である。区条例で運営されるなかで均一化する努力はされるのか。

【江戸川区の回答】
学校規模の違いはあっても、全校で充実した放課後が過ごせるよう学校連携、地域連携を図ってまいります。

【コメント】
質問者の方の意図としては、学校により対応がバラバラ(現場運用任せ)のため、学校によっては「充実した放課後が過ごせていない現実がある」と見受けられますが、それに対する回答となっていないのではないでしょうか?

これも、質問の原文が必要です。先の質問者と同じ方でしたので、原文をいただきました。

《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母らへの説明会が行われました。

その際の区の説明では、くつろぐための時間の確保、学校の大きな空間を借りることでの空間と安全は確保できるとあり、全区的にサービスを均一化したいとの説明でした。

また、2013年11月25日付けの東洋経済の多田区長インタビューでも、校舎を開放することによる管理上の問題は学校の先生が責任を負う必要はなく、行政がすべての責任を負うと述べています。

しかしながら実際には、学校の設備の違い等により、毎日学童クラブ事業に行かなければならない子どもが過ごす環境は、学校によって大きく違うのが実情です。

たとえば、ほぼ毎日図書館が利用でき、静かに過ごせたり宿題をやってから遊びをはじめるといった、学童のこどもにとって大切な生活リズムの形成が可能な学校もある一方、まったく図書館や静かにすごせる空間がなく、学童の子どもが毎日放課後に行っていなければ生活がまわらない、生活上必要な活動ができない状況にあります。

このような学校格差、環境の不十分さをよい方向で均一化する努力は、すくすく事業条例下で行政は行う予定でしょうか』(原文ここまで)

これまでとおなじく、質問者の意図に対する、誠意ある回答になっていないことがよくわかります。
「管理上の問題は行政がすべて責任を負う」と語る東洋経済の記事(2013年11月25日)

『脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」~「つまらない」「入れない」の常識を覆す』




◆質問45
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、集団生活に障害がある児童の受け入れについては、今後もこれまでと同じ方針と理解してよいか。

【江戸川区の回答】
集団生活の中で児童が楽しく過ごせるよう保護者と参加方法について相談し、必要があれば保護者に代わるヘルパーなどの大人と参加していただきます。

【コメント】
省略された質問文では、「これまでと同じ方針」が何であるのか?まったくわからなくなっています。

これも「質問の原文」をいただくことができましたので、ご紹介します。

《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母等への説明会が行われました。

その際、集団生活に障害がある児童の受け入れはという質問に対し、『いままで通り親とよく相談し、必要に応じて職員を加配する』との説明がされました。すくすく事業条例化の今後も、同じ方針と理解して宜しいでしょうか?』原文ここまで)

このように原文を読むと「これまでと同じ方針」とは、「集団生活に障害がある児童の受け入れについては、いままで通り親とよく相談し、必要に応じて職員を加配する」ことであったことがわかります。

しかし、このように2003年当時は「職員を加配して受け入れる」と言っていましたが、いつの間にか「集団生活に障害のある児童は、(保護者に代わる)ヘルパーなどの大人と一緒にすくすくスクールに参加する」ことに、なっています。

これは、一体いつ、変更になったのでしょうか?

また、その方針の変更は、区民にはいつ告知されたのでしょうか?

大いに疑問が残る回答となりました。

現実的に、就労している親が、我が子のヘルパーとしてすくすくスクールに一緒に参加することは、ほぼ不可能でしょう。また、別途ヘルパーなどを雇用して一緒にすくすくスクールに参加させるには、費用等の問題で難しい家庭が多いのではないでしょうか。

◆質問46
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、災害時においてはどの部署が開所の判断をし、どのように学童クラブ事業の利用者へ連絡するのか。

【江戸川区の回答】
台風などの災害時には学校の対応に準じます。これまでと同様、江戸川区教育委員会事務局教育推進課が判断し、通知や電話、学校連絡メール、ツイッターなどでお知らせします。

◆質問47
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、以前冷蔵庫は必要に応じて設置すると説明があったが、今後も継続されるのか。

【江戸川区の回答】
これまでと同様です。

【コメント】
「これまで」が何を指すのか、不明であり、回答になっていないと考えます。また「冷蔵庫の必要性」は誰が判断するのでしょうか?

◆質問48
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、大きな事故にはスタッフが救急車に同乗すると思うが、今後も同じ方針であるか。

【江戸川区の回答】
これまでと同様です。

【コメント】
「これまで」が何を指すのか、不明であり、回答になっていないと考えます。

◆質問49
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の区条例において、区長はすくすくスクール事業の登録取り消しまたは停止をすることができるとあるが、これらはどのような状況を想定しているのか。

【江戸川区の回答】
集団生活に支障がある場合を想定しています。

【コメント】
先般の「質問45」と密接に絡んだ内容です。

これにより、障害のある児童の保護者は、就労を継続することを困難にしているという現状があります。

◆質問50
【区民からの質問】
全児童対策は指導員の負担が大きいため、国基準の学童保育を行ってほしい。

【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。

登録や保護者の就労等に関わらず、児童が一緒に過ごせることに、全国から高い評価をいただいており、視察が相次いでいる状況です。

【コメント】
江戸川区では、昨年あたりから「すくすくスクールへの視察の数の多さ」を広報することに力を入れ始めており、江戸川区議会のホームページでも、その内容と数などを公表し始めました。

※参考情報 江戸川区議会・視察受け入れ状況

しかし私たち区民が知りたいのは、「視察の数」、それだけではないのです。

すくすくスクールを視察した結果、「江戸川区方式(すくすくスクール方式)を、実際に導入した自治体の事例」が、実際にどれくらいあるのか? 

視察し、色々調査した結果、「江戸川区方式(すくすくスクール)を採用することをやめた自治体もあったはずです。

この数は、視察した自治体などのうち、何割くらいなのでしょうか?

ここに、興味ある情報があります。

厚労省は、「全児童対策事業」と学童保育事業を一体化したモデル事業を定め、その自治体を発表しています。

しかし、「全児童対策事業」の先駆けであり、全国から視察が相次いでいるはずの江戸川区の「すくすくスクール」は、モデル自治体に選ばれていないのです。

これについての江戸川区の見解を、ぜひお聞きしたいものです。

◆質問51
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、専門的な知識をもった学童指導員を配置してほしい。

【江戸川区の回答】
すくすくスクール指導員は全員有資格者です。学童クラブ時代より職員の配置は増やしています。

【コメント】
ここで江戸川区がいう「有資格者」とは、「保育士、教員、教育学士、社会学士、心理学士等」を指しています。詳しくは「質問42」をご参照ください。

また「学童クラブ時代より職員の配置は増やしている」との回答ですが、問題は単に数ではなく、「子どもの数」に対する「職員の数」という「比率」です。

しかし江戸川区は、江戸川区民が繰り返し質問を行っても、その具体的な比率の数値を明らかにしません。上記でもそうですが、「適正な配置比率である」という回答のみを繰り返すのみとなっています。(質問42もご参照ください)

◆質問52
【区民からの質問】
①区条例で行われる「すくすくスクール事業」は、国の基準と同等または上回る基準が提供されるのか。

②「放課後子ども総合プラン」(26 文科生第277 号、厚児発0731 第4 号)との整合性について、江戸川区の方針を伺いたい。

③前項の、「一体型の放課後児童クラブ及び放課後子ども教室」という国の方針に対して、独自事業とする意味合いを伺いたい。

④放課後児童クラブの基準が「おおむね10 歳まで」という項目が国の指針で変更になったが、その対応策について伺いたい。

【江戸川区の回答】
①厚生労働省令では、職員は複数、そのうち1名は有資格者としています。江戸川区では、全校複数の有資格者を配置しています。また、定員40名程度とする国基準に対し、江戸川区では希望すれば誰でも登録できる事業としています。

②「放課後子ども総合プラン」の前身の「放課後子どもプラン」は、江戸川区をモデルに厚生労働省と文部科学省が打ち出したものであり、江戸川区が先に実施していると考えております。

③国のプランでの一体型や一体的とは、全児童対策の児童は学童クラブの部屋に入れないなどの考え方であり、登録に関わらず児童は一緒に過ごす本区の考え方とは相いれない部分があるため独自事業とします。

④国に先立ち、10年前より本区では1年生から6年生までに拡大しています。


【コメント】
質問42と同内容となっていますので、そちらをご参照ください。

②これも、質問に対する回答になっていないと考えます。

「全児童対策の児童は、学童クラブの部屋に入れない」とは、国のプランは言っていません。
「全児童対策の児童」とは、江戸川区で言えば「すくすく登録(一般登録)」の児童のことです。

ですので、これをもって「国のプランは不適切である」という江戸川区の主張は根拠のないものと言えます。

◆質問53
【区民からの質問】
①学童クラブ(旧制度)を利用して仕事と子育てを両立できた親として感謝しているが、現行制度の概要がつかめない。広報を強化してほしい。

②学童クラブの民間事業者への委託については、自治体が主体で、民間事業者には側面からの協力という立場を重視してほしい。

【江戸川区の回答】
①広報の内容充実を図ってまいります。
②全てのすくすくスクールについて、区の直営事業として行っております。

◆質問54
【区民からの質問】
常勤指導員の増員や学校規模による不公平のないようにしてほしい。

【江戸川区の回答】
学校規模の大小はありますが、全てのすくすくスクールにおいて学校施設全体を活用する考えです。

【コメント】
学校施設全体がいつでも自由に使えるかのような表現は、すくすくスクールの現状に即していないと、保護者は感じています。質問41をご参照ください。

◆質問55
【区民からの質問】
学童クラブ事業について、子供が行きたいと思える場所、学校の勉強を深められる場所になってほしい。

【江戸川区の回答】
学年に応じた子どもの自立を最優先に考えております。遊びや学び、人とのふれあいの中で豊かな心を育む事業と考えております。

【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。

質問34、質問35と絡んだ内容ですので、そちらをご参照ください。

◆質問56
【区民からの質問】
学童クラブについて、学校による差があるなどの不安がある。働く家庭が安心できるようにしてほしい。

【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、児童が一緒に過ごせることに、全国から高い評価をいただいており、視察が相次いでいる状況です

【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。

質問34、35、50と絡んだ内容ですので、そちらをご参照ください。

◆質問57
【区民からの質問】
学童クラブの場は、子供が親を待つ場ではなく、クリエイティブな生活の場であってほしい。

【江戸川区の回答】
地域の連携、学校との連携により、学校や家庭ではできない学びや遊び、ふれあいを実現しています。

◆質問58
【区民からの質問】
すくすくスクールについて、春江小学校の活動の広さに懸念がある。

【江戸川区の回答】
春江小学校は学校改築工事を行っており、校庭や活動場所の制限がありご不便をおかけしていましたが、今年4月から新校舎で過ごします。

◆質問59
【区民からの質問】
学童クラブについて、大勢のすくすく登録の子どもと一緒に遊んでいるため安全面に不安を感じる。指導員の増員を検討してほしい。

【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。今後も地域や保護者との連携強化を図ってまいります。

【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。就労する保護者のニーズに、真摯に回答していない姿勢が見受けられます。

◆質問60
【区民からの質問】
学童クラブ事業について、今後どのように事業展開されるのか。「民間事業者との連携を図る」とこれまでにない記載があり、不安が募る一方である。

また、「希望者は全員受け入れ可能」と記載されてはいますが、現在の現場においてはさまざまな制限がなされており、これらの実情から考えるとこの実現は容易ではないかと思う。

【江戸川区の回答】
児童福祉法の改正により、市町村、社会福祉法人以外の者が放課後児童健全育成事業を行うことができるとなりました。そのことにより市町村が基準の条例を定めることになりました。

また、事業を行う者に対し、報告を求めたり指導を行うこととあり、総合して連携を図るとしています。学童クラブ事業を含むすくすくスクール事業は、現在もこれからも希望者は全員受け入れる方針です。ただし、すくすくスクールに参加することが子どもにとってどうかという視点で、参加方法を保護者と相談することはあります。

【コメント】
「『すくすくスクールに参加することが子どもにとってどうか』という視点で、保護者と相談することがあります」とは、実際にはどういう意味なのでしょうか?

具体的に「どういう子ども」を指して、「保護者と相談することがある」のでしょうか?

すくすくスクールに参加できないことで、就労の継続が困難になる家庭があるのではないでしょうか。

パブリック・コメントに関する当会の見解は、以上です。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

3 件のコメント:

  1. それまで国と都道府県が公立学校の運営資金を1/2の負担していたが、当時安部首相が強く進めた政策によって、2006年から国、都道府県、市町村が1/3負担することになったことから、今の江戸川区の子育てに関する縮小が出ているのかと、感じます。
    1/3の負担額と、縮小された事業の額を比較すると面白いと思います。
    結局、国の政策が子供へのしわよせとなっているんではないでしょうか。

    ここをつつく、区議はいたのかな?

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  2. 大阪市のホームページに以下の記事がありました。
    江戸川区若しくは東京都のホームページにもあるかまだ見ていませんが。
    この中に、
    税源移譲を伴わない国庫補助負担事業の廃止・縮減は単なる地方への負担転嫁にすぎず、国庫補助金の在り方については、地方の自主的・自立的な行財政運営を確立することを目指す「三位一体」での改革を推進すべきである。
    とあります。

    このような意見を上に言える体制が江戸川区にはないです。

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  3. みなさま、コメントありがとうございます。すくすくスクールの中に従来型の学童クラブが統合されたのが、2004年(平成16年)です。

    本日再選されました江戸川区多田区長の言動を調べると、2006年2月の国会(青少年問題に関する特別委員会)で、次のように学童保育の”予算縮小の方法”を述べていることがわかりました。
    「ですから、例えばすくすく スクールをやるとします。今、すくすくスクールは全体で十九億円かかっております。二万七千人の子供たちが来てお りますが、この中に学童クラブが入っております。十九億円のうちの約十五億円は、従来からかけておりました学童ク ラブ経費でございます、合体いたしましたので。そうしますと、すくすくスクールだけでは、子供の数はうんと多いん ですが、大体四億円で済んでいる、こういうことでございます。 学童クラブには正規の指導員がいました。これは公 務員です。この部分は、これから非常勤化をしていくという方針をとっております。一日いていただく必要はないとい うことになります。したがって、これをそれに順次切りかえていきます。そうしますと、約五億円で済むことになりま す。学童クラブとすくすくを合わせまして、恐らく十億円ぐらいでできることになるかなというふうに思っています。」
    この発言が、安部首相の政策を受けて行われたのか、いまは判断できませんが、いまわたしたちが把握してる事実としてはこのようなことがありました。

    このような「指導員を非常勤化していくこと」による予算削減の方針が「全指導員におよぶ」と、区民に対し説明されたことはありませんし、議員に対しても、「(2014年10月にすくすく事業条例が可決されても)今後、すくすくスクール事業に含包される学童クラブ事業については、何も変わることがない」と説明されたと区議会議事録にあります。
    少なくとも区長は、全員非常勤化により、学童のこどもたちが持つ課題を理解する指導員が確保できなくなる、という可能性を、まったく考慮していないと考えられます。

    区議会としては、国の方針とは無関係に、”江戸川区独自のすばらしい事業である”すくすく事業条例を可決したということになっています。今回、国の政策との関連の部分については、あらためて議会発言のなかになかったと認識しています。


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