2014年11月24日月曜日

【これからのことを考える】児童福祉法を外れた、「すくすくスクール学童クラブ事業」の行く末は?

10月28日の江戸川区議会本会議で、学童クラブを内包した全児童対策事業である「すくすく」事業条例が可決され、あわせて「児童福祉法に基づく学童クラブ条例」が、廃止されました。

その3日前、10/25(金)、江戸川区・教育委員会・教育推進課からの、「すくすくスクール学童クラブでは、就労支援を、現在も、そしてこれからも行わない」との、公式回答をご紹介いたしました。

しかし、本会議直前の10/28(火)の午前になって、江戸川区は急きょこれを撤回しました。そして「学童クラブ事業は、現在も、これからも、その趣旨に就労支援を含む」ということを正式回答としたのです。

◆やっぱり「就労支援」にしておく。でも中身は…?

今回の「やっぱり就労支援です」という宣言は、江戸川区が、「小学生を持つ就労家庭に対し、公的な就労支援を行う」と宣言したことであり、江戸川区民のわたしたちにとって、ひとつの朗報であることは間違いありません。

しかし、同時に、疑問と懸念も生じます。

これまで、すくすくスクール学童クラブで、就労支援の機能を次々と消滅させていき、「これでは就労が成り立たない!」と苦情を申し立てる区民に対して、江戸川区・教育推進課は、「すくすくスクール学童クラブは就労支援ではないから」と説明し、近所に住む祖父母を頼りなさい、ファミリーサポートを利用しなさい(ファミサポ制度は就労支援としては不十分)など、他の就労支援を探すよう促していたのですから。

つまり、現行のすくすくスクール学童クラブの内容が、就労支援としては、自他ともに認めるほど、不十分な内容であるということです。

学童クラブ事業が児童福祉法の下にある、現在でさえ不十分であるのに、来年4月から新しい「すくすく事業条例」が施行されると、学童クラブ事業が児童福祉法を外れ、江戸川区の独自事業である「すくすく事業」の中に完全に吸収されることになります。就労支援として不十分な内容の学童クラブ事業が、「江戸川区流の就労支援」として、法的な後ろ盾を持って、将来に引き継がれいくことになるのです。

ですから、私たち保護者は、学童クラブ事業につき、区がなすべき義務を、児童福祉法にそって整備するよう、みなさまから寄せられた署名を提出し、区議会と区長に求めてきました。しかし残念なことに、「すくすく事業条例」は賛成多数で可決、成立しました。


◆新「すくすく事業条例」下での、学童クラブ事業の行く末は?

以下が、「すくすく事業条例」として可決した、第74号議案です。
(詳しくは こちら からダウンロードしてお読みいただけます)






江戸川区ではこの条例を根拠に、今後、いかなる就労支援が行われるのでしょうか?

この条例において、学童クラブ事業の定義は、ただひとつ、「保護者の就労等の理由により、家庭において適切な保護を受けることができない児童に対する事業」と書かれているのみです。

これでは、行政が、学童クラブ事業の内容を「どんな」事業に定めることもできてしまいます。

事実、この条例原案のままで、10月27日に至るまで、区の執行部は「就労支援ではない」事業と解釈していました。このままでは、今後の行く先は明白…つまり「いま現在以上に、就労支援が充実するとは考えにくい。さらに低下する可能性は大きい」す。

私たち保護者は、「学童クラブ事業が就労支援であるのか、ないのか」に関する今回の公開質問状について、区の回答、その変更について、逐一、区議会開催前に、全議員にメールで主旨の説明等を行い、情報を伝える努力を行って参りました。

10月28日の区議会では、3名の議員の方が、この第74号議案は、原案のままでは不十分であり、継続審議または、反対であるという反対討論をそれぞれのお立場で行われましたが、しかし、大変残念なことですが、江戸川区議会は原案のまま賛成多数でこれを可決しています。

現在行っている学童クラブの運営内容が、児童福祉の観点から、就労支援として適切であるのか?、またそれを新条例で引き継ぐことが妥当なのか?という、肝心の部分についての議会での議論を私たちは希望していましたが、ほとんどの区議会議員の皆さんは、そういった議論は不必要であり、原案で可決としたわけです。


◆すくすくスクールの「質」は、学校ごとにバラバラになる?

さて、今回の区議会では、今後のすくすくスクール実施要綱について、「学校ごとのすくすくスクールの特徴を生かしつつ必要最小限の事項を定めた要綱を制定していきたい」と、総務委員会で区が答弁したことも発表されました。

ということは、各学校(およびすくすくスクール)の「実情」によって、学童クラブの運営内容が異なることがありうるということでしょう。

●帰りの時間管理をきっちりしてもらえる学校があれば、帰る時間の管理は各家庭の自己責任になる学校もある。

●静養の場所を設けられる学校もあれば、そうでない学校もある

●指導員配置、資格要件が充分でない学校もある

●人口過密で、学童の子どもの生活の場所として不適切な環境の学校もあれば、学童保育として許容範囲の学校もある

●施設に置かれた遊具や図書などの環境が、年齢や発達に応じた配慮のなされている学校もあれば、そうでないものもある

●サポートセンターのイベントでおやつが比較的頻繁に食べられる子もいれば、そうでない学校では学童クラブの子どもたちはずっと空腹のままである

●休校日に開所している学童クラブもあれば、そうでない学童クラブもある

現状でも、区内各校のすくすくスクールの状況は、ばらつきがあります。
今後はますます、その「差」が拡大しうる、ということです。

そしてたとえ現状は良くても、人の異動(すくすくスクールスタッフや学校責任者の異動)により、対応が変わる可能性もある、年度によって質が上下する可能性がある、ということでしょう。

すくすくスクールの内容が不満で、行きたくなければ行かない、別の場所で遊べば良いという選択肢のある、「すくすく(一般)登録」の子どもなら、それはそれでよいのかもしれません。

しかし学童クラブ登録の子は、毎日そこへ行かなければいけないのです。地域の自主性や指導員の力量次第、学校の施設状況次第で、事業内容が上下していいような事業ではないのです。

だからこそいま、国は児童福祉法を改正し、地方自治体に対して「学童クラブが達すべき水準を示し、国を挙げてこれを達成しよう」としているというのに、江戸川区はそれから離脱しました。

それならそれで、国が示した水準を上回る学童保育が達成されるよう、条例の内容を吟味し、江戸川区行政が達しなければならない水準を示す条例を作ることを、私たちは、求めてきました。

しかし、可決された条例の内容は、上記にご紹介した通りです。

このままでは、新しい「すくすく事業条例」のもとでの学童クラブ登録の運営内容が、現場まかせの、国の基準を下回るものになることが充分予想されます。就労家庭は現在と同様かそれ以上の苦境に立たされることになるでしょう。

多田区長は、このことを、「区民に周知はするが、説明はしない」と、区議会で発言しました。

大切な学童保育に関する条例、児童福祉法を外れるという大きな判断が、たった30余日の議論で終わってしまったことは、江戸川区民としては、残念としか言いようがありません。

しかし、署名、コメントなどで、多くの皆様が江戸川区に対し声を上げてくださったことが、”学童クラブは就労支援をその趣旨に含む”と回答した江戸川区の判断に大きく影響したことは間違いないと考えます。

ご協力いただきました皆様には、心から御礼申し上げます。

また11/30(日)は、皆様のご参加をお待ちしております。
詳しくは下記をご覧ください。

◆【参加者募集!】11/30(日)「すくすくスクール学童クラブ事業に関する意見・情報交換会」開催!



2014年11月13日木曜日

【参加者募集!】11/30(日)「すくすくスクール学童クラブ事業に関する意見・情報交換会」開催!

下記の通り、11月30日(日)、船堀「勤労福祉会館」において、「すくすくスクール学童クラブ事業に関する意見・情報交換会」を開催いたします。



以下、開催主旨です。

2014年10月28日、「すくすく事業条例」が
江戸川区議会で可決しました。
「すくすくスクール学童クラブ事業」を厚労省が定めた「学童保育」基準の適応外とし、
江戸川区の独自基準で運営するという条例です。

すくすくスクール学童クラブ事業に関する
意見・情報交換会

2014年11/30(日) 10時~12時 / 船堀・勤労福祉会館 3F和室

こんな学童クラブなら、本当の「就労支援」になる。
江戸川区で安心して仕事を続けられる。
利用者、区民の意見を出し合い、情報交換を行いましょう。 


本年9月25日、江戸川区長は「すくすくスクール事業条例」を上程、10月28日、江戸川区議会において条例は賛成多数で可決しました。

これにより2015年4月から、すくすくスクール学童クラブ事業は「児童福祉法」から外れ、江戸川区独自の学童クラブ事業になります。そして江戸川区が、どれほど繰り返し「学童クラブはいままでと何も変わりません」と保護者に言っても、これを素直に鵜呑みにする保護者は、もういないでしょう。

なぜなら10年前、江戸川区にもともとあった「学童クラブ」が「すくすくスクール」に吸収された当初、江戸川区は「学童クラブはますます充実します!」と言っていたにもかかわらず、この10年で、すくすくスクールの学童クラブ機能は、おやつ廃止、麦茶廃止、正規職員採用停止、夏休みなどの午睡実質廃止、連絡帳の機能低下など、ただただ低下の一途を辿ったからです。

いま、すくすくスクール学童クラブは、就労家庭の子どもが長時間、落ち着いてすごせる場所としては適切ではなく、「これは就労支援」ではない、と感じている区民が多くいます。

ただひとつ救いなのは、江戸川区の担当課(教育推進課)が、これまでの区民への説明「すくすくスクール学童クラブ事業は、『就労支援ではなありません』」を、急きょ条例採決の直前に撤回したことです。

そして、「(やはり)就労支援である」と、言い換えました。これは利用者にとって朗報です。

しかし江戸川区の考える「就労支援」と、私たち利用者の望む「就労支援」。この間には、大きな隔たりがあります。

今こそこの溝を埋め、すくすくスクール学童クラブを本当の「就労支援」に戻していきましょう。そのためには区民が、利用者が、どういう学童保育ならほんとうの就労支援足りえるか? 声をあげ江戸川区に伝えていくことが必要です。

そこで利用者の声を集める機会として、「意見・情報交換会」を開催いたします。現状のすくすくスクール学童クラブの状況を知る方も、そうでない方も、「こんな学童クラブだったら、安心して仕事を続けられる」「これなら“小一の壁”を感じることはない」など、ご意見をお聞かせください。

また東京23区、江戸川区以外の区では学童クラブ事業は
どうなっているのか?他区と比較する情報提供なども行います。
ご参加をお待ちしております!

多くの皆様、特に江戸川区民の皆様、そして現在またはこれから「すくすくスクール」を就労支援として利用をお考えの皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

なお告知用のチラシをご用意しました。ご自由に転送、印刷配布なさってください。


モノクロ版もあります。 こちら からどうぞ。

何卒よろしくお願いいたします!

2014年11月4日火曜日

【回答なき回答状が到着!】区民からの質問:「法案が可決されても『変わらない』と区長はおっしゃっていますが、その根拠を説明してください」に対して、届いた回答とは…?

えどがわ学童保育フォーラム宛に、江戸川区内在住の保護者の方から、メールをいただきました。

去る10/28に、江戸川区議会では、すくすくスクール学童クラブ事業を児童福祉法の適用外とする「すくすくスクール事業条例」が賛成多数で可決しましたが、これからご紹介する方は、それより前の10月上旬に、下記「区長への手紙」を、メールで送られたそうです。

まずは、その「区長へのメール」をご紹介します。

2人の子どもが、学童登録にてすくすくスクールを利用しています。

両親共働きのため、放課後子どもだけにしておくわけにもいかず、補食が廃止された今でも17時を過ぎる時間で利用しています。

最近では誕生日会や帰りの会などもなくなり、夏の麦茶や、帽子や着替えの置き場もなくなり、家庭的な場所ではなく、すくすくスクールは混沌とした雑居房の様相を呈してきました。

子どもがノート(注:すくすくスクール学童登録児童の連絡帳)を提出し忘れても、「特に変更なければノート提出はいらないよ」と指導員の方が言う始末。

次月のカレンダーがノートに貼られるのも、こちらが言わないと貼られないことや、月の末日ということもちらほらで、よっぽど人手が足りないと思われることばかりです。
(注:すくすくスクール学童登録では、家庭でノートを用意し、それにすくすくスクールの職員が毎月カレンダーを貼り、出欠の確認や退室時間の連絡に使用しています)
学童連絡帳
※画像はイメージです。

今後、学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が通ることがあれば、ますます予算が削られ、質の劣化は目に見えています。

また児童福祉法が改正され、学童保育がようやく「放課後児童健全育成事業」として、法的に位置づけられたにもかかわらず、今後学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が通ることがあれば、江戸川区は国の基準すら守らない自治体と認知されるのだと思われます。

法律違反になることは、認識されているわけですね。

法案が可決されても「変わらない」と区長はおっしゃっていますが、その根拠と、予算が削られてなおもどのようにすくすくスクール(含む学童登録)を充実(子どもが行きたいと思う場所、自分の居場所が見いだせ、指導員との信頼関係を築ける場所)していくのか、説明をお願いします。

ふらっと行って、居づらかったら家に帰るような事業に、なにか子どもを育てる要素があるのか、説明をお願いします。

すくすくスクールは全校対象の事業のため、学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が与える影響について、江戸川区内全小学校での説明をお願いします。
回答期日:2014/10/02

これに対して、江戸川区の教育推進課から来た回答は、下記のものでした。
江戸川区 教育推進課からの回答 ※クリックで拡大します。
以下に全文を掲載します。

メール「すくすくスクールについて」拝見しました。

「すくすくスクール」は全児童を対象に学校・地域の連携のもと、健全育成事業として行っております。放課後、すべての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域のかかわりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的の事業です。

児童福祉法の改正により、第三回区議会定例会に「江戸川区すくすくスクール事業条例」を上程し審議中でございます。児童福祉法に関わらず、江戸川区のすくすくスクール事業はこれまでと変わりなく実施してきます。

すくすくスクール事業により地域の方のお知恵や力をいただき、様々な体験や季節イベントを実施しています。スポーツ活動や伝統文化・芸能活動など学校や家庭でできない学びや遊びを全校で展開しております。

また学年に応じた自己管理能力、生きる力、自立を支援するため、児童一人ひとりにあった方法をご家庭と一緒に考えて行きたいと思っております。

これからもすくすくスクールでは子どもたちを健やかに育むことを最優先に考え、事業のあり方について総合的に検討してまいります。このたびは貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございます。

担当 教育委員会事務局 教育推進課
すくすくスクール係 (責任者記名)
電話 5662-2732

江戸川区教育推進課、責任者の方からの回答は以上です。

では質問者の方の質問を、もう一度、箇条書きで確認してみます。

●法案が可決されても「変わらない」と区長はおっしゃっていますが、その根拠は?

●予算が削られてなおも、どのようにすくすくスクール(含む学童登録)を充実(子どもが行きたいと思う場所、自分の居場所が見いだせ、指導員との信頼関係を築ける場所)していくのか?

●ふらっと行って、居づらかったら家に帰るような事業に、なにか子どもを育てる要素があるのか?

●すくすくスクールは全校対象の事業のため、学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が与える影響について、江戸川区内全小学校での説明をしてほしい(説明会の開催依頼)。


回答の手紙に、質問に対する回答が全く存在していません。

江戸川区に対して、公開質問状、区長への手紙などで個別・具体的な質問を出しても、その質問一つ一つに対して個別の回答が一切なく、「ざっくり」とした文章で「回答」とする、というのは過去にもありましたが、また同じであったわけです。

このことに、質問者の方は、大きな失望と怒りを禁じえず、当会に連絡されて来たとのことでした。

他にも、「区長への手紙(メール)」を送り、回答が来た方がいらっしゃいましたら、ぜひ「えどがわ学童保育フォーラム」宛にお送りください。ご紹介させていただきたく思います。
個人情報には十分配慮し、万全を尽くします。皆様のお声を、お待ちしております。

送り先 ⇒ edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com 
※@は半角に直してください。

さて、質問した保護者の方は、私たちへのメールで下記のようにも訴えておられました。

「学童」の文字もないところで、今後どうなるのか本当に不安です。

学童登録なくなるのでは?という不安もあります。

下の子はまだ低学年なので、放課後、一人でふらふらさせるわけにもいきません。

現時点で学童登録している人が、民間の学童を利用する場合に限り、私立幼稚園に入学時・月額料金に補助がでるのと同じような補助が受けられるように行政へ働きかけるのはどうでしょうか?

この「補助」の件ですが、少し補足させていただきます。

江戸川区ではいま、すくすくスクール学童クラブの現状を商機と捉えてか、民間学童の進出が非常に盛んです。おやつの提供や、しっかりとした「保育」体制はもちろんですが、塾と連携した学習指導、英会話、工作教室、理科教室、夏休みなど一日育成日には遠足や野外体験など、魅力的なサービスを展開しています。

つまり江戸川区は、質の高い学童を利用したければ民間学童へどうぞ、という選択肢になってきている、ということです。

ちなみに民間学童の利用料金は、入会金として数万円、月~金フルで月額5万円~7万円です。夏休みなどはさらに値段が上がります。例えば1年生と3年生のお子さんのいる家庭ですと、利用料は倍の負担となり、世帯収入によっては何のために働いているのか?という状況に陥ります。

このように、多くの家庭にとって、民間学童は現実的な選択肢ではありません。

かといって「すくすくスクール学童クラブ」では、就労支援に不十分と感じ、先日ご紹介した方のように、「小一の壁」にぶち当たり正社員退職を余儀なくされる方も、現実におられます。

【参照】2014年10月28日火曜日
【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?

メールを下さった方は、その点を指摘し、「いま、すくすくスクールで学童登録している人が、民間の学童を利用する場合に限り、補助が受けられるように行政へ働きかけるのはどうでしょうか?」と書かれているのです。

引き続き、皆様からのご意見を募集します。

2014年10月28日火曜日

【!緊急速報!】本会議開始直前!江戸川区が「就労支援ではない」を撤回しました!

一昨日の記事でお伝えしてきましたように、私どもが提出しておりました「公開質問状」に対し、先週の金曜日の時点においては、江戸川区の担当課(教育推進課)は、下記の見解を示して参りました。

現行の学童クラブ事業も、これからの学童クラブ事業も、「就労支援」を含まない。

また上記の内容について、「ホームページ等で公開してよい」という許可も得ておりましたので、皆様にお知らせしたところです。

2014年10月25日土曜日
【衝撃の公式見解!】「江戸川区の学童クラブ事業は、就労支援ではありません」


しかし、本日午前中、同課から再度ご連絡をいただきました。

そして決裁を通り、最終確定となった正式回答は、先週のものから変更になったとの連絡が入りました。

これも公開してよいとのお返事をいただきましたので、急ぎお伝え致します。
前段は省略させていただきます。

① 現行の学童クラブ事業は、就労等により家庭において保護者の適切な保護を受けることのできない児童を対象としており、就労支援も含め幅広く考えております。

② 第3回区議会に上程しているすくすくスクール事業条例は、規程の整理をしており、事業の趣旨は現行と何も変わりません。これまでと同様、学童クラブ事業も合わせて実施して行きます。

…と、変更したそうです。

よって今後は、

江戸川区が考える「就労支援
と、
就労家庭が必要としている「就労支援


この、擦り合わせとなるでしょう。

今まさに、10分後より、江戸川区議会が始まり、江戸川区長が上程している「すくすくスクール事業条例」の審議が行われます。

まだの方は、今朝の記事も、是非あわせてご覧ください。

2014年10月28日火曜日
【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?

上記でご紹介している通り、「すくすくスクール学童」では十分な就労支援を受けることができず、正社員からの退職を余儀なくされたお母様の手紙からもわかりますように、現在、江戸川区が提供する就労支援には改善すべき問題点がいくつも存在しています。

このことを是非お心に留めていただき、区議の皆様に審議いただけることを、心から願わずにいられません。

私たち区民の代表たる、賢明なる区議の方々がおられる江戸川区議会です。決して性急な採決をすることなく、十分に情報を集めた上で、「すくすくスクール事業条例」に盛り込むべき理念、内容をさらに検討いただけることを、期待しております。

どうか、慎重な議事進行をお願い致します。

以上、取り急ぎ皆様にご連絡申し上げます。

※江戸川区議会は今日13時より開催されております。議会の模様は、「江戸川区議会 議会中継」にて、リアルタイムにストリーミング配信されます。是非ご覧ください。


【追記】本日13時40分、江戸川区議会において、【 第74号議案 「江戸川区すくすくスクール事業条例」およびこれの付則3である「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止」 】が、賛成多数で可決されました。

【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?

本日午後13時より、江戸川区議会において「平成26年・第3回定例会日程区議会」が催されます。
そして今日にも、江戸川区長が上程した「すくすくスクール事業条例」の採決がなされるであろうと言われています。

これまでお伝えしてきましたように、江戸川区に住み、働きながら小学生や保育園児の子を持つ保護者である私たちは、署名活動、江戸川区議会への陳情提出、議員や各方面の皆さんとの面会、メールやお電話での訴えなどを通じて、先月下旬に江戸川区長から上程された議案、「すくすくスクール事業条例」の可決に反対をしてきました。

「すくすくスクール事業条例」、通称「学童クラブ正式廃止」条例は、「すくすくスクール・学童クラブ登録」を、国の法律である「児童福祉法」から外すものです。

江戸川区独自の事業「すくすくスクール」は、全児童対象の放課後対策であり、江戸川区は「就労支援ではない」という方針を明確にしています。

しかし10年前からすくすくスクールに取り込まれた「学童クラブ」は、この「就労支援ではない」という方針のために、留守家庭の子ども達が安心して長時間過ごせる環境が次々と奪われ、就労家庭を苦境に追い込んでいます。

「すくすくスクール事業条例」が可決成立すれば、江戸川区の「すくすくスクールは就労支援ではない(学童保育を含む)」という方針に、さらに強力な法律上の後ろだてを与えることになります。

ですから私たちは、条例の可決に強く反対してきました。

先日、江戸川区が、「すくすくスクール学童クラブ登録は就労支援ではない」、と、公文書で回答したことを当会のブログで発表しましたところ(掲載記事はこちら)、これを知った江戸川区民の方からつい昨日、メールが届きました。

ご本人の同意を得ましたので、以下、ここでご紹介させていただきます。

私は小学1年生の子供を持つ母親です。

共働きのため、保育園に生後11ヶ月から預けて働いておりました。保育士さんのフォローが手厚く、保育園時代は安心して仕事をすることができました。

昨年6月に小学校の見学があり、学童の状況、環境などを調べました。 

おやつもなく、18時までしかみてもらえない。私達夫婦は実家が遠方で、両親が高齢なため、行政の手助けなくしては私は仕事を続けることができなかったので、江戸川区のすくすく学童の窓口(注:教育推進課)に、相談の電話をしました。

18時以降の延長はなく、学童は就労支援ではない。

男性が出られて、私が話したくても、繰り返し
「こちらは窓口ではない」
「学童は就労支援ではない」
の一点張りで、話を聞いてもらえませんでした。

けんもほろろの対応でした。

私が「どうすればいいのですか?」とようやく言うと、ファミリーサポートの電話番号にかけ直すように言われました。

仕方なくファミリーサポートの窓口に電話をしました。 こちらの対応は女性の方でした。

子供の通う予定の小学校近くで何件か(ファミリーサポートの方を)紹介できるが、来年の状況を確認しないといけない。

また、当日になって急に預かれない状況もある、と言われました。

私が「その場合はどうすればいいのですか?」と伺うと、近隣の他のファミリーサポートを紹介するとのことでした。

しかしながら、私は忙しい仕事中に突然そのような電話のやり取りをする自信がありません。

また子供は場所見知り、人見知りがありますので、急に知らない方に預けることへの子供の精神的な緊張が心配になりました。

そのようにお伝えしたところ、窓口に出られた方は「お近くにお祖母さんやお祖父さんはいらっしゃいませんか?」 と言われましたので、こちらの事情をお伝えすると、 「ファミリーサポートでの対応しかなく、早めに子供を預けて確保すること」を勧められました。

私は確実でないファミリーサポートでは、仕事が安心してできないとお話ししましたが、他に回答が得られませんでした。

江戸川区には頼れないことを知り、その後民間学童、ベビーシッターなど、色々と探しましたが、とても我が家の収入では払っていけません。

仕方なく会社を退職せざるをえませんでした。

その後も転職の為、仕事を探しましたが、学童の終了時間に間に合う仕事が見つかりません。ハローワークの方に伺うと、最近は就業18時までが主流とのことでした。

他の区では受けられる就労支援が、江戸川区では受けられない。

江戸川区は何を目指しているのか?教えてほしいです。

非常に残念で仕方がないです。

投稿は以上です。

このような状況を知っても、江戸川区の議員の皆さんは、上程されている「すくすく事業条例」に一切の変更を加えず、そのまま「賛成」、可決されますでしょうか?

江戸川区議会は今日13時より開催されます。

議会の模様は、「江戸川区議会 議会中継」にて、リアルタイムにストリーミング配信されます。是非ご覧ください。



【追記】本日13時40分、江戸川区議会において、
【 第74号議案 「江戸川区すくすくスクール事業条例」
およびこれの付則3である「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止」 】が、
賛成多数で可決されました。



2014年10月26日日曜日

【記者会見のご報告】10/17(金)、江戸川区議会で記者会見を開催しました。その結果など。

昨日、「江戸川区の学童クラブ事業は、今も、そして今後も、就労支援ではない」という、江戸川区教育推進課からの衝撃的な発言があったばかりですが、ここで少し時を戻しまして、先週からの動きをご報告いたします。

◆10/17 記者会見開催 
~報道機関に問題提起を

Twitterではお知らせしておりましたが、先週10月17日、午後3時より、当えどがわ学童保育フォーラムは、報道機関の方々をお招きし、江戸川区議会会議室にて「記者会見」を行いました。
(昨今の流れの中で急に決まった記者会見のため、ブログでお知らせできませんでした。Twitterでは、より早く最新情報をお伝えしておりますので、こちらから、ぜひフォローをお願いします)

記者会見は1時間半と、当初の予定を超えてのやり取りとなり、5社・7名の記者の方、また江戸川区広報課の方などにもご列席いただき、私どもの訴えに耳を傾けていただきました。

いくつかの報道機関の方からは、「実際のすくすくスクールを見学、取材したい」との声もあり、本日現在、すでに実際に取材が行われております。記事が掲載されましたら、またご報告いたします。

◆10/18の東京新聞に掲載されました

記者会見を受けて、東京新聞に下記の記事を掲載いただきました。

東京新聞 2014/10/18



◆江戸川区議会へ、署名を提出しました

記者会見の際、10/17までに集まった署名(下記の①)を、江戸川区議会に提出して参りました。
現在、「合計1014筆」となりました。

少々判りにくいのですが、当会は、現在2つの署名を並行して募っております。


①一般的な(直筆の)署名



第187号陳情
「江戸川区における子ども・子育て支援法に基づく条例制定に際し、放課後児童健全育成事業について国が示す水準に達する内容が達成されることを求める陳情」

行政で受け付けられる書式に則った、署名用紙つきの陳情書です。

「児童福祉法に則った学童保育を実施して欲しい」という意思を、江戸川区議会に伝えるための書名です。本年2月から実施しています。

直筆であることが求められるため、ご協力いただくには、皆様には署名用紙のダウンロードと印刷、そして郵送と言うお手間をおかけしなくてはなりません。
誠にお手数なのですが、ぜひともよろしくお願いします。

署名の詳細、用紙のダウンロード、送り先などはこちらの記事をご参照ください。


②ネット署名

チェンジ・ドット・オルグ 
「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止に反対します!児童福祉法に基づく学童保育を行ってください!」

東京都の女性都議に対する「セクハラ発言」の際に、3日間で6万人と言う驚異的な署名を集め、世論を動かしたネット署名サイト「change.org」。

①の直筆署名と並行して署名を集めようと、10月上旬、本件の署名サイトを開設いたしました。

こちらのネット署名につきましては、10/17までに「889筆」いただき、これを江戸川区長に提出いたしました。

また署名とあわせて、173名もの方から「江戸川区への抗議のコメント」がございます。こちらも、江戸川区長に提出いたしました。

コメントをお寄せいただきました皆様には、本当に感謝申し上げます。至極まっとうなご意見ばかりで、私たちの主張は決して的はずれでも、モンスターペアレントの「言いがかり」でもないと、あらためて実感します。

私たちのこのアクションに対しましては、江戸川区長からは「2週間程度」でお返事をいただけるとのことです。届き次第、こちらで公開いたします。

なおネット署名も江戸川区議会に提出を試みましたが、予想にたがわず、受理いただけませんでした。

皆様のご協力、誠にありがとうございます。ひきつづきネット署名も募っており、1週間ごとにとりまとめ江戸川区長に提出の予定です。

コメントは、チェンジ・ドット・オーグのサイトでもご覧いただけますので、ぜひご覧下さい。
なおスマホサイトからは、コメントがご覧いただけません。PCでご覧いただきますよう、お願いいたします。

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チェンジ・ドット・オルグ 
「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止に反対します!児童福祉法に基づく学童保育を行ってください!」


◆江戸川区議会・全会派議員への陳情活動

さて10/17、署名提出の後、このたtびの「すくすくスクール事業条例」の審査にあたられる総務委員会の区議会議員、全会派の方とお会いして、条例の廃案、ならびに学童クラブ条例の廃止に反対していただけるよう陳情活動を行いました。

しかし多くの議員のかたからは、「すくすくスクールの運営状態にはいろいろと問題があることは知っているが、肝心の区民から問題を指摘する声が多数上がらない限り、今回の条例の可決の方向性はゆるがないのではないか」というご意見を多数いただきました。

わたしたち普通の区民には意外ですが、多数の区民の声が直接区長に届くことが、問題解決に一番効果があるということも教えていただきました。

やはり、利用者の声、区民の声を江戸川区に届けることが重要だと感じます。

声の届け方は、昨日の記事の一番最後をご覧ください。

2014年10月25日土曜日
【衝撃の公式見解!】「江戸川区の学童クラブ事業は、就労支援ではありません」

何卒よろしくお願いいたします。

2014年10月25日土曜日

【衝撃の公式見解!】「江戸川区の学童クラブ事業は、就労支援ではありません」

私たちはいやと言うほどわかってはいましたが、ついに江戸川区の担当課から公式な回答が出されました。

江戸川区の学童クラブ事業は、
今も、そして今後も、
「就労支援」ではありません。

私達は、去る10月8日に、江戸川区に対して学童クラブ事業の目的について公開質問状を提出しておりました。10月17日に回答期限を設けておりましたが、本日24日まで回答がなかったため、電話にて問い合わせたところ、口頭で以下のような回答をいただきました。

なお、文書での回答は来週以降いただけるそうで、現時点でのこの公開は、担当部署に了解いただきましたので取り急ぎお知らせいたします。


質問内容と回答は以下の通り。

【質問1】
現行の学童クラブ事業の目的の中に就労支援は含まれていますか?

【回答1】就労支援とは考えておりません。


【質問2】今回の江戸川区議会に上程されている「すくすくスクール事業条例」で定められる「学童クラブ事業の趣旨」に、子育てと仕事等との両立支援、従いまして「就労支援」を含んでいますか?

【回答2】含んでおりません。

…ということで、江戸川区には、「保育園はあるものの、小学校に入学後は、働く親(共働き等)の子育てを支援する事業はない」ということが、正式に、江戸川区によって認められました。

これは、「就労などで放課後の間、親がいない小学生が必要とする支援を、江戸川区では行いません」という、自治体としての公的な宣言と理解して良いでしょう。

だから、「おやつもない」「(夏休みなど)昼寝もない」「帰宅時間管理も親子の責任」「指導員の育成もしない」etc...だったのです。

それが、江戸川区の「すくすくスクール学童クラブ」でした。
強く予想はしていましたが、その通りだったのです。

これまで、「すくすく一般登録登録の子どもと“分け隔てなく”するべき」とか、「江戸川区の学童保育のほうが国のそれより優れているから」「すくすくスクールは待機児童ゼロの素晴らしい学童保育だ」など、色々と江戸川区から見解は述べられてきました。

しかしその真意は、真相は、11年前、従来型の学童クラブを、全児童型の「すくすくスクール」に移行させることで、「巧みに就労支援をやめた」ということであったと。

それを、ようやくここに来て、江戸川区がやっと認めたということです。

現在江戸川区議会に上程されている、「すくすくスクール事業条例」、通称「学童クラブ廃止」条例は、来週の火曜日に江戸川区議会で可決が見込まれています。法的な後ろ盾が間近に迫ったため、いよいよ「真意」が出てきたということでしょう。

今回は電話での回答でした。
近々、文書で到着するとのことですので、正式な請願書・回答書は、追ってまた公開いたします。

◆ 区民ひとりひとりが ◆
◆ 江戸川区に質問・意見を送り ◆
◆ 回答を求めましょう! ◆

「江戸川区には、小学校入学以降は、
公的な就労支援が一切無い」


この事実を、どう思いますか?

あなたの声を、江戸川区区長に届けましょう。

ただ気をつけたいことがあります。

ここ1年半、当えどがわ学童保育フォーラムの保護者らはじめ、何人もの江戸川区内の保護者から、江戸川区長・江戸川区に対して、すくすくスクール学童の「補食の廃止」の件はじめ、意見、不満のメール、電話、文書などをお送りしています。

しかし、なぜか、不思議なことに…その事実は一切、江戸川区としては公式に表に出ることが、ないのです。

担当課である教育推進課は、関係部署へのアナウンス、マスコミ等へのアナウンスでも、「区民から不満の声はあがっていない」「区民は現状のすくすくスクールに満足している」と繰り返すのみで、なぜか私たちの声は「なかったこと」になっています

ほんとうに、ほんとうに不思議です。

ですので皆さん、区長へメールなどを出しましたら、同時に当会にその内容をご連絡いただきたいのです。

それぞれに、どのようなご意見を出されたたか、またどのような回答が来たかをご紹介することで、この問題について、皆で広く考察する機会となると思います。

なおブログなどでご紹介させていただく際には、学校名や個人名は絶対に特定できないよう、配慮いたします。また公開する内容は、お送りいただいた方に、事前にチェックいただくようにいたします。

ぜひ、メールにて、お寄せください。
えどがわ学童保育フォーラム edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com



■ 「区長への手紙」を出しましょう ■
 
江戸川区 区長への手紙
「区長への手紙」は、こちらから。


また担当課に電話をしたら、そのやり取り、先方の回答も是非、お教えください。
担当課は、教育推進課「すくすくスクール係」です。
03-5662-2732

私たちは、声を上げ続けます。

また次回以降の記事で、「区長への手紙」「電話」以外で、私たち一般の区民が、行政に確実に声を伝え、回答をもらう方法をご紹介する予定です。こちらも是非よろしくお願いいたします。

2014年10月8日水曜日

【転送、印刷、配布お願いします!】ネット署名呼びかけのチラシを作成しました

連日ありがとうございます。
この度のネット署名を呼びかけるチラシを作成しました。

ダウンロードしてご利用ください。
転送、印刷、配布、自由です。改変のみ、ご遠慮下さい。

何卒よろしくお願いいたします!

ダウンロードは こちら から。


【追記】
2014/10/18 チラシ一部改訂しています。
今までのをお持ちの方も、再度ダウンロードをお勧めいたします。

2014年10月4日土曜日

【 緊急ネット署名開始 】 10/17(金)までに、一人でも多くの方のご協力をお願いします!

私たちは昨日10/3、下記を開始いたしました。


change.org ネット署名キャンペーン




署名は こちら から、お願いします!
※チェンジオルグの該当サイトにリンクしています。

【ご注意】2014/10/09追記
スマートフォンからアクセスすると、上手く署名ができない場合があるようです。(機種、OSに拠るようです)その場合はお手数ですが、PCからのご署名をお願いします。

一人でも多くの方のご賛同を、何卒よろしくお願いいたします!

2014年10月3日金曜日

 【 陳情提出!】 私たちは「学童保育廃止条例」議案の廃案を求めます。

就労支援としての江戸川区の「学童保育」は、今は風前の灯となりました。

学童の「おやつ」が廃止されようとした時も、平成23年の秋に「廃止」の予算案が江戸川区議会で可決成立してから、翌平成24年の1月末に、利用者に「廃止します」と通知がなされました。

そこから陳情を提出し、「おやつを保護者が自主運営する陳情」「夏休みなど長期休暇だけでもおやつを持参させて欲しい陳情」など、1年にわたり、保護者が数多くの要望を上げてきました。

しかし、
「ごく一部の親が騒いでいるに過ぎない」
「現場は問題ないと言っている」
「すくすくスクール一般登録の子と学童の子に、“分け隔て”があってはならない」

等の理由で、すべて却下されて来ました。
(詳しくは 「江戸川区・学童補食の継続を願う会」でご覧ください)

そしていま、以下の陳情書が、江戸川区議会に提出されています。

◆陳情者

えどがわ学童保育フォーラム
ならびに
現在または今後江戸川区の放課後児童健全育成事業を必要としている児童保護者一同

◆タイトル

平成26年第3回江戸川区議会定例会に提出される予定の
第74号議案「江戸川区すくすくスクール事業条例」および
これの付則3である「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止」の
廃案を求める陳情書


クリックで拡大します。


以下に全文を掲載します。

江戸川区は、利用者の声に耳を傾けるでしょうか。動向にご注目ください。
そしてこのことを広めていただき、私たちにお力添えを、どうかよろしくお願いします!

-  以下陳情全文 -
(読みやすく改行を追加しています)

平成16年、江戸川区内の学童クラブがすべてすくすくスクールの中の学童クラブ登録に移行しました。その際、区民には添付資料のごとく、「学童クラブの機能を維持する」と説明されました。

現在の江戸川区学童クラブ条例でも、学童クラブ登録は、児童福祉法上の放課後児童健全育成事業のままです。しかしその後、誕生会、アルバム、遠足、入卒式など、学童保育らしいとりくみは全て廃止され、具合が悪くなって静養するスペースも特になく、平成25年度から補食(おやつ)も廃止されました。

区は【放課後児童健全育成事業は「家庭的な場」を考えて行う事業である】と認めていますが、【「すくすくスクールにそのような考えはない」】という見解を明らかにしました(平成26年6月文教委員会)。

現在、学童クラブ登録と一般児童であるすくすく登録の違いは、出欠確認と個人の荷物置き場があること、17時から18時までの育成時間延長の違いしかありません。すなわち、すくすくスクールの中で運営されている学童クラブには、家庭的な場はないことになります。

この運営実態は、児童福祉法に違反しているのではないでしょうか。

かつての学童クラブは、親がいない間、子どもたちが必要とする「家庭に代わる心身の養護の役割」を担っていました。そして子どもたちには、顔ぶれが一定で、適切な大きさの集団の中で、指導員の丁寧な関わりのもと人間関係を学ぶ姿がありました。その結果、卒室時には、学童指導員へ自発的に手紙を書き、感謝の言葉と自立した生活への意欲を述べるまでに成長する姿があったのです。

しかし、いま、学童保育という支援が与えられていたはずのこどもたちは、顔ぶれの一定しない大規模集団に混じり、指導員との関係も希薄になっています。居場所を見つけられなかったこどもたちは学童クラブ登録をやめてフェードアウトするように去るか、ホームルームでただひたすら時間の過ぎるのを待っている状況です。

学童期におやつは必要なものと学問的に認められていますが、すくすくスクールの学童クラブでは空腹に関してはただ我慢を強いられます。このようなこどもたちにとって、親が働いて不在であることは理不尽でつまらないことであり、これは保護者が安心して働ける状況ではありません。

すくすくスクールは、不定期に参加するなどの理由で、集団のルールがよく守れないこどもも大勢参加します。そういう場所へ、本人の好むと好まざるにかかわらず学童の子どもは毎日行かなければいけません。大勢のなかにまぎれたこどもが出している心身の不具合のサイン、これに気づくことは容易なことではありません。しかしそれこそが、親がいない放課後の長い時間、独りで過ごさなければいけないこどもが、そして保護者が必要とする支援です。

児童福祉法で述べられている学童クラブの機能を維持するためには、すくすくスクール移行後は、経験豊かな指導員を養成しその数をさらに増やさなければならないはずですが、江戸川区行政は指導員の退職者を非補充とし、減少させています。

このような状況下で、江戸川区行政は第3回江戸川区議会定例会に「江戸川区すくすくスクール事業条例」と付則「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止」を上程されようとしています。

この「江戸川区すくすくスクール事業条例」の中に、【 保護者の就労等の理由により、家庭において適切な保護を受けることができない児童に対する事業である「学童クラブ事業」を行う】ことが書かれています。ここに書かれている、「学童クラブ事業」の対象者は、児童福祉法の放課後児童健全育成事業、ならびに、児童福祉法のもとにある現在の江戸川区学童クラブ登録の対象者と全く同一の児童です。

それにもかかわらず、新条例では、現行の「江戸川区学童クラブ事業条例」第二条にある【 児童福祉法第六条の二第十二項の規定に基づき 】にあたる条文が見当たりません。

わたしたち保護者は、はじめに述べたような江戸川区学童クラブ事業の現状をふまえ、昨年度内閣府より示された「社会保障審議会児童部会 放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書」について国が示した水準を達成し、学童クラブ事業が改善されるよう、本年度の区議会へ陳情書と署名を提出し、求めてきました。

しかし、もし第74号議案が可決されれば、今後一切、国の基準に基づいた改善を行う義務がなくなります。日本国の法律において児童福祉法上の放課後児童健全育成事業による支援を受ける権利を保障されている児童を、江戸川区ではあえて児童福祉法によらない事業下に置く根拠ができることになります。

上程された条例は、こども子育て支援法 の第61条の6【 市町村子ども・子育て支援事業計画は、社会福祉法第百七条に規定する市町村地域福祉計画、教育基本法第十七条第二項の規定により市町村が定める教育の振興のための施策に関する基本的な計画その他の法律の規定による計画であって子どもの福祉又は教育に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。 】に整合していません。

新条例のもとで学童クラブの運営内容は改善されるのでしょうか。

江戸川区多田正見区長は、平成18年2月14日開催 第164回国会 青少年問題に関する特別委員会 第2号において次のように述べています。

「ですから、例えばすくすくスクールをやるとします。今、すくすくスクールは全体で十九億円かかっております。二万七千人の子供たちが来ておりますが、この中に学童クラブが入っております。

十九億円のうちの約十五億円は、従来からかけておりました学童クラブ経費でございます、合体いたしましたので。そうしますと、すくすくスクールだけでは、子供の数はうんと多いんですが、大体四億円で済んでいる、こういうことでございます。

学童クラブには正規の指導員がいました。これは公務員です。この部分は、これから非常勤化をしていくという方針をとっております。一日いていただく必要はないということになります。

したがって、これをそれに順次切りかえていきます。そうしますと、学童クラブとすくすくを合わせまして、恐らく十億円ぐらいでできることになるかなというふうに思っています。」

すくすくスクールの運営費予算は現在8.8億円(前年度比約6500万削減)とされていますが、これは主に非常勤職員と臨時職員だけに対する給与の総額です。常勤指導員に対する給与はこの額外で約6~7億円と思われます。退職者不補充の方針のもと、今年度は常勤非常勤を併せて昨年度比10%以上の指導員が減りました。

国会で述べられた目標を達成するべく、今後さらに指導員を減らせば、学童クラブの運営内容はさらに悪化します。もっぱら人材に質を左右される本事業が、児童福祉法による規定を離れ、江戸川区独自のものとなることに、保護者が大きな懸念を抱くことは当然です。

「放課後児童健全育成事業」のニーズ量は江戸川区の調査によれば平成27年度には6526人と報告されています。学童クラブ事業が放課後児童健全育成事業にあたらない事業になるという大きな方針転換について条例化しようとしているにもかかわらず、区民、ならびに、区民の代表であり、すくすくスクールクラブマネージャーも参加している「江戸川区子ども・子育て応援会議」に対して全く周知されておらず理解を得る努力も行われていません。このことも大きな問題です。

上記発言の直後に、識者からも職員の非常勤化に対する危惧の指摘を受けており、慎重にしていただく必要があると考えられます。以上より、第74号議案は、可決するに不適切な条例であると考えます。


第74号議案の廃案、これに伴い同条例付則の3江戸川区学童クラブ事業条例の廃止の廃案を陳情します。

平成26年9月22日 江戸川区議会 議長 高木 秀隆 殿

2014年10月1日水曜日

【9/30江戸川区議会で区長が発言】「国は頭が固い。なぜ江戸川区のようなやり方をしないのか?」「児童福祉法に入らないこと私は残念と思わない」




現在、江戸川区議会が開催されています。

ここに、現在、江戸川区長から「江戸川区すくすくスクール事業条例」…通称、「学童クラブ廃止条例」が上程されており、10月下旬に採決の見込みであり、江戸川区の学童クラブが「児童福祉法」の対象からはずされようとしていることは、昨日の記事でお伝えしました、

2014/09/30記事
【採決まであと1ヵ月!】江戸川区、学童クラブ廃止にむけついに大手! すくすくスクール学童は、「児童福祉法適用外」の「江戸川式・学童クラブ」へと変わる!!


そして昨日、江戸川区議会において、多田正見江戸川区長より本件につき、このような発言がありました。

江戸川区議会のサイトでストリーミング配信されている「議会中継」の音声から起こしたものであり、一言一句、正確ではありません。


2014/09/30
江戸川区議会定例会での多田正見江戸川区長の発言

すくすくスクールと学童クラブを一体化した事業、児童福祉法から外れていると言われるが、これは私共がこれまで独自に組み立ててきたやり方。

私共は国が定めているものより江戸川区のやり方のほうが良いやり方だと思っている。


残念なのは、国がなぜ江戸川区のようなやり方を考えないのかということだ。


先ほど伊藤議員さんも(公明党・伊藤照子区議)、「わが党もすすめている制度(児童福祉法)から、江戸川区が外れるということは残念」とおっしゃいましたが、私は国がなぜ江戸川区のようなやり方に考えないのか?という方が残念。

国の進める制度(児童福祉法)に入らないことを、残念とは思わない。


国の学童クラブに対する考え方は旧態依然。


そのために全国で30万人もの待機児童を出している。


それを解消できないというのは、ああいう凝り固まった考え方にとらわれているから。


江戸川区流にやればそれは解消できる。


その上、すくすくスクールと同じように人間教育も受けられる。


国は頭が固い。

以上です。

教室1~2個分のスペースに、100~200人の児童がすし詰めの状態で、机が足りず、床に寝そべって宿題をやる子、子どもたちを静かにさせるためにアニメのDVDを流しっぱなし、棚にはコミック本があふれ、教室に入りきれない子ども達は廊下を走り回りケンカを始める、すくすくスクールの日常風景。

これが江戸川区の人間教育とその成果でしょうか?

定員を設けず、毎日通う「学童クラブ登録」の子どもと、「いつ来てもよい子ども」を一緒に過ごさせる事業。

見かけ上の待機児童は解消されても、すし詰め状態の教室で過ごさなくてはならない子どもは、たまったものではありません。参加者が多い日は、どんどん減らされる指導員には見守りにも限界があり、遊び場も、宿題をやることも制限されています。

これがすくすくスクールの現実です。

江戸川区内73校すべてのすくすくスクールが、常に、上記のようであるわけではありませんが、少なくとも私たち保護者は、そこに「人間教育」を感じてはいません。子どもに「すくすく行きたくない」と泣かれ、「ごめんね、ママお仕事なの」と言わざるをえない現実。江戸川区の広報や経済誌が絶賛する「すくすくスクール」が、主役である子どもたちにとって、ほんとうはどのようなところなのか?、痛いほどわかるからです。

何度もお伝えしていますが、私たち保護者は、「すくすくスクール」を否定していません。子育て支援の一環として、子ども達の楽しく安全な居場所は、保護者の就労の有無に関わらず必要であると思うからです。

しかしその核となる、「長時間そこ居なければならない」留守家庭の子ども達の居場所が、もはや生活の場としての機能を失い、空虚なものに変わろうとしています。

いまそこにあるのは、「すくすくスクールホームルーム」と名づけられた「箱」、そして多くは時間制で入れ替わり、最低限の安全管理業務のみに徹するよう、職務を求められているスタッフたち。

江戸川流、すし詰め人間教育は、どのような成果を次世代にもたらすのでしょうか?

いますでに、江戸川区のこの状況を見て、区内各所に「民間学童」の参入が相次いでいます。昨今流行の、学習塾業者も学童事業に注目し、参入を開始しました。

来年4月入学を見据え、わが子に少しでも良い放課後環境を与えてやりたいと思う親は、すでに民間学童の選択肢へと流れつつあります。

民間を選べるなら、それも良いでしょう。

しかしフルタイムの月~金預けで月額5~6万円、夏休みなどはそれ以上の費用を、すべての働く親が負担できるとは限りません。

社会のセーフティネットとしての放課後事業、学童クラブの機能を、江戸川区はすでに自治体として放棄しようとしていることが、良くわかります。


【ご参考】
今回の発言にも端的に表れていますが、江戸川区長のこういったお考えは、下記の記事からもよくわかります。ぜひ、両方をご一読ください。

■東洋経済 2013/11/25
 脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」 
 「つまらない」「入れない」の常識を覆す
 

しかしこれに対して、現役のすくすくスクール学童の保護者が、以下の「現状の訴え」と「反論」を行いました。今この記事は、非常に高いアクセスをいただいています。世間の関心の高まりがうかがえます。

■えどがわ学童保育フォーラム OPINION006
現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!
「学童保育」の常識を覆す  
脱現実! 東洋経済のすごい「記事」

現場を知らない、利用者の声に耳を貸さない。
これが今の江戸川区です。

来年、江戸川区では区長選挙があります。

2014年9月30日火曜日

【採決まであと1ヵ月!】江戸川区、学童クラブ廃止にむけついに大手! すくすくスクール学童は、「児童福祉法適用外」の「江戸川式・学童クラブ」へと変わる!!

去る9月25日、1つの議案が、江戸川区長より江戸川区議会に上程されました。

※議案の現物は こちら (江戸川区議会サイト内PDF)からダウンロードできます。

この議案の内容を一言で表現すると、次のようになります。

「平成27年4月より、すくすくスクールの『学童クラブ登録』は、国が定める児童福祉法によらない、江戸川区独自の事業とする」。

この議案が可決され、条例として正式なものとなれば、すくすくスクールの「学童登録」は、国が定める児童福祉法という法律上の「学童保育」には該当しなくなり、「江戸川区独自の事業」となります。


■条例可決で、江戸川区の「学童クラブ」は 
 子どもの権利を保証した「児童福祉法」から外れる

議案の中には、このような記載があります。

【 保護者の就労等の理由により、家庭において適切な保護を受けることできない児童に対する事業である「学童クラブ事業」を行う 】

一見、「あれ?学童はなくならないじゃないか?」と思わせる記述です。
が、これは、法に疎い者を惑わせる、一種の行政テクニックです。

この新条例案には、今までの学童クラブ条例に明記されていた、【 児童福祉法に基づき 】 の文言が、どこにもないのです。

さらに、【 児童福祉法に基づいて行う 】 としていた、これまでの【 江戸川区学童クラブ事業条例を廃止する 】、としています。

そして江戸川区長は、議員に対しては「学童クラブ事業が児童福祉法によらないとする根拠にするために新条例を上程した」とはっきり説明しています。

またすでに2014年6月の段階で、すくすくスクール担当課である教育推進課長は、江戸川区議会文教委員会において、「児童福祉法に沿った運営は、すくすくスクールでは行わない」と、今回の議案上程に先駆けて、明言しています。


■この10年で著しく機能低下した、
 すくすくスクール内学童クラブ

江戸川区の公立の学童クラブは、11年前、「すくすくスクール学童登録」として、江戸川区の「すくすくスクール(全児童対策事業)」に一体化されました。

すくすくスクール導入当時、江戸川区は、「学童クラブはなくなりません!さらに充実します!」と、当時の保護者初め区民に約束、説明を繰り返していました。
※詳しくは下記をご覧ください。
◆2014/09/11記事
【江戸川区民の皆さんへ】江戸川区から「学童保育」がなくなるかもしれない。あなたの声を「区長への手紙」で伝えてください!
◆資料ダウンロード 2003年9月「広報えどがわ」


しかしその後、学童独自の行事は消え、結果、保護者の横のつながりが途絶え、当時を知る保護者もいなくなる間に、江戸川区は常勤指導員を減らし、昨年にはおやつを廃止、連絡帳の機能低下など、「学童クラブ」としての機能を著しく低下させることに注力してきました。

いまや「すくすくスクール学童」の内容は、他の自治体と比較しても、すでに「学童保育とは言いがたい」ものになっているのです。




■児童福祉法をはずれ、
 江戸川区の「学童保育」はどうなる?

それでも今はまだ、法律上は、江戸川区の「すくすくスクール学童登録」は、国の児童福祉法上の「放課後児童健全育成事業」に該当しています。

そして折りしも今年は、厚労省の指導で「放課後児童健全育成事業」につき守るべき「基準」が発表され、各自治体はこれに沿って条例を整備しなければならない、とされているタイミングでした。

当えどがわ学童保育フォーラムの保護者たちも、それに一縷の望みをかけて、おやつの提供など、「すくすくスクール学童」の改善の訴えをつづけてきました。

しかし、今、予想通りではありますが、江戸川区は学童クラブを児童福祉法外のものとする新条例を提出して来ました。

これが可決されれば、今後は、「江戸川流」に、どのようにすくすくスクール学童の内容を変えても、法律的にはなんの問題もない、ということになります。

江戸川区長が、学童クラブの常勤指導員雇用を「ムダな人件費」と考えていることも、国会での区長発言(平成18年)などからあきらかであり、実際、学童保育時代にかかっていた15億円を、すくすくスクールと一緒にすることで、5億円まで削減できるのだ、と同じ場で述べています。

※詳細は 以下の記事をご参照ください。
2014/09/27記事
【学童保育縮小・廃止で予算削減を目指す!】江戸川区、「すくすくスクール」導入による学童保育予算削減のシナリオ/



■学童クラブ廃止条例の上程を知っている区民は少ない

現状、このことを知っている学童保護者、あるいは江戸川区民は、多くはないでしょう。平成25年度の「学童の補食(おやつ)の廃止」の時もそうでしたが、十分な広報のないまま、そして十分な区民の意見の吸い上げのないまま、さらには江戸川区が主催している「子ども子育て応援会議」の場でひと言も取り上げられることなく、一切が進められています。

区民に広報されるのは「可決後」でしょう。


■江戸川区は、「学童は今と何も変わらない」と
 区民には説明

条例のことを知った保護者から、すくすくスクールや江戸川区に問い合わせがあれば、「条例が変わっても学童は現状と何も変わりませんよ」と、説明を繰り返しています。

また名称も、利用者を混乱させる一種のトリックです。児童福祉法から外れ、児童福祉の理念も基準も関係ないのに、名称はこれからも変えず「学童」と呼ぶのです。これでは一見、江戸川区にも、他の自治体のように児童福祉法に基づいた「学童保育」「学童クラブ」があるかのように、見えてしまいます。

しかしその実態は、おやつもない、休養スペースもない、留守家庭の児童が安心して長時間を過ごせる場所とは程遠いものです。就労時間を証明する書類を提出すれば、一般のすくすくスクール児童の終了時間である「17時」ではなく、「18時」までその部屋にいられる。

本当に、それだけ、です。

それだけで、江戸川区は、「学童クラブ」と呼ぶわけです。


■10/20の「総務委員会」が正念場!
 何もしなければ10/28本会議で条例可決の見込み

この議案を審議する江戸川区議会は、10月28日に本会議があり、ここで条例の採決が行われます。

そしてそれに先立つ10月20日には、条例審議の場である「総務委員会」が開催されます。実質上、条例としての採決の可否は、この総務委員会が正念場となります。


私たちも、まだ粘ります。
詳細はまた次回の記事に譲りますが、まだ諦めていません。

皆さんも、どうかこのことを広く広めてください。特に江戸川区にお住まいの皆さん、その中でも江戸川区で働きながら子育てをしている皆さん、ひとりひとりが、江戸川区に意見を伝えましょう。どうかできることから、お願いします!

声の上げ方は、下記記事でご覧ください。
どうぞよろしくお願いします!

◆2014年9月11日
【江戸川区民の皆さんへ】江戸川区から「学童保育」がなくなるかもしれない。あなたの声を「区長への手紙」で伝えてください!



2014年9月27日土曜日

【学童保育縮小・廃止で予算削減を目指す!】江戸川区、「すくすくスクール」導入による学童保育予算削減のシナリオ

ついに始まりました。

昨日木曜日、9月25日、平成26年・第三回江戸川区議会定例会に、二つの議案が上程されました。

◆第73号議案
 江戸川区放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例

◆第74号議案
 江戸川区すくすくスクール事業条例

上記2つは、江戸川区議会を経て、10月28日ごろには採決されます。

条例の詳細は、後日に譲るとして、ここでご紹介したい、とある「議事録」があります。

今をさかのぼること約8年前、衆議院の「青少年問題に関する特別委員会」で、江戸川区長が参考人として呼ばれ、江戸川区の子どもに関する施策のひとつとして、すくすくスクールと学童保育について質疑を行った時のものです。


平成18年2月14日 第164回国会における江戸川区区長発言

リンク先である衆議院のサイトで、ぜひ全文をお読みいただくことをお勧めします(全文はかなり長いので、ページ内検索「CTRL+F」などで「すくすくスクール」と入れると、拾い読みができます)。

さてここでは、すくすくスクールに言及した中でも、最もポイントとなる「予算」に言及した部分をご紹介します。

当時は、「全児童対策事業」は、いまほど一般的ではありませんでした。その中で、この会議の2年前、平成16年から全児童対策事業である「すくすくスクール」を導入した江戸川区について、様々な説明がなされたのち、民主党の小宮山議員(当時)が、下記のように質問をしました。

(会議録より抜粋)

◆ 小宮山(洋)委員 ◆
多田参考人に伺いたいんですが、先ほど、どんな支援が必要かすぐには言えないと言われましたけれども、先ほどちょっとおっしゃりかけた、地域の力を引き出すための仕組みをつくったりすることにはお金もかかるんだ、そのあたりをもう少し教えていただきたいというふうに思います。今、何かを支援ができないかということで私たちはいろいろ審議をしているものですから。

これに対し、下記のように回答がなされました。


◆ 多田参考人 ◆

私も、そういうことについて余り深く考えたことがありませんので、これだと言うことはなかなか難しいお話になります。

今、子供の健全育成あるいは犯罪防止のために、子供ではないところに、ある体制づくりをしていこう、こういう動きがあるかと思います。しかし、私ども、肝心なところは、子供に対して、健全育成なんですが、どういう影響力を地域として、あるいは社会として与えていけるのかというところを、もうちょっと重点的に考えていくべきではないかというふうに思っています。

例えば、子供に使うお金は、手当もありますし、保育所もありますし、いろいろございます。しかしながら、それらは、どちらかといえば親に対しての経済支援ということになっているわけであります。私たちは、もっと子供に直接影響のあるところにお金を使えないかということを考えております。

ですから、例えばすくすくスクールをやるとします。今、すくすくスクールは全体で19億円かかっております。27,000人の子供たちが来ておりますが、この中に学童クラブが入っております。

19億円のうちの約15億円は、従来からかけておりました学童クラブ経費でございます、合体いたしましたので。そうしますと、すくすくスクールだけでは、子供の数はうんと多いんですが、大体4億円で済んでいる、こういうことでございます。

学童クラブには正規の指導員がいました。これは公務員です。この部分は、これから非常勤化をしていくという方針をとっております。一日いていただく必要はないということになります。したがって、これをそれに順次切りかえていきます。そうしますと、約5億円で済むことになります

学童クラブとすくすくを合わせまして、恐らく10億円ぐらいでできることになるかなというふうに思っています。

これに対して、例えばすくすくスクールは、文部科学省が安全な居場所づくりということで予算化をいたしました。それで、その予算化されたものを、私ども、そのお金はいただこうということでいただいておりますが、3,000万円でございます。その3,000万円は、直接、児童に対する経費というよりは、つまり、運営委員会をつくってください、その運営委員会に対する助成としてそれを提供します、こういうことでございますので、子供にかかわる直接経費、さまざまな経費が必要になります。ボランティアでも、有償のボランティアをお願いしなければならない場合もございます。それから、いろいろな調度品、小道具、スポーツ用具、さまざまに要ります。こういったことにお金も使わなければなりません。
※注:読みやすさを配慮し、文中の漢数字は数字に修正しています。

そういうことになりますと、これは全部自治体の負担でやれればやっていいんですけれども、全国的に考えれば、それはなかなかの負担だというところも多々出てくるのではないかと思いますので、そういう子供に対する直接経費というもの、こういったものをもう少しお考えいただけたらいいのかな、そういうふうに思っております。

議事録の抜粋は以上です。全文は、こちらでお読みいただけます。

実は平成26年の現在、江戸川区の「すくすくスクール(学童保育含む)」の予算はおよそ8.8億円です。

ちなみに実は、この8.8億円のほかに、「正規職員の給与 6~7億円」というのがあります。
現在、江戸川区が言うところの「すくすくスクール予算」とは、あくまで「と非常勤職員・臨時職員だけの給与を含む予算」なのです。

というわけで、「正規職員給与」と、「非常勤職員・臨時職員だけの給与を含むすくすくスクール予算」を合計すると、15~16億円になります。

ここで、もう一度衆議院での発言を振り返ってみましょう。
平成18年当時、江戸川区長は「学童クラブとすくすくを合わせまして、恐らく10億円ぐらいでできることになるかなと」と、予想されております。

つまり今後は、この「15~16億円」を、「10億円」にしてきたいと、江戸川区にはプランがあるのでは?…と予想されます。

減らすためには、何を削るのか。…「人件費」です。

人員の質は、保育の質です。
もっぱら人材に質を左右されると言われる「保育」事業で、質を下げても構わないと判断し人員をさらに削っていけば、経費をどんどん減らすことができます。

今後江戸川区は、すくすくスクールと、すくすくスクール学童の人件費を、これからまだまだ削減していくでしょう。その予想を裏付ける、事実があります。

正規職員については、この10年間で採用がゼロである。

◆昨年度からは、非常勤指導員も新規雇用なし。退職者分は、マイナスのままである

今後も、この「正規職員は新規採用せず」また「退職者不補充」の方針からして、今後、学童指導員が増えていくことはありえないと予想されます。

実は事実、常勤職員と非常勤職員をあわせ、今年度は「10%以上の指導員削減」を、江戸川区は実現しています。

以上を図にすると、下記のようになります。


クリックで拡大します。
※上記の図は、 こちら からPDFでダウンロードもできます(再配布自由。改変厳禁)


現状の「すくすくスクール学童登録」は、月額4000円の保護者負担で実施されています(午後5時過ぎの”補食”が提供されていた時は別途月額1700円)が、これは今や、ほとんど「出欠確認」と「ランドセル置き場代」のみであると、多くの保護者が感じています。

“学童”と言いながら、他自治体の「学童保育」とは、似ても似つかぬ実態です。

そう。正規職員も、非常勤職員すらも、減らしていけば、こうなるのは当然です。

さて、今を去ること8年前、江戸川区長に質問をした当時の小宮山議員は、さらに下記のようにひと言、申し添えておられます。


小宮山(洋)委員
ありがとうございます。最後に一言だけ。

今の学童のことはこの委員会でやってきたんですけれども、一緒になることによって、学童の子供たちはずっとやはりそこで暮らしを見なきゃいけない、そこが非常勤化されたりすることによって質がどうなるかということを保護者の方がまた非常に心配されていますので、そうしたことも全体考えながら、子供に対してどういうことをしていけるのかを、またこの委員会でも考えていければと思っております」

そこは「留守家庭の子ども達の、暮らしを見る場所」であると、言っています。

「一緒になることによって」、その「質」の低下を懸念した、平成18年当時の小宮山議員。

今のすくすくスクール学童の姿を、すでに10年以上前から、江戸川区長はプランしていました。

これが、自称「子育てに優しい区」、江戸川区です。

小宮山議員の懸念が見事に現実のものになったことは、いますくすくスクール学童に子どもを預けて働いている私たちが、日々、痛感していることです。

次回に続きます。