2017年8月9日水曜日

【署名にご協力ください!】学童クラブの補食を本来あるべき姿…「2012年以前の姿」に戻して欲しい!

夏休みに突入して、はや2週間が経ちました。

学童クラブ登録の児童を持つ保護者にとっては、日々の仕事や家事、週末の子どもの遊びなどのサポートに加え、「毎朝の学童弁当作り」という仕事が増えています。

温暖化でますます暑い気候もあいまって、保護者の体調も万全とはいかず、辛く感じる日もあることでしょう。それでも親も子も頑張って仕事に、学童クラブでの生活に、頑張らないといけない…それが、働く親にとっての夏休みです。


さて、当会では2013年4月からの江戸川区による「学童補食廃止」の後、江戸川区内の学童クラブ保護者の方々、地域の方々、全国の応援してくださる方々と共に、粘り強く補食再開の願いを江戸川区に届けて参りました。


その成果あり、幸いにも2016年春から、あくまで「保護者による持ち込み」の形ですが、学童登録の子ども達の補食を、江戸川区が認める運びとなりました。

参考記事
◆2015/06/30 
◆2016/04/01

2013(平成25)年、衝撃の「学童補食廃止」から丸3年を経たのち、こういった過程を経て、保育園を出たばかりの小さな1年生が、学校給食の後に午後6時過ぎまで「水道の水しか飲めない」…そんな事態は、かろうじて終わりを告げたのです。

しかしながら、いま実施されている「保護者による持ち込み補食」は、様々な課題を含んでいます。

◆「持ち込み補食」が抱える課題① 
 ~大きな負担

持ち込み補食の例
持ち込みのスタイルは、およそ右写真のようなイメージです。

保護者は、まず小分けの菓子ひとつひとつに「○年○組 ○○○○」と記名をします。次に1日分づつ、例えば月~金までであれば5つのジッパー袋にセット。それを、土曜日などにすくすくスクールに預けに行き、すくすくスクールのスタッフに依頼します。

また同時に、前週分のゴミを受け取り、持ち帰ります。

このように2012年以前、江戸川区により補食事業が実施されていた頃と比べ、はるかに大きな手間の負担を、働く保護者が負っています。

この大きな保護者負担のため、今、補食が必要なすべての子ども達が補食を食べられる状況になっていないのが実情で、江戸川区内小学校すくすくスクールの「持ち込み補食」実施率は、現在30%程度にとどまっています。

またすくすくスクールのスタッフも、補食ジッパー袋の管理、ゴミの管理・返却など、少ない人員の中でやり繰りいただいているのが現状です。


◆「持ち込み補食」が抱える課題② 
 ~補食の「内容」

保護者による持ち込み補食は、当然ですが常温保存品…お煎餅やビスケットなど「乾きもの」に限定されます。

いっぽう次の資料は、2013年(平成25年)3月まで、江戸川区のある小学校の「すくすくスクール内学童クラブ」で、実際に提供されていた補食の内容です。

どうでしょうか。「わかめラーメン」「じゃこオニギリ」「ミルクパン」「ミニオムレツ」「ミニカレーチーズドッグ」「たこ焼き3個」など、現状の「持ち込み補食」では提供できない、温かいもの、汁気のあるものなど、乾き菓子よりもはるかに、子どもの育ちを担う「食」としてふさわしい「補食」となっています。


これが、ほんの5年ほど前まで、江戸川区で実施されていたのです。

これらの食品は、たとえば生協などを利用してすくすくスクールで発注し、すくすくスクールの冷蔵庫を利用して冷蔵・冷凍保存、そして電子レンジなどによる簡単な調理によって、学童クラブの子どもたちに日々提供され運用していました。

その費用は、学童クラブ登録費(月額4,000円)の他に、「補食費」として月額1700円。ただし生活保護はじめ一定所得以下の家庭の児童には、無償で提供されていました。

できれば、子どものおやつには、スナック的な乾き菓子よりも、オニギリや汁物などを食べさせてやりたい…そう願わない働く保護者など、おそらくいないでしょう。

しかし持ち込み補食では、その願いはかなうことはありません。


◆「持ち込み補食」が抱える課題③ 
 ~「同じもの」を一緒に食べる楽しい時間が消えた

補食を、2012年以前の状態に戻すことで得られる効果は、他にもあります。

「保護者による持ち込み補食」では、みな違うものを食べます。となり子の食べているお菓子の方がいいな…と思う時も、あるでしょう。家庭の経済状況などによって、持参する補食の内容に「差」もあるかもしれません。

「同じ釜の飯」とはよく言ったもので、「同じもの」をみんなで食べると、子ども同士に一体感が生まれ、仲間意識を高める効果があります。

2012年以前の補食の時代を知る、ある学童保護者はこう語ります。

「いつもより少し早くお迎えに行くと、学童の子たちがテーブルを囲んで補食を食べているんです。友だちやスタッフと楽しそうにおしゃべりしながらです。

一般登録(現:すくすく登録)の子たちが5時で帰りますので人数も減り、残った6時帰りの学童の子だけでちょっと一息…ゆったりした気持ちで親の帰りを待つ、穏やかで楽しいひと時がそこにありました。


なんとなく保育園を思い出します。息子は毎日の補食を、本当に楽しみにしてました」


お互いを知ってお互いに優しくできる、そのような雰囲気が生まれることが、皆で同じ補食を食べることによる、優れた効果です。だからこそ「学童が楽しい」と思えるのです。

これは、「補食を持参できる環境」にある子どもだけがおやつを食べることができる、現状とは大きく違います。

子どもが好むと好まざるに関わらず毎日行かなければいけない学童クラブの場所だからこそ、補食は必要であると厚労省も認めています。

いま23区で、補食を区の事業として行っていないのは江戸川区だけなのです。
(一度は補食を廃止した品川区も、しばらくの中止期間を経て、近年再開しています)

当会…えどがわ学童保育フォーラムは、訴えます。「保護者による持ち込み補食」という現状は、学童クラブの「補食」とするには、内容が不十分なのです。

2016年6月、持ち込み補食が始まった数か月後に、当会で行った江戸川区保護者アンケートでも、その結果は明らかでした。なんと94%の保護者が、「補食を2012年の廃止以前の形に戻して欲しい」と希望しています。

【参考記事】
◆2016/06/08
【超長いけど…必読!】親の「生の声」がぎっしり126名分! 夏休みに向けて、「持ち込み補食」について今一度考える参考材料に



署名活動を実施します。

このように、「学童クラブの子どもに、補食を、それにふさわしい内容で提供できるよう、江戸川区が責任を持って制度を整えるべき」という声を踏まえ、当会は再び、江戸川区による補食実施を求めて陳情活動を行うことといたしました。

陳情で要請するのは、以前と同じように保護者が補食の実費を負担し、区が責任を持って補食実施を行う制度です。

陳情には、署名活動をあわせて行います。江戸川区により補食制度が整えられれば、働く家庭の子ども、そして親の大きな助けになります。

現在署名は100筆となりました。さらにひとりでも多くのかたの要望の声を区に届けることが必要です。
署名用紙
署名をしたい、と思われるかたは

【方法1】
署名用紙の郵送を希望する

まず、下記までメールにてご連絡ください。
edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com

件名:署名用紙希望

本文:①署名用紙希望枚数
   ②送付先ご住所、郵便番号
   ③お名前

以上をお書きください。
折り返し、署名用紙を郵送でお送りします。
※署名用紙のご送付には、一週間程度のお時間を頂戴する場合がございます。すみませんがご了承ください。

【方法2】
署名用紙をご自身でダウンロード、印刷する

署名用紙は以下からダウンロードし、ご自身で印刷もできます。
署名用紙のダウンロードはこちら

署名用紙は、「A3サイズ」のPDFデータです。
印刷の際は、「A3サイズ」または縮小印刷で「A4サイズ」1枚にお願いします。
※「A4サイズで2枚」に分かれてしまうと、署名用紙として無効になりますのでご注意ください。

記入した署名用紙は、お手数ですが下記まで郵送をお願いします。
〒134-0088 東京都江戸川区西葛西6-8-16
西葛西駅前郵便局留 「えどがわ学童保育フォーラム」宛

本署名は、すでに今までいただいている分は、江戸川区議会に提出済みです。
これから皆さんにいただく署名は、追加の提出となります。

江戸川区議会において、本件は2017年11月に審議の予定とのことですので、
皆さんからの署名をご送付いただく〆切を、9月末ごろまでとさせていただきます。

お手数をおかけしますが、皆様のご協力を何卒よろしくお願いいたします。

なお以下に、陳情書の全文を掲載します。
(一部読みやすさのため、改行等を追加しています)



すくすくスクール学童クラブ登録における補食実施事業を
2012年度以前の実施方法に準じて再開する陳情書

2013年4月より、江戸川区はそれまでの補食の受託を廃止しました。しかし、放課後の長い時間を空腹のまますくすくスクールで過ごさざるを得なくなった子どもの状況を勘案し、補食持参を2016年度より江戸川区が許可し、2016年4月より実施が行われてきました。

情報公開請求に応じて公開された、江戸川区作成の実施状況についての資料によると、2016年5月の時点で、学童クラブ登録4203人中1311人(31%)、うち、1年生に限ると希望者は40%でした。

しかしながら、2016年12月の時点で、学童クラブ登録数3606人中848人(23.5%)うち、1年生に限ると希望者は30%です。かなり減っていますが、1年生のニーズはやはり高く、補食の最後の年の希望率は34.8%でしたから、2016年5月の数字を見れば、補食廃止後3年を経過しても、補食ニーズは変わりなく存在します。

しかしながら、実際の実施の要件は、言うほど簡単ではなく、腐らないような乾いた物に限る、ひとつひとつ名前を書く、ごみは持ち帰る、など、こまごまと条件が取り決められ、親の毎日の努力で継続できるはずと簡単に片付けられるようなものではありません。

子どもにおいては、お互いに食べる物がちがう、親の状況で補食が必要であっても食べられない子どもがいる、などの格差を生み出しています。

特に仕事を続けるにあたり余裕のない家庭ほど補食の持参も続けられないという状況が存在します。現在の実施方法は持続できる可能性が低く、5月の時点で補食を実施していなかった学校は6校ですが、12月の時点で14校に増え、2桁の希望者がゼロになってしまった現状があります。

このなかで例外的に補食参加率が高く5月で60%、しかも12月に66%まで増えている学校がひとつだけあります。この学校は、補食がとれている1年生は、5月で72%、12月で75%です。

この学校は、子どもたち一人分ずつのおやつを袋詰めして、共同購入すれば届けてくれる業者さんの協力を得る事ができたという条件に恵まれており、2012年度以前の区による補食受託とほぼ同じ形態の実施ができている学校なのです。

この小学校だけは、子どもたちが必要とする補食を、継続することができています。

さらにもうひとつ注目すべきであることは、5月以降12月までの間に、江戸川区の71校中、この小学校以外の70小学校では、12月の時点で学童クラブ登録数が減少(全体で14%減少)したのに、この学校だけが、学童クラブ登録数が増えている(1人、2%)ということです。

このことは、学童クラブ登録における補食の存在が、親の生活、子どもの生活において非常に重要な要件であり、就労家庭を支える為にいかに重要なものであるか、ということを示唆しています。

補食の存在によって、友達と仲良く安全に過ごせる場所で親の帰りを子どもが待っていてくれるということは、就労家庭の親にとって大きな安心であり、仕事を続けるうえで欠かせないものなのです。

江戸川区は、2013年10月の、当会の公開質問状への返答の中で、学童クラブ登録は、「就労援助である」と明言しているのですから、就労援助としてこれほど重要な要件である補食事業は、他の自治体同様、区が責任を持って実施していただきたいと考えます。

厚労省のガイドラインでも学童保育でおやつは支給されるべきものとされていますし、区の事業で行われている就労支援で、補食の実施をしていないのは江戸川区だけです。

つきましては、貴議会において、すくすくスクールの学童クラブ登録が就労支援としての要件を満たすよう、下記の通り陳情いたします。



すくすくスクール事業学童クラブ登録において、補食事業を、2012年以前の形態に戻し実施してください。


陳情文は以上です。

先ほども記しましたが、この陳情はすでに江戸川区議会に提出済みです。
これから皆さんにいただく署名は、「追加提出」となります。

この陳情に関する今後のスケジュールは、以下の通りです。

①平成29年9月26日
江戸川区議会「第三回定例会」において、陳情が委員会にへ付託されます。どこの委員会に付託されるかは検討されますが、これまで通り教育関係をあつかう「文教委員会」に付託される見込みです。

②平成29年10月16日
文教委員会で審査が始まりますが、初回の審査は、「陳情文の朗読」と「資料請求」のみを行い継続するのが慣例となっており、具体的な審査はさらに来月に送られます。
(委員会の開催は、原則、月に一回だそうです)

③平成29年11月頃
実質的な審議がスタートします。

この陳情を審査してくださる、江戸川区議会・文教委員会のメンバーは以下の9名の皆さんです。

渡部 正明 (委員長)区議会自由民主党
太田 公弘 (副委員長)江戸川区議会公明党
中津川 将照 江戸川クラブ (副幹事長)
神尾 昭央 区議会民進党 (幹事)
大橋 美枝子 日本共産党江戸川区議員団 (副幹事長)
福本 光浩 区議会自由民主党
藤澤 進一 区議会自由民主党
須賀 清次 無所属議員
田中 淳子 江戸川区議会公明党

就労家庭への支援、子どもたちの幸せを念頭に置いた、前向きな議論が行われることを、江戸川区民として切に希望したいところですね。

陳情に関しては以上です。

さいごに…えどがわ学童保育フォーラムのこれまでの活動については、以下もあわせてご覧ください。

◆えどがわ学童保育フォーラム・ホームページ
現在更新停止中ですがストックされている記事はお読みいただけます。
特にアクセスの多い人気記事は以下です。

現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!
「学童保育」の常識を覆す  脱現実! 東洋経済のすごい「記事」

公開から3年以上経過しても、まだ跳びぬけて高いアクセスがある記事です。


◆江戸川区・学童補食の継続を願う会ブログ
2012年の補食廃止直後に活動した「学童補食の継続を願う会」のブログです。
補食再開を願い、江戸川区に多数の陳情を提出した記録が残っています。

皆様のご協力を、何卒よろしくお願いいたします。