2014年11月4日火曜日

【回答なき回答状が到着!】区民からの質問:「法案が可決されても『変わらない』と区長はおっしゃっていますが、その根拠を説明してください」に対して、届いた回答とは…?

えどがわ学童保育フォーラム宛に、江戸川区内在住の保護者の方から、メールをいただきました。

去る10/28に、江戸川区議会では、すくすくスクール学童クラブ事業を児童福祉法の適用外とする「すくすくスクール事業条例」が賛成多数で可決しましたが、これからご紹介する方は、それより前の10月上旬に、下記「区長への手紙」を、メールで送られたそうです。

まずは、その「区長へのメール」をご紹介します。

2人の子どもが、学童登録にてすくすくスクールを利用しています。

両親共働きのため、放課後子どもだけにしておくわけにもいかず、補食が廃止された今でも17時を過ぎる時間で利用しています。

最近では誕生日会や帰りの会などもなくなり、夏の麦茶や、帽子や着替えの置き場もなくなり、家庭的な場所ではなく、すくすくスクールは混沌とした雑居房の様相を呈してきました。

子どもがノート(注:すくすくスクール学童登録児童の連絡帳)を提出し忘れても、「特に変更なければノート提出はいらないよ」と指導員の方が言う始末。

次月のカレンダーがノートに貼られるのも、こちらが言わないと貼られないことや、月の末日ということもちらほらで、よっぽど人手が足りないと思われることばかりです。
(注:すくすくスクール学童登録では、家庭でノートを用意し、それにすくすくスクールの職員が毎月カレンダーを貼り、出欠の確認や退室時間の連絡に使用しています)
学童連絡帳
※画像はイメージです。

今後、学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が通ることがあれば、ますます予算が削られ、質の劣化は目に見えています。

また児童福祉法が改正され、学童保育がようやく「放課後児童健全育成事業」として、法的に位置づけられたにもかかわらず、今後学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が通ることがあれば、江戸川区は国の基準すら守らない自治体と認知されるのだと思われます。

法律違反になることは、認識されているわけですね。

法案が可決されても「変わらない」と区長はおっしゃっていますが、その根拠と、予算が削られてなおもどのようにすくすくスクール(含む学童登録)を充実(子どもが行きたいと思う場所、自分の居場所が見いだせ、指導員との信頼関係を築ける場所)していくのか、説明をお願いします。

ふらっと行って、居づらかったら家に帰るような事業に、なにか子どもを育てる要素があるのか、説明をお願いします。

すくすくスクールは全校対象の事業のため、学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が与える影響について、江戸川区内全小学校での説明をお願いします。
回答期日:2014/10/02

これに対して、江戸川区の教育推進課から来た回答は、下記のものでした。
江戸川区 教育推進課からの回答 ※クリックで拡大します。
以下に全文を掲載します。

メール「すくすくスクールについて」拝見しました。

「すくすくスクール」は全児童を対象に学校・地域の連携のもと、健全育成事業として行っております。放課後、すべての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域のかかわりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的の事業です。

児童福祉法の改正により、第三回区議会定例会に「江戸川区すくすくスクール事業条例」を上程し審議中でございます。児童福祉法に関わらず、江戸川区のすくすくスクール事業はこれまでと変わりなく実施してきます。

すくすくスクール事業により地域の方のお知恵や力をいただき、様々な体験や季節イベントを実施しています。スポーツ活動や伝統文化・芸能活動など学校や家庭でできない学びや遊びを全校で展開しております。

また学年に応じた自己管理能力、生きる力、自立を支援するため、児童一人ひとりにあった方法をご家庭と一緒に考えて行きたいと思っております。

これからもすくすくスクールでは子どもたちを健やかに育むことを最優先に考え、事業のあり方について総合的に検討してまいります。このたびは貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございます。

担当 教育委員会事務局 教育推進課
すくすくスクール係 (責任者記名)
電話 5662-2732

江戸川区教育推進課、責任者の方からの回答は以上です。

では質問者の方の質問を、もう一度、箇条書きで確認してみます。

●法案が可決されても「変わらない」と区長はおっしゃっていますが、その根拠は?

●予算が削られてなおも、どのようにすくすくスクール(含む学童登録)を充実(子どもが行きたいと思う場所、自分の居場所が見いだせ、指導員との信頼関係を築ける場所)していくのか?

●ふらっと行って、居づらかったら家に帰るような事業に、なにか子どもを育てる要素があるのか?

●すくすくスクールは全校対象の事業のため、学童クラブが児童福祉法適用外になる法案が与える影響について、江戸川区内全小学校での説明をしてほしい(説明会の開催依頼)。


回答の手紙に、質問に対する回答が全く存在していません。

江戸川区に対して、公開質問状、区長への手紙などで個別・具体的な質問を出しても、その質問一つ一つに対して個別の回答が一切なく、「ざっくり」とした文章で「回答」とする、というのは過去にもありましたが、また同じであったわけです。

このことに、質問者の方は、大きな失望と怒りを禁じえず、当会に連絡されて来たとのことでした。

他にも、「区長への手紙(メール)」を送り、回答が来た方がいらっしゃいましたら、ぜひ「えどがわ学童保育フォーラム」宛にお送りください。ご紹介させていただきたく思います。
個人情報には十分配慮し、万全を尽くします。皆様のお声を、お待ちしております。

送り先 ⇒ edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com 
※@は半角に直してください。

さて、質問した保護者の方は、私たちへのメールで下記のようにも訴えておられました。

「学童」の文字もないところで、今後どうなるのか本当に不安です。

学童登録なくなるのでは?という不安もあります。

下の子はまだ低学年なので、放課後、一人でふらふらさせるわけにもいきません。

現時点で学童登録している人が、民間の学童を利用する場合に限り、私立幼稚園に入学時・月額料金に補助がでるのと同じような補助が受けられるように行政へ働きかけるのはどうでしょうか?

この「補助」の件ですが、少し補足させていただきます。

江戸川区ではいま、すくすくスクール学童クラブの現状を商機と捉えてか、民間学童の進出が非常に盛んです。おやつの提供や、しっかりとした「保育」体制はもちろんですが、塾と連携した学習指導、英会話、工作教室、理科教室、夏休みなど一日育成日には遠足や野外体験など、魅力的なサービスを展開しています。

つまり江戸川区は、質の高い学童を利用したければ民間学童へどうぞ、という選択肢になってきている、ということです。

ちなみに民間学童の利用料金は、入会金として数万円、月~金フルで月額5万円~7万円です。夏休みなどはさらに値段が上がります。例えば1年生と3年生のお子さんのいる家庭ですと、利用料は倍の負担となり、世帯収入によっては何のために働いているのか?という状況に陥ります。

このように、多くの家庭にとって、民間学童は現実的な選択肢ではありません。

かといって「すくすくスクール学童クラブ」では、就労支援に不十分と感じ、先日ご紹介した方のように、「小一の壁」にぶち当たり正社員退職を余儀なくされる方も、現実におられます。

【参照】2014年10月28日火曜日
【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?

メールを下さった方は、その点を指摘し、「いま、すくすくスクールで学童登録している人が、民間の学童を利用する場合に限り、補助が受けられるように行政へ働きかけるのはどうでしょうか?」と書かれているのです。

引き続き、皆様からのご意見を募集します。

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