2014年9月11日木曜日

【江戸川区民の皆さんへ】江戸川区から「学童保育」がなくなるかもしれない。あなたの声を「区長への手紙」で伝えてください!


※上記チラシは こちら からダウンロードできます。

長くなりますが、どうか、お付き合いください。

私たち「えどがわ学童保育フォーラム」は、すくすくスクールの中で薄められていく「学童“保育”機能」に危機感を感じ、活動を続けてきましたが、ここ数ヶ月で、その危機感は非常に高いものになっています。

そう、近いうちに、江戸川区から学童保育(学童クラブ)が、ほんとうになくなるかもしれません。


■ 平成27年度開始に向け国が進める ■
■ 「子ども・子育て支援制度」 ■
国を挙げての、学童保育の拡充を目指している今

いま日本は、学童保育の充実を国家施策として進めています。それは、平成27年度開始を目指して進んでいる「子ども子育てに関する新制度」の一環です

この施策の下、政府は、「放課後児童健全育成事業(いわゆる「学童クラブ」)」にについては、「児童福祉法上の観点から家庭的な生活の場を与える必要がある」として、各自治体にこの遵守を求めています。

内閣府が発行している「子ども・子育て支援制度なるほどBOOK」の13~14ページには、次の記載があります。


P13~14 放課後児童クラブについてのQ&A
【抜粋】
Q:「放課後児童クラブ」の改善が図られると聞きましたが、どうなるのですか?

A:「放課後児童クラブは、新制度では、職員の資格・員数、施設・設備、児童の集団の規模などについて新たに基準を定めることとされています。放課後児童クラブの財源にも消費税財源を活用し、量の拡充と質の向上を図っていきます。また小学校6年生までが対象となります。

このように、国の取り組みとしては、子ども子育て支援制度の開始により、学童クラブは拡充が図られるものだ、としていることがわかります。



■ 江戸川区の取り組み、「子ども子育て応援会議」 ■
 しかし利用者の声はそこには届かない

これを受けて江戸川区も、自治体として「学童クラブ」に新たな基準を定めることが求められることとなり、現在、着々と取り組みを進めています。江戸川区のホームページにおいて、「子ども・子育て支援制度」として、その取り組みが掲載されています。これは、江戸川区で子育てをしている私たちには、大きな関わりをもつ出来事です。




今後、江戸川区では、幼稚園、保育園、認定子ども園に関しての制度だけでなく、学童クラブ(放課後児童クラブ)についての制度も変わろうとしているのです。

しかしそれは、政府が遵守を求めているように、江戸川区の学童保育は「改善」の方向に変わるのでしょうか? 江戸川区で働きながら子育てをしている区民としては、当然、改善を期待したいところです。

ですから私たちは、江戸川区が開催している「子ども・子育て応援会議」の成り行きを、非常に関心を持って見守って来ました。しかしこの会議には、「選ばれた区民の代表」の方だけが参加しています。私たち一般区民はこの会議に参加することができず、要望も、質問も届ける手段はありません。

しかも会議は平日の開催ですので、どうしても内容が知りたい時は、メンバーの誰かが仕事を休んで、傍聴に行くなどして対応していました。

こうして、子ども子育て応援会議の傍聴や、各方面からの情報の収集などを続けているうちに、次のことが見えてきました。


■ 国の新制度が始まっても ■
■ 江戸川区の「学童保育」は改善されない ■

 「すくすくスクール学童」は、国の言う「学童クラブ」ではない、
だから法を遵守する必要はない、という解釈をと示唆する公的発言

現在、江戸川区のすくすくスクールの中には「学童クラブ登録」という形で放課後児童クラブ(学童クラブ)が存在します。しかしご存知のように、この10年間、内容は充実するどころか年々薄められてきました。

そして私たちは今、かなりの確信を持って考えています。
平成27年度から国の新制度が始まっても、
今のすくすくスクールは、
これまでとなんら変わりなく運営されるであろう。

学童保育の内容は、変わらないか、
今よりさらに低下するか、
あるいは「学童保育そのものが消滅する」か。
と。

他の自治体では、国の方針を受けて、あるいは自発的に学童クラブの拡充が図られる中、江戸川区の学童クラブは「すくすくスクールの中で子ども達が自主的に過ごす」という、たんなる「遊び場事業」に、今以上に変貌しようとしているのです。

これを裏付けるひとつの、公的な発言があります。

江戸川区すくすくスクール担当課「教育推進課」の課長は、平成26年6月12日・江戸川区議会・文教委員会において、「すくすくスクールにつきましては”家庭的な場”というような考え方を持っておりません」と発言しています。

下記が、発言の全文です。
江戸川区議会HP「会議録検索」で「すくすくスクール」で検索してください。

◎教育推進課長 

「まず一点目の先ほどのご質問で生活の場のことについて、どういうふうに解釈をしているかというご質問に対しては、家庭的な中でという児童福祉法上の解釈ということでの我々もそういうふうに放課後児童健全育成事業については考えて解釈していますよというお答えをしましたけども、すくすくスクールにつきましては家庭的な場というような考え方を持っておりませんので、放課後過ごす子どもたちが健全育成のために遊びながら、それから地域の方々にそうしたふれあいの中で時間を過ごしていく、そういった場として考えておりますので、委員さんがおっしゃったすくすくはそういう場であるというふうには考えてございません。これを確認をさせていただければと思います。(平成26年6月12日文教委員会議事録より)

何度も言いますが、国は、放課後児童健全育成事業(学童クラブ)に児童福祉法上の観点から家庭的な生活の場を与える必要があるとしています。

一方、柴田課長の発言は、「すくすくスクール学童は、国の言う”放課後児童健全育成事業”に該当しない」という江戸川区の解釈を示唆するものであり、該当しない以上は、「すくすくスクール学童」に、「家庭的な保育は必要ない、単なる遊び場である」と解釈を法的に固めようとする布石と取れます。



■ 「区長への手紙」を出しましょう ■
 いま利用者が声を上げないと、
 「住民は現状のすくすくスクールに満足している」とされてしまいます

このままでは、今後、仮にすくすくスクールに「学童登録」という名称が残ったとしても、それは出欠確認とランドセル置き場があり、他の子ども達より少しだけ長くその遊び場にいられるという単なる登録区分の名称にすぎなくなります。

そこに、働く親の子が長時間、安心して親の帰りを待つことができる、「家庭に代わる場所=保育」の姿勢はありません。

「働く母、小一の壁」が、さらに高くなろうとしてる江戸川区。今すぐ利用(予定)者ひとりひとりが声をあげないと、「住民は現状のすくすくスクール(学童)に満足している」「住民に学童保育のニーズはない」とされ、現状が改善されぬまま新制度が始まってしまいます。

補食(おやつ)の廃止にみられるように、行政が一度決めたことは、そう簡単に変えられません。どうか、あなたも声を上げてください。「区長への手紙」を出し、担当課に電話で要望しましょう。

担当課は、教育推進課「すくすくスクール係」です。
03-5662-2732


江戸川区 区長への手紙
「区長への手紙」は、こちらから。


もし差し支えなければ、あなたが送った「声」を、えどがわ学童保育フォーラムにお送りください。その際、学校名や個人名は絶対に特定できないよう、配慮いたします。
メールにて、お寄せください。

えどがわ学童保育フォーラム edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com

なお「区長への手紙」は、回答を求めることもできます。回答が届いたら、こちらもお送りいただければご紹介します。

私たちも声を上げ続けます。ぜひ、よろしくお願いいたします。



■ このことを訴えるチラシを、広めてください ■
特に江戸川区内、該当者への紹介、配布をお願いします!!

本件まとめた印刷用のチラシを作成しております。
内容を改変しない限り、ご自由に印刷、配布、転送いただけます。

広く、特に江戸川区の皆さんに、ぜひ広めていただければと思います。
もちろん、当ブログのURLをメール等で、お知り合いに送っていただいても構いません。

カラー版は こちら からダウンロード


モノクロ版は こちら からダウンロード


最後に…

■ 10年前の「公約」は、どこへ行った? ■
首長は同じ。では何故?

最後に、江戸川区で「すくすくスクール」が開始、それまでの「学童クラブ」がすくすくスクールに吸収されていこうとする2004年の「広報えどがわ」をご紹介します。

2004年まで、江戸川区内には家庭的保育を行う学童クラブが数多く存在していました。

当時も、一体化により学童保育の機能低下を心配する多くの保護者らによって、すくすくスクールへの統合の反対運動が区内で盛り上がりました。

しかしその当時、江戸川区は「すくすくスクールになっても、学童保育はなくなりません!変わりません!さらに充実します!」と明言し、反対する保護者らを説得し、すくすくスクール導入を強行しました(当フォーラムにも、その当時、反対の声を上げていた学童保護者OB・OGが参加しています)。

しかし学童の「おやつ廃止(平成25年度)」に見られるように、すくすくスクール学童は、この10年余りで世の中の学童保育とはまったく別物へと変化を遂げたのです。

下記は、2004年9月の「広報えどがわ」です。
上記「広報えどがわ」は、こちら からダウンロードできます。
(えどがわ学童保育フォーラムのHP内「資料室」にリンクします)

(上記より抜粋)
すくすくスクール スタート!学童クラブ機能も充実!

一層充実します! 「すくすくスクール」内の学童クラブ
保護者が就労などで昼間留守にするお子さんのために、
「すくすくスクール」に学童クラブの機能をもたせます。

○学童クラブはなくなりません! さらに充実していきます。
○様々な学校施設を活動場所に、遊びと生活の場が広がります。
○専門の指導員が責任を持って、子どもたちを安心・安全にお預かりします。
○1~6年生まで、入室希望のお子さんすべてが入室できます。
○「すくすくスクール」内で、学童クラブ以外の多くの子どもたちと触れ合う機会が生まれます。
担当:児童女性課

このときから10年を経て、2014年現在のすくすくスクール学童の現状です。

●学童登録児へのおやつ(補食)提供の時間が、16時、16時半、17時過ぎ…と年々遅い時間になってゆき、平成25年4月から、完全廃止となった。

この10年間、正規職員の指導員新規採用はゼロ。時給労働のパートタイムの臨時職員か、無償の地域のボランティアによる対応に切り替えている。その数も、減少傾向にある。

すくすくスクールの長にあたる「クラブマネージャー」の報酬は、平成25年度から廃止され、完全に無償の活動になった。

指導員と親をつなぐ「連絡帳」は、ここ数年で機能低下、廃止の方向にある。

体育館、図書室、校庭などの学校施設は、実際は自由に使えず、多くのすくすくスクールでは教室1~2個分のスペースに、多いときには100~200名の子どもを収容している。

具合が悪い子でも、保健室が使えずすくすくスクールホームルームの床に寝かされるなどの事例もあり。

学童クラブ独自の各種行事(入室式、卒室式、お誕生会、夏休みなどの遠足)は廃止された。

学童クラブ行事がなくなったことにより、親同士が顔を合わせる機会も減少。学童の保護者会組織も自然消滅していった。

江戸川区内での担当部署は、福祉系の「児童女性課」から、教育系の「教育推進課」に変更された。

このように、大きく変化を遂げました。もちろん、日々、子どもたちと向き合い続けている、心ある職員の方々の必死の努力によって、かろうじて「質」を維持しているすくすくスクール学童もあります。

が、江戸川区全体としては、質の低下が著しいことは顕著です。すくすくスクール職員個人の努力、あるいは無償の「ボランティア」や「地域の人々」の善意にのみ依存せず、自治体として公的に、学童保育の拡充を図る…それが正常な姿であり、国の施策にも合致するものではないかと私たちは考えています。

「学童クラブ機能も充実!」と謳った2004年当時と、2014年の今、江戸川区の首長に変更はありません(なお来年度、区長選挙があります)。同一人物を首長としながら、当初の公約とここまで異なる現実となったのは、何が理由なのでしょうか? 区には、どういう意図があるのでしょうか?

江戸川区に住み、働き、税を納めている私たちは、この点をよく考え、行動する必要があるかと思います。

一人でも多くの方ご協力を、どうぞよろしくお願いします。
長文へのお付き合い、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

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