2018年10月23日火曜日

【保護者の声は認められず】すくすくスクール・補食お願い復活陳情は「不採択」!


2018年10月16日、江戸川区議会・文教委員会において、当「えどがわ学童保育フォーラム」が提出した陳情が、1年間もの長き時を経た結果、「不採択」となりました。

以下、文教委員会の傍聴メモからお届けします。
メモから起こした文章のため、一言一句、正確な再現ではないことをお許しください。

島村和成・文教委員会委員長(区議会自由民主党)
各派、採択・不採択の結論とその理由を述べてください。

田中寿一議員(区議会自由民主党)
結論は不採択です。

補食のあり方については持ち込みの形で5年(※)が経過し、実態は注視してきました。学童登録希望者、実際に補食を摂取する児童の数を考えると、現行のあり方がよいと思います。
※発言のまま掲載。実際は「5年」ではなく「2年半」。江戸川区がすくすくスクール学童での補食提供を「廃止」したのが「2013年度」から。その後、「2015年度」から、保護者の持ち込みによる補食を「許可」しました。

関根麻美子議員(江戸川区議会公明党)
結論は不採択です。

理由ですが、授業時間数の増加の中で放課後の時間が減ったこと、すくすくスクールの導入で、学童と一般登録の子どもが一緒に遊べるようになった中、遊びを中断したくないという子どもの気持ちを尊重すること、また補食の希望者が減少する中でいまの形態になったこと、ほかの様々な状況の中で、いまの形態でやむをえないということから不採択とします。

しかしながらひきつづき、たとえば食の細い1年生の状況や、保護者の声を聞きながら、今の形のなかでも、それぞれの学校ごとに取り組んでいってほしい。

金井茂議員(えどがわ区民の会)
現行のあり方が妥当ということで不採択。

大橋美枝子議員(日本共産党江戸川区議員団)
我が党は、補食を元のように区が責任をもって実施すべきであるという立場で、条例を作るということも提案してきました。

いままで述べてきたように、

①補食希望者が減少してきたことを、江戸川区による実施を行わない理由に挙げる党がありますが、「保護者の負担が大きいために減少する」ことになっているのが現状です。

具体的には、もともと学童登録の34.8%が補食を食べていたのに、持ち込みの形態に変更したことで激減し、昨年の9月の学童登録3,811人のうち、希望者872人と約2割であり、さらに、実際に食べているのは257人、6.7%となっています。

保護者の判断に委ねるといいながら、「保育時間に届けるのは難しい」「同じようなおやつの繰り返しになる」など、保護者が躊躇する状況になっています。

②条例でも、学童クラブ登録は「就労支援である」としているのであるから、元に戻すのが妥当、と考えます。

③「遊びの中断を避けるため」という理由を挙げる党がありましたが、子どもの成長、発達におやつが必要であるという視点、また皆で食べるという情緒的効果からみて、遊びを中断してもおやつの時間を設け、子どもの成長をはかるのが大人の役割であると思います。

④かつての制度では、就学援助を必要とする家庭に対して、補食について補助がなされており、貧困対策の一環となっていました。

事実、かつて補食をとっていた児童の27.7%が、就学援助を必要とする家庭の児童でした。現在は、この貧困対策がカットされた状況になっています。

以上より、アレルギー対策などの現場の困難の部分は解決して、江戸川区による実施を行うべきであると考えます。

本西光枝議員(生活者ネットワーク)
我が会派としては趣旨採択としたいと思います。

学童期は心と体が育つ時期で、きちんと補食をとることは必要です。しかしながら、この陳情では「2012年度以前の形態に戻してほしい」とあります。

2012年度以降のすくすくスクールの変遷、すなわち3年生までが対象だったところ6年生までに拡大したこと(※)、退職者不補充で現場の職員数が減少していることを考えると、2012年度以前の形態で実施することは困難になっています。そのため、趣旨採択としたいと考えます。
※発言のまま掲載。実際には、学童クラブ登録対象が「小6まで」に拡大されたのは、「2012年度以降」ではありません。江戸川区内の全区立小学校の「学童クラブ」を、全児童放課後対策「すくすくスクール」に吸収合併したのが2004年です。この時に対象が、それまでの「小3まで」から「小6まで」となりました。

今後は、すくすくスクール側から、保護者が順番でおやつを用意するなどの方法もあるということを勧めたり、保護者の横のつながりができるように働きかけるようにしてほしいと考えます。

島村和成委員長
では採決を挙手で行います。不採択のかたは挙手してください。

公明党 窪田隆一議員 文教委員会副委員長 不採択
自由民主党 田中寿一議員 不採択 
自由民主党 野崎信議員 不採択
公明党 関根麻美子議員 不採択
公明党 佐々木勇一議員 不採択
えどがわ区民の会 金井茂議員 不採択
(共産党:大橋議員、生活者ネットワーク:本西議員を除く6名が不採択として挙手)

島村和成委員長 
以上を持って第95号は不採択とします。


議事のメモは以上です。

実際の議事録は、数か月後に江戸川区議会のwebサイト「会議録検索」で公開されるはずですので、ご関心ある方はぜひそちらでご覧ください。
(すくすくスクール、補食、などのキーワードで検索すると出てきます)


2012年4月から、補食がなくなった江戸川区の「すくすくスクール」

「学童でおやつを出してほしい」

働く保護者らの、そんなごくごく「あたりまえ」の願いを主張し続けて6年。

自分たち自身の仕事・家事・子育てに追われる日々の中、幾人もの保護者らが、江戸川区長、江戸川区教育委員会、その下部組織である江戸川区教育推進課、そして各江戸川区議の皆様方、その他さまざまな方面に働きかけ、幾度の陳情と交渉を繰り返してきました。

しかしその要求は、「ごく一部の”特殊な保護者”の要求に過ぎない」との理由で認められることはなく、ここにまたひとつ、「不採択」の歴史を刻みました。

この6年間、私達が行ってきたことのほとんどすべては、当ブログ、そして以下の2つのサイトに集約されています。


えどがわ学童保育フォーラム












江戸川区・学童補食の継続を願う会












補食の復活を軸としつつ、それだけでない、すくすくスクール学童の「保育の質向上」を訴え続けてきた私たちの活動は、6年をかけて江戸川区の働く親たちを広くつないで来ました。

陳情は不採択となりましたが、この区民のネットワークは、江戸川区がふたたび「働きながらの子育て支援と逆行する判断」をしようとしたとき、「区民の声」として再び大きなうねりを起こすことができるものです。

えどがわ学童保育フォーラムへのご連絡は以下までお願いします。
edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com

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