緊急のお知らせです。
先日の記事 「【速報!】状況に変化?開催中の江戸川区議会本会議で「保護者責任による補食持ちこみ」について質疑応答あり!」にて、本日13時半より「文教委員会」が開催され、「持ち込みオヤツ」に関する議論がなされるものとお伝えしました。
しかし先ほど情報が入り、本日は開催されないことになったそうです。
よって本日傍聴に行かれるおつもりの方は、行かれませんよう、取り急ぎお知らせいたします。
開催されなくなった理由は、伝え聞きではありますが、「誓願や陳情が特に出ていないから」とのことです。
江戸川区内の小学校は、本日が終業式です。
来週から夏休み。長い子で、朝の9時から18時まで「すくすくスクール」で過ごします。午前中には学校のプールもあり、暑さで体力もエネルギーも消耗しがちな季節です。
この6月からの麦茶の提供再開は朗報ですが、江戸川区内各小学校のすくすくスクールでで、提供方法にかなりばらつきがあるのも事実です。恵まれた提供方法のすくすくスクールもあれば、そうではない提供方法のすくすくスクールもあります。
すくすくスクールにおける一日も早いオヤツの再開をはじめ、学童保育環境の改善を願っている保護者にとって、本日の文教委員会開催中止は、貴重な審議の場を先送りされてしまったことであり、残念としか言いようがありません。
続報は追ってお知らせしします。
2015年7月17日金曜日
2015年7月12日日曜日
【「持ち込みオヤツ」議論が江戸川区議会で進行中!】夏休みには間に合わない…けど今こそ利用者の生の声を江戸川区に伝えましょう!
◆江戸川区で働く保護者らに、突然の「福音」?
文教委員会で「オヤツ持込み」許可について議論中
6月30日の当サイト記事、「【速報!】状況に変化?開催中の江戸川区議会本会議で「保護者責任による補食持ちこみ」について質疑応答あり!」にてお知らせしたとおり、6月26日の江戸川区議会本会議で「保護者責任による補食持ち込み」についての質疑応答から、江戸川区教育委員会において『すくすくスクール学童クラブ登録における「補食」を、なんらかの形で再開する意欲がある』ことが明らかになりました。
私たちは、すくすくスクール学童クラブの「補食」が廃止されてから約2年と4ヶ月間、保護者や児童の生の声を発信し、学童クラブにおける補食事業の継続等を陳情や公開質問状、またメディアを使った情報発信という形で、訴え続けて来ました。
過去の記事(※)をお読みいただければその経緯は歴然ですが、私たち保護者のこれらの訴えは、「学童クラブ登録ではない子どもとの平等性を図る」「(すくすくスクールに来る子どもはすべて)分け隔てなくあるべきだ」という理由で、すべて却下、拒否されてきました。
※2011年2月~2014年2月 「江戸川区・学童補食の継続を願う会」 → ブログ
※2014年2月~現在 「えどがわ学童保育フォーラム」 → ブログ / → HP(更新停止中ですが「OPINION」コーナーはぜひご一読を)
しかし今回は、「学童クラブ登録の子どもたちへの食の補充が必要である」と、補食廃止後、初めて江戸川区議会で認められる発言があったわけです。
この発言が、放課後、すくすくスクールで空腹に苦しむ子どもたち、そしてそのような環境に子どもをおかざるを得ず、働き続けることに罪悪感を感じるなど苦渋の立場に置かれてきた保護者達には、朗報であることはまちがいありません。
しかしその一方で、「おやつ」具体化の像は、まだまだ見えてきません。いつ?どんな形で?そして目の前に迫った夏休みには間に合うのか?…保護者としては、とても気になるところです。
その行く先を占うような質疑応答が、6月30日(金)に開催された文教委員会で行われました。
「文教委員会」とは、江戸川区議会の中で、「文化共育部、教育委員会に関する事項」を議論する委員会で、先日4月下旬に行われた江戸川区議会議員選挙で選ばれた議員の方のうち、9名がその任にあたられています。
委員長 : 須賀 精二区議 (自由民主党)
副委員長 : 佐々木 勇一区議(公明党)
委員 : 小野塚 礼佳(民主・維新・未来)
委員 : 伊藤 ひとみ区議(生活者ネット)
委員 : 大橋 美枝子区議(共産党)
委員 : 笹本 ひさし区議(無所属)
委員 : 伊藤 照子区議(公明党)
委員 : 竹内 進区議(公明党)
委員 : 早川 和江区議(自由民主党)
また文教委員会には、上記区議のほかに、「江戸川区教育委員会の教育長」や、すくすくスクール担当部署である「教育推進課の責任者」の方なども出席されています。
6/30(金)に開催された文教委員会に出席された方から、その傍聴メモをいただくことができました。あくまでメモですので、一言一句正確ではありませんのでご了承ください。
伊藤区議(公明) : 本会議で社会の状況をみて、親の責任で「すくすく補食実施を検討する」という発言があったが、説明してほしい。
教育長 : 女性の社会進出によって帰宅時間が遅くなっていることを考慮し、検討する方向と考えた。区で用意するのではなく、親が食べさせたいものを持ってくる方向で、前向きに現場、親の声をきいていきたい。
伊藤区議(公明) : 昨年議論しているときの親の状況は同じであった。急に検討すると言われて狐につままれた感じ。補食の検討は、すくすく全体か学童登録のみか、どのように考えているのか。
教育長 : 学童登録のみと認識している。
昨年9月25日に教育長を拝命した。前任の教育長時代に補食廃止が提案されたが、私自身の中では、問題意識を持ち続けていた。
本会議で質問をもらったので、検討すると申し上げたが、以前から検討に値すると思っていた。教育委員にも話をしている。
伊藤区議(公明) : 当会派も言い続けてきたことであるし、前向きな検討について子供の立場で歓迎する。
他にも検討することはいっぱいある。夏休みにはすくすく一般登録でも1日過ごす子もいる(※)。仕切り直しをして、現場の先生に話を聞いて、納得できるように。待機児ゼロはありがたい。
教育推進課長 : すくすく登録でも、お弁当を持ってきて良いか相談を受けたうえでOKを出している。
伊藤区議(公明) : 学童登録の育成料4千円と、すくすく一般登録の差を考慮しないと、現場が混乱する。
教育長 : 2年間補食を中止したわけで、補食の希望があるとして、どうやってできるのか、やり方の課題を前向きに検討する。
5月から開始した麦茶の件は、水しか飲めない状況はなんとかしたいと思っていた。教育長の責任で出させている。補食についても同じように全体を考えて、最終的には決めさせていただく。
伊藤区議(公明) : 段取りができるなら、夏休みからにしてほしい。
大橋区議 : 年度の途中でも整えばスタートして欲しい。麦茶については学校によって運用が違い、水筒持参の学校では、水筒の中身がなくなれば麦茶を補充していて混乱しないが、水筒を持ってこない学校では、麦茶の提供が遅れていると学校があると聞く。全部のすくすくで実施されているか、実態を把握してほしい。
教育長 : いつからはわからない、現場や学校の声をきいて対応したい。
教育推進課長 : コップ持参やコップを用意するなど対応しているが、遅れているところがあるかもしれない。実施していない学校を教えてほしい。
大橋区議 : 補食の持参を自主的にやるとしても、指導員の仕事として、コップを洗う手間など人手が必要、サブマネージャーの熱意だけでは回らない。人手を増やすことをお願いしたい。
伊藤区議(生活者ネット) : 保護者の意見徴収も必要。
教育推進課長 : これから検討する。クラブマネージャーの意見なども補食を廃止した時も聞いている。
伊藤区議(生活者ネット) : 保護者に加えて子供たちの意見も聞いてほしい。保育の内容について児童福祉の観点から引き続き検討してほしい。
竹内区議 : 本会議で述べたが一番大事なのは子供にとって何が大事なのか、現場の要望をきいてできるだけ早く実現してほしい。
メモは以上です。
◆いまこそ保護者の声、
そして子どもたちの声を届けるチャンス
以上、お読みいただき、
補食は、いったいいつから再開されるのか?
まさか来年度?
子どもは待ったなし。一日でも早く再開して欲しい。
この夏休みには、やはり間に合わないのか?
9時から18時という長い時間をすごすのに…
誰を対象にするのか?
「学童クラブ登録」だけか? 「すくすく登録」も含むのか?
母の就労により5時まですくすくにいるが、
「学童登録」ではなく、「すくすく登録」で利用している。
そういう家庭は、対象にならないのか?
おやつは何時に食べられるのか?
食べる時間が2年半前と同じ「5時過ぎ」では、
「夕飯に響く」と考える家庭が多いのでは?
せめて3時半など、一般的な「おやつの時間」にして欲しい。
「持ち込み」とはどんな形になるのか?
問題なく運用できるのか?
やはり2年半前と同じ方式で、
さらに3時半などおやつとして適した時間に
提供するのが「学童クラブ」としては「本筋」ではないか?
…などなど、江戸川区の働く保護者の皆さんは、様々な疑問が脳裏をよぎったのではないかと思います。
しかし残念ながら、江戸川区議会での議論でも、文教委員会での議論でも、現在のところ一番の当事者である「子ども」、そして保護者の意見は、これら意思決定の場に登場していません。これは、補食が廃止されてからこれまでの2年間もそうでした。
状況が変化している今、相変わらず「利用者が置き去り」のまま、様々な「大人の利害」が行き交う政治の場で議論が進んでいくことに、私たちは危惧を覚えます。
せっかく「子どもたちのために」という方向を向きつつある議論が、このままでは的外れのものになってしまわないでしょうか?
今回の「持ち込みオヤツ議論」は、これまでの議論と同様、利用者のニーズと乖離した「とんちんかんな方向」へ結論が導きだされかねない危険も、相変わらずはらんでいるのです。
これから行われる具体化への道筋を、利用者の実態を踏まえた、そして利用者の切実な声を反映した適切なものにするためには、私たち学童クラブ保護者がいま、直接、江戸川区に、議会に対して要望を届けることが必須になっています。
夏休みの開始には間に合わなくても、すこしでも早く補食の持ち込みを実現するために、意見を区に、議会に上げましょう。
いくつか方法があります。
①すくすくスクール担当部署に電話する
教育推進課 すくすくスクール係
03-5662-2732 / 03-5662-8132 / 03-5662-0724
②「区長への手紙(メール)」で送る
江戸川区ホームページ「区民の声(区長への手紙)」
「区長への手紙」を、送る際は、「回答を希望する」とすることをお勧めします。
送った意見と回答もあわせて、えどがわ学童保育フォーラムまでお知らせいただければ、当ブログでで紹介させていただきます。その際は、学校や個人が特定できないよう配慮し、公開前に原稿を必ずチェックいただくようにします。
③えどがわ学童保育フォーラムに伝える
じつは当ブログには、江戸川区役所内などからも多くのアクセスがあります。
つまり、今回の議論に携わっている方で、ありがたいことにこちらを見てくださっている方も、いらっしゃるかもしれないということです。
ご意見をいただければ、こちら(このブログ)で、紹介させていただきます。きっと、この件で行政や議会に携わっている皆様の、お目に留まることと思います。
メールにて、下記にお送りください。
edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com
※@マークを半角の「@」に直してからご利用ください。
上記のメールを拝見するのは、えどがわ学童保育フォーラムの保護者らです。皆さんと同じ立場の者ばかりですので、どうぞ安心してお送りください。また必ずお返事はいたします。
ご紹介の際はもちろん、上記②同様、学校や個人が特定できないよう配慮し、公開前に原稿を必ずチェックいただくようにします。
◆7/17の文教委員会傍聴をおすすめします!
次回の文教委員会は、今週の金曜日、7/17に行われます。もちろん傍聴もできます。可能な方は、ぜひご自身で足を運ばれてみてください。
7/17(金) 13時30分~ 江戸川区文教委員会
(江戸川区役所内・江戸川区議会・第3委員会室)
傍聴は正午から、江戸川区議会事務局庶務係(03-5662-5556)で受付
詳細は こちら(江戸川区議会サイト)
子どものおかれた状況や親の意識にかかわらず、「学童クラブ事業を利用するすべての子ども達にはおやつが必要であり、事業主が責任を持って行うべきだ」という意見もあると思います。
そのような立場からすれば、今回の「持ち込みオヤツ」は、次善の策に過ぎないという批判もあるでしょう。
しかし放課後生活の中で、この2年半、一切のカロリー補給を認められなかった子どもたちへ、今になって突然、新しい可能性が示されたのです。
よりよい決定のために、現場の切実な声が意思決定の場に届いて欲しい。そう考えます。声を届け、そして共に議会審議を見守りましょう。
私たちは引き続き、議会を見守り、情報を発信しつづけます。
文教委員会で「オヤツ持込み」許可について議論中
6月30日の当サイト記事、「【速報!】状況に変化?開催中の江戸川区議会本会議で「保護者責任による補食持ちこみ」について質疑応答あり!」にてお知らせしたとおり、6月26日の江戸川区議会本会議で「保護者責任による補食持ち込み」についての質疑応答から、江戸川区教育委員会において『すくすくスクール学童クラブ登録における「補食」を、なんらかの形で再開する意欲がある』ことが明らかになりました。
過去の記事(※)をお読みいただければその経緯は歴然ですが、私たち保護者のこれらの訴えは、「学童クラブ登録ではない子どもとの平等性を図る」「(すくすくスクールに来る子どもはすべて)分け隔てなくあるべきだ」という理由で、すべて却下、拒否されてきました。
※2011年2月~2014年2月 「江戸川区・学童補食の継続を願う会」 → ブログ
※2014年2月~現在 「えどがわ学童保育フォーラム」 → ブログ / → HP(更新停止中ですが「OPINION」コーナーはぜひご一読を)
しかし今回は、「学童クラブ登録の子どもたちへの食の補充が必要である」と、補食廃止後、初めて江戸川区議会で認められる発言があったわけです。
この発言が、放課後、すくすくスクールで空腹に苦しむ子どもたち、そしてそのような環境に子どもをおかざるを得ず、働き続けることに罪悪感を感じるなど苦渋の立場に置かれてきた保護者達には、朗報であることはまちがいありません。
しかしその一方で、「おやつ」具体化の像は、まだまだ見えてきません。いつ?どんな形で?そして目の前に迫った夏休みには間に合うのか?…保護者としては、とても気になるところです。
その行く先を占うような質疑応答が、6月30日(金)に開催された文教委員会で行われました。
「文教委員会」とは、江戸川区議会の中で、「文化共育部、教育委員会に関する事項」を議論する委員会で、先日4月下旬に行われた江戸川区議会議員選挙で選ばれた議員の方のうち、9名がその任にあたられています。
委員長 : 須賀 精二区議 (自由民主党)
副委員長 : 佐々木 勇一区議(公明党)
委員 : 小野塚 礼佳(民主・維新・未来)
委員 : 伊藤 ひとみ区議(生活者ネット)
委員 : 大橋 美枝子区議(共産党)
委員 : 笹本 ひさし区議(無所属)
委員 : 伊藤 照子区議(公明党)
委員 : 竹内 進区議(公明党)
委員 : 早川 和江区議(自由民主党)
当えどがわ学童保育フォーラムの保護者らからの、また江戸川区内のほかの保護者らからの「おやつ復活」を求める数々の陳情は、ほとんどこの文教委員会に提出、「不採択」となってきました。
その文教委員会で、おやつに関して「前向きな議論」が行われたというのは、保護者らにとってまずは大いなる「福音」になるのではないか? そう考えられます。
◆6/30文教委員会傍聴メモ
「親の責任ですくすく補食実施」とは、具体的には?
「親の責任ですくすく補食実施」とは、具体的には?
6/30(金)に開催された文教委員会に出席された方から、その傍聴メモをいただくことができました。あくまでメモですので、一言一句正確ではありませんのでご了承ください。
伊藤区議(公明) : 本会議で社会の状況をみて、親の責任で「すくすく補食実施を検討する」という発言があったが、説明してほしい。
教育長 : 女性の社会進出によって帰宅時間が遅くなっていることを考慮し、検討する方向と考えた。区で用意するのではなく、親が食べさせたいものを持ってくる方向で、前向きに現場、親の声をきいていきたい。
伊藤区議(公明) : 昨年議論しているときの親の状況は同じであった。急に検討すると言われて狐につままれた感じ。補食の検討は、すくすく全体か学童登録のみか、どのように考えているのか。
教育長 : 学童登録のみと認識している。
昨年9月25日に教育長を拝命した。前任の教育長時代に補食廃止が提案されたが、私自身の中では、問題意識を持ち続けていた。
本会議で質問をもらったので、検討すると申し上げたが、以前から検討に値すると思っていた。教育委員にも話をしている。
伊藤区議(公明) : 当会派も言い続けてきたことであるし、前向きな検討について子供の立場で歓迎する。
他にも検討することはいっぱいある。夏休みにはすくすく一般登録でも1日過ごす子もいる(※)。仕切り直しをして、現場の先生に話を聞いて、納得できるように。待機児ゼロはありがたい。
教育推進課長 : すくすく登録でも、お弁当を持ってきて良いか相談を受けたうえでOKを出している。
伊藤区議(公明) : 学童登録の育成料4千円と、すくすく一般登録の差を考慮しないと、現場が混乱する。
教育長 : 2年間補食を中止したわけで、補食の希望があるとして、どうやってできるのか、やり方の課題を前向きに検討する。
5月から開始した麦茶の件は、水しか飲めない状況はなんとかしたいと思っていた。教育長の責任で出させている。補食についても同じように全体を考えて、最終的には決めさせていただく。
伊藤区議(公明) : 段取りができるなら、夏休みからにしてほしい。
大橋区議 : 年度の途中でも整えばスタートして欲しい。麦茶については学校によって運用が違い、水筒持参の学校では、水筒の中身がなくなれば麦茶を補充していて混乱しないが、水筒を持ってこない学校では、麦茶の提供が遅れていると学校があると聞く。全部のすくすくで実施されているか、実態を把握してほしい。
教育長 : いつからはわからない、現場や学校の声をきいて対応したい。
教育推進課長 : コップ持参やコップを用意するなど対応しているが、遅れているところがあるかもしれない。実施していない学校を教えてほしい。
大橋区議 : 補食の持参を自主的にやるとしても、指導員の仕事として、コップを洗う手間など人手が必要、サブマネージャーの熱意だけでは回らない。人手を増やすことをお願いしたい。
伊藤区議(生活者ネット) : 保護者の意見徴収も必要。
教育推進課長 : これから検討する。クラブマネージャーの意見なども補食を廃止した時も聞いている。
伊藤区議(生活者ネット) : 保護者に加えて子供たちの意見も聞いてほしい。保育の内容について児童福祉の観点から引き続き検討してほしい。
竹内区議 : 本会議で述べたが一番大事なのは子供にとって何が大事なのか、現場の要望をきいてできるだけ早く実現してほしい。
メモは以上です。
◆いまこそ保護者の声、
そして子どもたちの声を届けるチャンス
以上、お読みいただき、
補食は、いったいいつから再開されるのか?
まさか来年度?
子どもは待ったなし。一日でも早く再開して欲しい。
この夏休みには、やはり間に合わないのか?
9時から18時という長い時間をすごすのに…
誰を対象にするのか?
「学童クラブ登録」だけか? 「すくすく登録」も含むのか?
母の就労により5時まですくすくにいるが、
「学童登録」ではなく、「すくすく登録」で利用している。
そういう家庭は、対象にならないのか?
おやつは何時に食べられるのか?
食べる時間が2年半前と同じ「5時過ぎ」では、
「夕飯に響く」と考える家庭が多いのでは?
せめて3時半など、一般的な「おやつの時間」にして欲しい。
「持ち込み」とはどんな形になるのか?
問題なく運用できるのか?
やはり2年半前と同じ方式で、
さらに3時半などおやつとして適した時間に
提供するのが「学童クラブ」としては「本筋」ではないか?
![]() |
持込みって…たとえばこんな形? |
…などなど、江戸川区の働く保護者の皆さんは、様々な疑問が脳裏をよぎったのではないかと思います。
しかし残念ながら、江戸川区議会での議論でも、文教委員会での議論でも、現在のところ一番の当事者である「子ども」、そして保護者の意見は、これら意思決定の場に登場していません。これは、補食が廃止されてからこれまでの2年間もそうでした。
状況が変化している今、相変わらず「利用者が置き去り」のまま、様々な「大人の利害」が行き交う政治の場で議論が進んでいくことに、私たちは危惧を覚えます。
せっかく「子どもたちのために」という方向を向きつつある議論が、このままでは的外れのものになってしまわないでしょうか?
今回の「持ち込みオヤツ議論」は、これまでの議論と同様、利用者のニーズと乖離した「とんちんかんな方向」へ結論が導きだされかねない危険も、相変わらずはらんでいるのです。
これから行われる具体化への道筋を、利用者の実態を踏まえた、そして利用者の切実な声を反映した適切なものにするためには、私たち学童クラブ保護者がいま、直接、江戸川区に、議会に対して要望を届けることが必須になっています。
夏休みの開始には間に合わなくても、すこしでも早く補食の持ち込みを実現するために、意見を区に、議会に上げましょう。
いくつか方法があります。
①すくすくスクール担当部署に電話する
教育推進課 すくすくスクール係
03-5662-2732 / 03-5662-8132 / 03-5662-0724
②「区長への手紙(メール)」で送る
江戸川区ホームページ「区民の声(区長への手紙)」
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区長への手紙 |
送った意見と回答もあわせて、えどがわ学童保育フォーラムまでお知らせいただければ、当ブログでで紹介させていただきます。その際は、学校や個人が特定できないよう配慮し、公開前に原稿を必ずチェックいただくようにします。
③えどがわ学童保育フォーラムに伝える
じつは当ブログには、江戸川区役所内などからも多くのアクセスがあります。
つまり、今回の議論に携わっている方で、ありがたいことにこちらを見てくださっている方も、いらっしゃるかもしれないということです。
ご意見をいただければ、こちら(このブログ)で、紹介させていただきます。きっと、この件で行政や議会に携わっている皆様の、お目に留まることと思います。
メールにて、下記にお送りください。
edogawa.gakudo.hoiku.folum@gmail.com
※@マークを半角の「@」に直してからご利用ください。
上記のメールを拝見するのは、えどがわ学童保育フォーラムの保護者らです。皆さんと同じ立場の者ばかりですので、どうぞ安心してお送りください。また必ずお返事はいたします。
ご紹介の際はもちろん、上記②同様、学校や個人が特定できないよう配慮し、公開前に原稿を必ずチェックいただくようにします。
◆7/17の文教委員会傍聴をおすすめします!
次回の文教委員会は、今週の金曜日、7/17に行われます。もちろん傍聴もできます。可能な方は、ぜひご自身で足を運ばれてみてください。
7/17(金) 13時30分~ 江戸川区文教委員会
(江戸川区役所内・江戸川区議会・第3委員会室)
傍聴は正午から、江戸川区議会事務局庶務係(03-5662-5556)で受付
詳細は こちら(江戸川区議会サイト)
子どものおかれた状況や親の意識にかかわらず、「学童クラブ事業を利用するすべての子ども達にはおやつが必要であり、事業主が責任を持って行うべきだ」という意見もあると思います。
そのような立場からすれば、今回の「持ち込みオヤツ」は、次善の策に過ぎないという批判もあるでしょう。
しかし放課後生活の中で、この2年半、一切のカロリー補給を認められなかった子どもたちへ、今になって突然、新しい可能性が示されたのです。
よりよい決定のために、現場の切実な声が意思決定の場に届いて欲しい。そう考えます。声を届け、そして共に議会審議を見守りましょう。
私たちは引き続き、議会を見守り、情報を発信しつづけます。
2015年6月30日火曜日
【速報!】状況に変化?開催中の江戸川区議会本会議で「保護者責任による補食持ちこみ」について質疑応答あり!
当えどがわ学童保育フォーラムは、すくすくスクール学童クラブ登録における「補食(おやつ)の廃止(2013年4月から廃止)」に端を発しつつ、それ以前からの「常勤指導員の減少」「指導員全体の数の減少」など、子どもたちが置かれている放課後環境の著しい変化を、保護者として問題視してきました。
そしてこの2年半の間、江戸川区および江戸川区議会に対して現状を報告し、「おやつ」の復活を筆頭に、改善を要望し続けて参りました。
それらの希望は、未だ公には叶えられていません。
しかし、ここ数日で、状況が展開する兆しを見せて参りました。
先日の記事でご報告した通り、今年1月の「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」に対する江戸川区民からのパブリックコメントには、その廃止から2年以上が経過したにもかかわらず、当えどがわ学童保育フォーラム以外の保護者や江戸川区民から、多くの「補食(おやつ)復活を臨む声」が寄せられていました。
※2015年4月24日記事
【回答になってない回答がいっぱい!?】「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」へのパブリック・コメント、結果発表!
これらの声を、江戸川区が「聞き入れた」ということなのでしょうか?先日私たちのところに、現在開催中の江戸川区議会本会議において、「補食再開の動きがある」というニュースが届けられました。
6月26日(金)の代表質問において、自民党・公明党の区議会議員から、「保護者の責任による補食の持込」についての質問が、教育長に対して、なされたというのです。
これに対し、江戸川区教育委員気・教育長は、「クラブマネージャー、関係者、保護者の意見を聞き、社会環境の変化を配慮しながら、前向きに検討する」と回答されたそうです。
ここでの質問は、あくまで「保護者の責任による補食の持込」ですから、この再開の動きは、残念ながら私たちが希望している形(放課後の間、保育に欠ける状況の学童クラブ登録のどの子にも、補食の“提供”を行うこと)とは異なります。
【参考】2013年3月末までは、すくすくスクール学童登録児童のうち希望者に対しては、月額1,700円の費用保護者負担で、5時以降に「補食」が提供されていました。またすくすくスクール導入以前の「江戸川区学童クラブ」では、3~4時ごろの時間帯に「おやつ」が提供されていました(有料)。
とは言えこの件が、これまでの流れとは異なる、新たな状況の変化であることに間違いはありません。
当えどがわ学童保育フォーラムの保護者は全員、平日日中は仕事をしていますので、江戸川区議会を傍聴に行くことはなかなか困難です。ですから直接聞いたわけではなく、上記も一言一句、正確なニュースではないことは、どうかご承知おきください。
さらにこの答弁がなされた翌日(6/29・月)の議会審議でも、共産党から補食について代表質問がなされるなど、「補食」がなんらかの形であれ、再開する方向で議論が行われていることは間違いないようです。
実は本日(6/30)開催される「文教委員会(※)」でも、この件が取り上げられるとの話もあります。文教委員会での議論を経て、あらに具体化するのかもしれません。江戸川区に住み、働きながら子育てをしている区民として、大きな期待を持って本件を注視して参ります。
★本日お時間のある方は、文教委員会の傍聴をお勧めします!
6/30(火) 10時00分~ 文教委員会(江戸川区役所内・江戸川区議会・第3委員会室)
・文教委員会の構成議員は こちら (江戸川区議会サイト)
そしてこの2年半の間、江戸川区および江戸川区議会に対して現状を報告し、「おやつ」の復活を筆頭に、改善を要望し続けて参りました。
それらの希望は、未だ公には叶えられていません。
しかし、ここ数日で、状況が展開する兆しを見せて参りました。
先日の記事でご報告した通り、今年1月の「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」に対する江戸川区民からのパブリックコメントには、その廃止から2年以上が経過したにもかかわらず、当えどがわ学童保育フォーラム以外の保護者や江戸川区民から、多くの「補食(おやつ)復活を臨む声」が寄せられていました。
※2015年4月24日記事
【回答になってない回答がいっぱい!?】「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」へのパブリック・コメント、結果発表!
これらの声を、江戸川区が「聞き入れた」ということなのでしょうか?先日私たちのところに、現在開催中の江戸川区議会本会議において、「補食再開の動きがある」というニュースが届けられました。
6月26日(金)の代表質問において、自民党・公明党の区議会議員から、「保護者の責任による補食の持込」についての質問が、教育長に対して、なされたというのです。
これに対し、江戸川区教育委員気・教育長は、「クラブマネージャー、関係者、保護者の意見を聞き、社会環境の変化を配慮しながら、前向きに検討する」と回答されたそうです。
ここでの質問は、あくまで「保護者の責任による補食の持込」ですから、この再開の動きは、残念ながら私たちが希望している形(放課後の間、保育に欠ける状況の学童クラブ登録のどの子にも、補食の“提供”を行うこと)とは異なります。
【参考】2013年3月末までは、すくすくスクール学童登録児童のうち希望者に対しては、月額1,700円の費用保護者負担で、5時以降に「補食」が提供されていました。またすくすくスクール導入以前の「江戸川区学童クラブ」では、3~4時ごろの時間帯に「おやつ」が提供されていました(有料)。
とは言えこの件が、これまでの流れとは異なる、新たな状況の変化であることに間違いはありません。
当えどがわ学童保育フォーラムの保護者は全員、平日日中は仕事をしていますので、江戸川区議会を傍聴に行くことはなかなか困難です。ですから直接聞いたわけではなく、上記も一言一句、正確なニュースではないことは、どうかご承知おきください。
さらにこの答弁がなされた翌日(6/29・月)の議会審議でも、共産党から補食について代表質問がなされるなど、「補食」がなんらかの形であれ、再開する方向で議論が行われていることは間違いないようです。
実は本日(6/30)開催される「文教委員会(※)」でも、この件が取り上げられるとの話もあります。文教委員会での議論を経て、あらに具体化するのかもしれません。江戸川区に住み、働きながら子育てをしている区民として、大きな期待を持って本件を注視して参ります。
★本日お時間のある方は、文教委員会の傍聴をお勧めします!
6/30(火) 10時00分~ 文教委員会(江戸川区役所内・江戸川区議会・第3委員会室)
・文教委員会の構成議員は こちら (江戸川区議会サイト)
2015年4月24日金曜日
【回答になってない回答がいっぱい!?】「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」へのパブリック・コメント、結果発表!
本日は少々長くなりますが、お付き合いください。
さて本年1月26日、本ブログにて下記の記事を掲載し、江戸川区のパブリック・コメントに対して意見を出しましょう、と呼びかけをさせていただきました。
■【2/2(月)〆切】江戸川区の学童クラブ事業に対し「パブリックコメント」を利用して意見・質問を送りましょう!
そして4月1日、江戸川区ホームページに、その結果が公表されました。
■江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募手続きの結果
結果をまとめたPDFは、こちらからダウンロードできます。
今回は、この結果について解説を加えながらご紹介いたします。
なお本題に入る前に、お伝えしたいことが2点、あります。
1. 「パブリック・コメント」とは?
通称「パブリック・コメント」、正式には「意見公募」とは、「行政機関が命令等(政令、省令など)を制定するにあたって、事前に命令等の案を示し、その案について広く国民から意見や情報を募集する(総務省HP)」もので、平成17年から新設された手続きです。国の機関はもとより、地方自治体においても国に準じて実施されています。
江戸川区でも、パブリック・コメントの募集は随時行われており、区民が行政に意見・質問を伝える貴重な機会となっています。募集は、「江戸川区ホームページ」または「広報えどがわ」などで行われています。
2. 江戸川区のパブリック・コメントとしては
「異例の多さ」の意見・質問が集まりました
今回の「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募」において、集まった意見は60件。これは江戸川区のパブリック・コメントの集まり状況としては、突出した「異例の多さ」と言えます。
では通常、江戸川区のパブリック・コメントでどのくらいの意見が集まっているものなのでしょうか?
過去の様々なパブリック・コメントの集まり状況は、「江戸川区 パブリック・コメント 結果を公表している案件」のページで、案件をひとつひとつ開いて見ていくとわかります。
本日時点で、時系列的に上のほうにある案件を順に開いて見ていきますと、下記のような状況です。そのほとんどが、「意見0件」または数件と言う状況です。
実施日
H27年3月 平成27年度江戸川区食品衛生監視指導計画(案)の意見公募 意見8件(5名)
H27年3月 「エコタウンえどがわ推進計画見直し(案)」の意見公募 意見0件
H27年3月 江戸川区実施計画(案)の意見公募 意見5件(2名)
H27年3月 「江戸川区住宅等整備事業における基準等に関する(中略)~」に関する意見募集 意見0件
H27年3月 「第4期江戸川区障害福祉計画(案)」の意見公募 意見152件(370名・2団体)
H27年3月 江戸川区介護保険事業計画等改定に(中略)~意見公募 意見63件(50名・1団体)
H26年12月 「特定個人情報保護評価書(案)(地方税に関す(中略)~)」の意見公募 意見0件
H26年12月 「特定個人情報保護評価書(案)(住民基本台帳(中略)~」の意見公募 意見2件(1名)
H26年9月 第二次江戸川区学校教育情報化推進計画(案)の意見公募 意見0件
H26年3月「江戸川区新型インフルエンザ等対策行動計画(案)」の意見公募 意見0件
H25年4月「江戸川区みどりの基本計画(案)」の意見公募 意見5件(5名)
:
障がい者福祉、および介護に関する案件のみ突出した数を示しています。
よって今回のパブリック・コメント「60件」というのは、異例の数の多さであり、区民の関心の高さが伺えます。
しかも60件のうち、なんと半分近くの「27件」が、すくすくスクールに関する意見・質問となっています。
さて、いよいよここから本題です。
こちらからダウンロードできる、「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募(パブリック・コメント)手続きの結果について」という文書を、可能な方はぜひプリントアウトして、比較しながらお読みいただければと思います。
なお以下に記載の文章のうち、【区民からの質問】【江戸川区の回答】の部分については、上記文書からのそのままの抜粋であり、当会では一切、手を加えていません。
(ただし【コメント】との関連性を示すために、「下線」を入れている場合があります)
そして、その下の【コメント】の部分が、当会による解説等となっております。
また特にコメントのない質問に関しても、そのまま掲載させていただきました。
すくすくスクール(学童クラブ)に関する質問は、「質問番号34」から、始まっています。上記文書の7ページ目からご覧ください。
◆質問34
【区民からの質問】
すくすく利用者の親は、年間500円の保険料で子どもを預かってくれる無料の託児所という認識。学童利用者は、お金を払って確保している生活の場という認識で、大きな認識の差がある。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、放課後や学校休業日に児童がどう過ごすかということに重点を置き、コミュニケーション力や発想力、生きる力を育むよう育成・支援してまいります。
【コメント】
おそらく質問者の方は、「生活の場」を必要とする就労家庭のニーズを述べておられると察しますが、これに対し、「コミュニケーション力や発想力、生きる力をはぐくむ育成支援の場である」とのみ、回答しています。
質問者の質問に、答えていない回答です。
◆質問35
【区民からの質問】
すくすくスクールでは仕事との両立が難しく、学童の機能が事実上ないように思える。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は、全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、就労等により家庭で適切な保護を受けられない児童を対象にした学童クラブ登録もすくすくスクールの中で行っています。
【コメント】
これも質問者の方は、「(現状のすくすくスクール学童クラブでは)仕事との両立が難しい」という現状を訴え、改善を要望をしていると思われます。
しかしこれも、質問者の質問に答えていない回答です。
◆質問36
【区民からの質問】
すくすくスクールを利用できる時間が短い(同様意見他3 件)。
【江戸川区の回答】
保護者が留守になる時間全てを補う事業ではないと考えております。
【コメント】
まず質問者の方は、「時間が短い」と述べておられ、江戸川区の回答にある「留守になる時間すべてを補ってほしい」とは質問していません。
どうやらこれは、「質問が相当省略されている、あるいは「同様意見」としてまとめられているため、質問者の意図が見えない形になっているのではないか?」 当会はそう考えました。
そこで各所に問い合わせをした結果、「同様意見」と記載された中の質問者の方、お一人から「質問の原文」をいただくことができました。
《質問原文》
『今回の子ども子育て支援計画(案)によれば、フルタイム就労する母親が増加する一方、日常的にこどもをみてもらえる祖父母などの親族、友人知人がいる家庭の割合は22.3%に過ぎないという結果です。
NHKの国民生活時間調査(2010年)では、通勤時間が東京圏では往復1時間37分となっており、フルタイム就労の場合、現在の学童クラブの終了時間には、親の迎えが間に合わないケースが平均的と考えられます。
昨今多発する凶悪事件の被害者になられた児童は、親の迎えがある幼児ではなく、ほぼ全てが学齢期児童であること、江戸川区内における不審者情報の多発を考えると、大人の保護がシームレスに行える環境がぜひとも必要になっています。
学童クラブ終了後はファミリーサポートの利用をと区の窓口は案内しますが、ファミリーサポートの充足数は現状でも不足しているうえ、今後はさらにニーズが増加するとの予想です。
従って、行政が責任を持って必要数を充足するか、学童クラブの終了時間延長などの措置がなければ危険の放置と考えます。この状況に対して区の方針をお伺いしたく存じます』(原文ここまで)
上記の長い質問が、なんとほんの一行、「すくすくスクールを利用できる時間が短い」という質問に省略されているわけです。
質問原文を、すべて掲載とは言いませんが、「質問者の真の意図・指摘を見えなくなるまで省略した意図」とは何か?気になるところです。
なお現状、すくすくスクールの開所時間は「9時」です。
通常の登校日ならともなく、夏休みの一日預かり日など「9時開所」では、都心の企業などに9時までに出社する保護者には間に合わない時間です。
「せめて夏休みだけでも8時、8時半から開所してほしい」という就労家庭のニーズは当然のごとくあり、過去幾度となく、「区長への手紙」や「陳情」など様々な手段をで江戸川区に伝えている経緯があります。それは単に、省略された質問文の「利用できる時間が短い」という言葉だけでは表しきれない、「就労家庭の切実な声」なのです。
★参考情報★
夏休みなどの「8時半開所」については、こちらの記事でご紹介していますが、江戸川区の予算委員会で、すくすくスクール担当部署責任者(教育推進課)が、「職員は8時半出勤のため、早く来た児童を中に入れないわけではない。柔軟に対応している」という主旨の発言をされております。
もしお困りの方は、すくすくスクール担当部署、もしくはお通いのすくすくスクールなどにお問い合わせいただければ、「柔軟に対応」していただけるのではないでしょうか。
◆質問37
【区民からの質問】
事業計画(案)の放課後児童健全育成事業について、すくすくスクール事業以外の学童すなわち民間などを指し、すくすくスクール事業以外は児童福祉法に準拠し、すくすくスクール事業は児童福祉法に準拠しないということか。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール事業は児童福祉法によらない江戸川区独自の事業として、これまでと変わらず実施していきます。
すくすくスクール事業については1月20日号の広報えどがわでご紹介しております。
【コメント】
「これまでと変わらず実施しています」と回答されていますが、これは疑問が残ります。
なにしろすくすくスクール事業が、法的に正式に「児童福祉法によらない江戸川区独自の事業」となったのは、つい昨年、平成26年の10月に江戸川区議会で「すくすくスクール事業条例」が成立した時点から(しかも条例の施行は平成27年4月、つい今月から)、だからです。
※参考記事
2014年10月28日 【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?
この「すくすくスクール事業条例」成立の以前は、江戸川区の「学童クラブ」は、「厚労省の定める児童福祉法に則っていなくてはならない」はずでした。
しかし「児童福祉法の下」の学童クラブであったにも関わらず、おやつをはじめ学童保育の機能が次々と消滅していったことを、私たち保護者等は問題視し、指摘を続けていたわけです。
「すくすくスクール事業条例」は、多田正見区長が発議し、これを江戸川区議会が承認しました。
これにより、児童福祉法の基準にあわない学童クラブを定めた「江戸川区独自の条例」が法律上、正当なものになったという経緯があります。
ですので、すくすくスクール導入された11年前から平成27年3月31日までは、児童福祉法によった学童クラブでなければならなかったはずなのに、「区民に正式に告知することなく、実はそうしてこなかった」ことを、江戸川区はここの回答で明言しています。
◆質問38
【区民からの質問】
事業計画(案)の学童クラブ事業について、「希望者は全員受入れ可能」となっているが、ここでは全校生徒の予定人数が反映されており、実際に18 時まで保育が必要な人数の予測がされていない。
【江戸川区の回答】
18時までにおいても希望者は全員受け入れ可能です。
【コメント】
質問者の方は、「(学童クラブとしての)保育の質が確保できるだけの集団の大きさ」があるものと想定して、このような質問をされていると察します。
しかし江戸川区は、「全員受け入れ可能」と繰り返すのみであり、これも質問者の質問に答えていない回答です。
「全員受け入れ可能」という言葉。これは、すくすくスクールの広報でよく見かける言葉です。
これは、下記のような言い方をされることもあります。
「待機児ゼロの画期的な学童保育」
「希望者全員受け入れ可能の学童保育」
「全入(ぜんにゅう)の学童保育」
「全員受け入れ可能」…これは言い換えれば、「どれほど詰め込みになっても気にしない」ということです。
これに関する実際の保護者の意見等は、えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!「学童保育」の常識を覆す 脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』で、ぜひご覧ください。
◆質問39
【区民からの質問】
学童クラブの補食を復活してほしい(同様意見他10 件)。
【江戸川区の回答】
保護者の自主運営である補食の委託をお受けすることは考えておりません。
【コメント】
これも、質問に対する回答になっていないと考えます。
江戸川区すくすくスクールでは、平成24年度から「補食(おやつ)」が廃止されました。
この復活を願う保護者の活動に関しては、「江戸川区・学童補食の継続を願う会」のブログをご覧ください。
江戸川区・学童補食の継続を願う会 (2013年2月~2014年2月:現在更新停止中)
現在、東京23区内で「おやつ」がない学童クラブは、なんと江戸川区だけです。
江戸川区と同じ「全児童対策事業」を取り入れている品川区の「すまいるスクール」は、通常時はおやつがありませんが、学童クラブの子どもが一日過ごすことになる夏休みなどに限っては、「おやつの持ち込み」を許可し、就労家庭のニーズに応えています。
また江戸川区は、あくまで「補食(おやつ)は保護者の自主運営である」と、繰り返しています。
本来、おやつの提供は江戸川区が対応すべきことではない、保護者がやりなさい、ということです。
しかしこの「自主運営」については、江戸川区の学童クラブで補食が廃止になった平成24年度以降、「自主運営」に向けて動きを起こしたいくつかの小学校の保護者に対して、江戸川区は下記の条件が必須である、これができなければ自主運営は認めない、と提示しました。
①すくすくホームルームで食べることは禁止。
食べる場所を別途確保すること。
(学校内を使用する場合は、自分たちで学校と交渉すること。いったん下校して学校外で食べる分には構わない)
②子どもたちへのおやつの配布や管理(見守り等)を、
すくすくスクールの職員は行わない。
保護者などが行うこと。
これは就労している保護者にとって、「とうてい不可能」な条件であり、非現実的です。
平成24年度からのおやつ廃止以降、水道水だけで18時まで空腹をしのいでいる子どもたちをなんとかしたい!と、自主運営に向けて動き出した各地の保護者らの活動は、この江戸川区の条件提示で、すべて頓挫を余儀なくされました。
まさに就労家庭のニーズから、目をそむける回答と言えます。
成長期の子どもにとって、適切な時間の適切な補食は、心と身体の成長に欠かせないものであることは、国も認めています。
放課後児童クラブにおいて「おやつ」を適切に提供することの必要性は、平成27年3月に厚労省から発表された「放課後児童クラブ運営指針(案)」において、「実施すべきこと」として明確に位置づけられています。
なぜ江戸川区の子どもたちだけが、18時までおなかを空かせて親の帰りを待つことになるのか? 江戸川区在住の就労家庭としては、大いに疑問を感じると言わざるを得ません。
◆質問40
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の常勤サブマネージャーの確保について、今後の方針を教えてほしい。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール指導員の非常勤化の考えに変更はありません。
【コメント】
ここの回答に、驚くべき発見があります。
江戸川区が、すくすくスクールの指導員を「非常勤化する考え」と言うものを、公文書で正式に表明したのは、これが初めてではないでしょうか。
「退職者不補充の方針である」との説明は、かつて一部の保護者になされたこともあるようですが、区民は繰り返し常勤指導員の必要性を訴えてきており、常勤指導員がぎりぎりまで減少した後は、常勤指導員の育成が再び始まる可能性に期待していました。
しかし実際に、すくすくスクールで常勤の正規職員を不採用となってから、すでに11年が経過しています。
◆質問41
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の活動場所について、定員がないために子ども達が過密状態になってしまう懸念があるが、今後どのように対応されるのか。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール事業は、空き教室の活用ではなく、学校施設全体を活用します。放課後は校庭(雨天の場合は体育館)を中心に活動しますので、充分な広さを確保していると考えております。
【コメント】
「学校施設全体を活用」は、本当でしょうか?
例えば、4時間授業で13時半頃にすくすくスクールに来る1年生は、高学年の6時間目が終わる15時半過ぎまで、校庭や体育館はほぼ使えません(体育の授業等がある)。
ほか、学校により相当の差がありますが、「授業で使うため」「式典で使うためその準備」「運動会の準備」「クラブ活動のため」「見守りの職員数が足りないため」、さらには「夏休みの間は改修工事の機材置き場になるため」等々、様々な事情ですくすくホームルーム以外の場所の使用は制限され、江戸川区の誇っている「学校施設全体の活用」が、現実には実施されていないすくすくスクールは多くあります。
また、学童クラブ登録したある1年生保護者から、こんな話も伺いました。
「入学前、学童登録時に職員の方に聞いたら、“すくすくスクールでは、図書室も使えます”という話があってほっとしたんです。本好きなうちの子は、雨の日などは、子どもがあふれかえって、ひじょうに騒がしいすくすくスクールホームルームではなく、図書室で静かに読書をしてすごせるなら、親としてとても安心できるからです」
しかし入学し、新学期が始まっても、すくすくスクールでいっこうに図書室を利用している様子がなかったとのこと。
その方は、心配になって先輩の保護者に色々聞いてみたら、昨年度は実際に図書室にすくすくスクールの児童が入れたのは、なんと
「すくすくスクールでの図書館の利用は一年間に、わずか2回」
「時間にして1回2時間程度」
「しかも通常時ではなく、夏休みの図書室開放日だった」
と知り、「すくすくスクールは学校施設全体を活用」という江戸川区の触れ込みに、大いに疑問を感じた…とのことでした。
このように、「学校全体をいつでも自由に使っているかのような」江戸川区の回答は、現実に即しているとは言い難いものです。
これに関する実際の保護者の意見等も、えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!「学童保育」の常識を覆す 脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』で、ぜひご覧ください。
またこの質問に関しても、質問がどうやら相当、省略されているのではないかと思われたため、ある保護者の方に質問原文を投稿いただきました。ご紹介しましょう。
《質問原文》
『すくすくスクール事業においては、学校の空き教室を活用するとされています。
しかし、近年の少子化に伴う学校統合に伴い、一部の小学校ではむしろ児童数が増え、学校運営に必要な教室が増加しこれに伴って空き教室が減る学校が実際に現れています。
すなわち、児童数が多い為に利用者が多い学校ほど、すくすくスクールに使用できる空き教室が減るという矛盾した状況に拍車がかかっています』(原文ここまで)
『学校統廃合で児童数が増加、空き教室が減り、すくすくスクールに充当するスペースがむしろ減っている学校もある』。
質問のこの部分は江戸川区により省略され、回答がなされていないことがわかります。
◆質問42
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、学童クラブ事業が児童福祉法外のものとなり、区条例で運営されるなかで、どのように運営されるのか。
【江戸川区の回答】
厚生労働省令の職員が複数でそのうち一人は有資格者という職員配置ではなく、全てのすくすくスクールに複数の有資格者を配置するとともに、臨時職員、ボランティアなど多くの大人が関わる体制を整えていきます。
【コメント】
一度読んだだけでは、この回答文は、理解が困難でした。
みなさんはいかがですか?
まず江戸川区の回答にある、「厚生労働省令」について、正確にご紹介しましょう。
「厚生労働省令」では、まず子ども集団の規模を定義しています。
それは、「職員と個々の子どもが信頼関係を築ける規模」として、職員一人あたり「おおむね40人以下」とされています。
江戸川区の場合、この点についての考慮はありません。
次に「有資格者」の部分ですが、江戸川区が回答している「有資格者」とは、具体的には「保育士、教員、教育学士、社会学士、心理学士等」を指しています。
「保育士」「教員」はよく知られる資格ですが、その他の「○○学士」とは、主に4年制大学を卒業した者に自動的に付与される資格を指します。例えば、4年制大学の社会学部を卒業すれば、自動的に「社会学士」の有資格者となります。
これが、江戸川区のすくすくスクールが求めている、職員の「資格」です。
いっぽう厚労省の言う「有資格者」とは、少々分かりにくいのですが、「(江戸川区と同様の)資格を持った者」、あるいは「2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者」であって、加えて「市町村長が適当と認めた者」、さらに「都道府県知事が行う研修を修了した者」でなくてはならない、と定義しています。
さらに、放課後の児童の健全育成を目指し、これに関わる専門資格の新設も視野に入れて検討を重ねており、現状では放課後児童育成について、独自課題を含む研修を指導員に受けさせようとしています。
ようは国の方針として、今後「放課後児童育成のプロ」養成に力を入れようとしているのです。
※参考情報
厚生労働省 「放課後児童クラブの質の向上のための研修企画検討会(「子育て支援員(仮称)研修制度に関する検討会」専門研修ワーキングチーム(放課後児童クラブ)」
ただし江戸川区は、この「放課後児童育成のプロ」育成の流れに参加せず、「江戸川流」を貫く可能性が高いと予想できます。
なぜなら「すくすくスクール学童クラブ」に関しては、昨年10月の江戸川区議会における「すくすくスクール事業条例」可決後、「児童福祉法適用外」となったからです。
よって、現状では、すくすくスクールの指導員は上記研修の対象とならない(研修を受けないことを江戸川区は選択する)可能性が高いと予想されます。
さらに江戸川区の回答は、質問に対する正確な回答になっておらず、ただ「多くの大人が関わる体制」という茫洋とした回答であり、具体性を欠いていると言えるでしょう。
◆質問43
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、区条例で運営されるなかでもこれまでの説明の通り指導員が学童クラブの児童に必要なアプローチを行っていくと理解してよいか。
【江戸川区の回答】
学年が上がってもなお職員と保護者が連絡を取り合うことが子どもの自立において最善の方法とは考えておりません。連絡帳に限ることなく、子どもの成長や自立に応じて保護者との連絡方法を変えていき、最終的には親子間の約束で参加(下校)時間を児童自らが確認できるよう支援していきます。
【コメント】
質問と回答の整合性がなくちぐはぐであり、理解が非常に困難な項目です。
質問者の方は、「必要なアプローチを行ってくれるのか?」と聞いていますが、江戸川区は「連絡帳(連絡方法)」に限った回答をしています。
これはもしや、質問がまた「省略」されすぎているのではないか…?そんな疑問が湧きました。
そこでまた、この質問の「原文」を送っていただきました。
《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母らへの説明会が行われました。
その際の区の説明では、児童の心のケアについては実績と自信がある、という明言があり、学童クラブの子どもたちについては毎日通い続けられるように保護者と連絡を取り合いながら見守り、生活の様子については、保育園のようにはすべてのこどもに詳しく記録を書くことはできないが、連絡帳で知らせるとあります。
学童クラブの子どもについては指導員は家庭状況をよく把握し、今まで通りこどもに関わって行くとあります。
すくすく事業条例の施行下でもこれまでの説明のごとく指導員が学童クラブの児童に必要なアプローチを行って行くと理解してよいでしょうか』(原文ここまで)
このように原文を拝見すると、江戸川区の回答の意味が、はじめてわかります。
質問を省略することで質問者の意図を失わせたものの、省略の仕方が、いささか不適切だったようです。そして回答は、省略された原文をベースに作成してしまったため、このようなちぐはぐなQ&Aとなった、ということがよくわかります。
◆質問44
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、学校の設備の違い等により、子どもが過ごす環境は、学校によって大きく違うのが実情である。区条例で運営されるなかで均一化する努力はされるのか。
【江戸川区の回答】
学校規模の違いはあっても、全校で充実した放課後が過ごせるよう学校連携、地域連携を図ってまいります。
【コメント】
質問者の方の意図としては、学校により対応がバラバラ(現場運用任せ)のため、学校によっては「充実した放課後が過ごせていない現実がある」と見受けられますが、それに対する回答となっていないのではないでしょうか?
これも、質問の原文が必要です。先の質問者と同じ方でしたので、原文をいただきました。
《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母らへの説明会が行われました。
その際の区の説明では、くつろぐための時間の確保、学校の大きな空間を借りることでの空間と安全は確保できるとあり、全区的にサービスを均一化したいとの説明でした。
また、2013年11月25日付けの東洋経済の多田区長インタビューでも、校舎を開放することによる管理上の問題は学校の先生が責任を負う必要はなく、行政がすべての責任を負うと述べています。
しかしながら実際には、学校の設備の違い等により、毎日学童クラブ事業に行かなければならない子どもが過ごす環境は、学校によって大きく違うのが実情です。
たとえば、ほぼ毎日図書館が利用でき、静かに過ごせたり宿題をやってから遊びをはじめるといった、学童のこどもにとって大切な生活リズムの形成が可能な学校もある一方、まったく図書館や静かにすごせる空間がなく、学童の子どもが毎日放課後に行っていなければ生活がまわらない、生活上必要な活動ができない状況にあります。
このような学校格差、環境の不十分さをよい方向で均一化する努力は、すくすく事業条例下で行政は行う予定でしょうか』(原文ここまで)
これまでとおなじく、質問者の意図に対する、誠意ある回答になっていないことがよくわかります。
◆質問45
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、集団生活に障害がある児童の受け入れについては、今後もこれまでと同じ方針と理解してよいか。
【江戸川区の回答】
集団生活の中で児童が楽しく過ごせるよう保護者と参加方法について相談し、必要があれば保護者に代わるヘルパーなどの大人と参加していただきます。
【コメント】
省略された質問文では、「これまでと同じ方針」が何であるのか?まったくわからなくなっています。
これも「質問の原文」をいただくことができましたので、ご紹介します。
《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母等への説明会が行われました。
その際、集団生活に障害がある児童の受け入れはという質問に対し、『いままで通り親とよく相談し、必要に応じて職員を加配する』との説明がされました。すくすく事業条例化の今後も、同じ方針と理解して宜しいでしょうか?』(原文ここまで)
このように原文を読むと、「これまでと同じ方針」とは、「集団生活に障害がある児童の受け入れについては、いままで通り親とよく相談し、必要に応じて職員を加配する」ことであったことがわかります。
しかし、このように2003年当時は「職員を加配して受け入れる」と言っていましたが、いつの間にか「集団生活に障害のある児童は、(保護者に代わる)ヘルパーなどの大人と一緒にすくすくスクールに参加する」ことに、なっています。
これは、一体いつ、変更になったのでしょうか?
また、その方針の変更は、区民にはいつ告知されたのでしょうか?
大いに疑問が残る回答となりました。
現実的に、就労している親が、我が子のヘルパーとしてすくすくスクールに一緒に参加することは、ほぼ不可能でしょう。また、別途ヘルパーなどを雇用して一緒にすくすくスクールに参加させるには、費用等の問題で難しい家庭が多いのではないでしょうか。
◆質問46
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、災害時においてはどの部署が開所の判断をし、どのように学童クラブ事業の利用者へ連絡するのか。
【江戸川区の回答】
台風などの災害時には学校の対応に準じます。これまでと同様、江戸川区教育委員会事務局教育推進課が判断し、通知や電話、学校連絡メール、ツイッターなどでお知らせします。
◆質問47
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、以前冷蔵庫は必要に応じて設置すると説明があったが、今後も継続されるのか。
【江戸川区の回答】
これまでと同様です。
【コメント】
「これまで」が何を指すのか、不明であり、回答になっていないと考えます。また「冷蔵庫の必要性」は誰が判断するのでしょうか?
◆質問48
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、大きな事故にはスタッフが救急車に同乗すると思うが、今後も同じ方針であるか。
【江戸川区の回答】
これまでと同様です。
【コメント】
「これまで」が何を指すのか、不明であり、回答になっていないと考えます。
◆質問49
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の区条例において、区長はすくすくスクール事業の登録取り消しまたは停止をすることができるとあるが、これらはどのような状況を想定しているのか。
【江戸川区の回答】
集団生活に支障がある場合を想定しています。
【コメント】
先般の「質問45」と密接に絡んだ内容です。
これにより、障害のある児童の保護者は、就労を継続することを困難にしているという現状があります。
◆質問50
【区民からの質問】
全児童対策は指導員の負担が大きいため、国基準の学童保育を行ってほしい。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、児童が一緒に過ごせることに、全国から高い評価をいただいており、視察が相次いでいる状況です。
【コメント】
江戸川区では、昨年あたりから「すくすくスクールへの視察の数の多さ」を広報することに力を入れ始めており、江戸川区議会のホームページでも、その内容と数などを公表し始めました。
※参考情報 江戸川区議会・視察受け入れ状況
しかし私たち区民が知りたいのは、「視察の数」、それだけではないのです。
すくすくスクールを視察した結果、「江戸川区方式(すくすくスクール方式)を、実際に導入した自治体の事例」が、実際にどれくらいあるのか?
視察し、色々調査した結果、「江戸川区方式(すくすくスクール)を採用することをやめた」自治体もあったはずです。
この数は、視察した自治体などのうち、何割くらいなのでしょうか?
ここに、興味ある情報があります。
厚労省は、「全児童対策事業」と学童保育事業を一体化したモデル事業を定め、その自治体を発表しています。
しかし、「全児童対策事業」の先駆けであり、全国から視察が相次いでいるはずの江戸川区の「すくすくスクール」は、モデル自治体に選ばれていないのです。
これについての江戸川区の見解を、ぜひお聞きしたいものです。
◆質問51
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、専門的な知識をもった学童指導員を配置してほしい。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール指導員は全員有資格者です。学童クラブ時代より職員の配置は増やしています。
【コメント】
ここで江戸川区がいう「有資格者」とは、「保育士、教員、教育学士、社会学士、心理学士等」を指しています。詳しくは「質問42」をご参照ください。
また「学童クラブ時代より職員の配置は増やしている」との回答ですが、問題は単に数ではなく、「子どもの数」に対する「職員の数」という「比率」です。
しかし江戸川区は、江戸川区民が繰り返し質問を行っても、その具体的な比率の数値を明らかにしません。上記でもそうですが、「適正な配置比率である」という回答のみを繰り返すのみとなっています。(質問42もご参照ください)
◆質問52
【区民からの質問】
①区条例で行われる「すくすくスクール事業」は、国の基準と同等または上回る基準が提供されるのか。
②「放課後子ども総合プラン」(26 文科生第277 号、厚児発0731 第4 号)との整合性について、江戸川区の方針を伺いたい。
③前項の、「一体型の放課後児童クラブ及び放課後子ども教室」という国の方針に対して、独自事業とする意味合いを伺いたい。
④放課後児童クラブの基準が「おおむね10 歳まで」という項目が国の指針で変更になったが、その対応策について伺いたい。
【江戸川区の回答】
①厚生労働省令では、職員は複数、そのうち1名は有資格者としています。江戸川区では、全校複数の有資格者を配置しています。また、定員40名程度とする国基準に対し、江戸川区では希望すれば誰でも登録できる事業としています。
②「放課後子ども総合プラン」の前身の「放課後子どもプラン」は、江戸川区をモデルに厚生労働省と文部科学省が打ち出したものであり、江戸川区が先に実施していると考えております。
③国のプランでの一体型や一体的とは、全児童対策の児童は学童クラブの部屋に入れないなどの考え方であり、登録に関わらず児童は一緒に過ごす本区の考え方とは相いれない部分があるため独自事業とします。
④国に先立ち、10年前より本区では1年生から6年生までに拡大しています。
【コメント】
①質問42と同内容となっていますので、そちらをご参照ください。
②これも、質問に対する回答になっていないと考えます。
③「全児童対策の児童は、学童クラブの部屋に入れない」とは、国のプランは言っていません。
「全児童対策の児童」とは、江戸川区で言えば「すくすく登録(一般登録)」の児童のことです。
ですので、これをもって「国のプランは不適切である」という江戸川区の主張は根拠のないものと言えます。
◆質問53
【区民からの質問】
①学童クラブ(旧制度)を利用して仕事と子育てを両立できた親として感謝しているが、現行制度の概要がつかめない。広報を強化してほしい。
②学童クラブの民間事業者への委託については、自治体が主体で、民間事業者には側面からの協力という立場を重視してほしい。
【江戸川区の回答】
①広報の内容充実を図ってまいります。
②全てのすくすくスクールについて、区の直営事業として行っております。
◆質問54
【区民からの質問】
常勤指導員の増員や学校規模による不公平のないようにしてほしい。
【江戸川区の回答】
学校規模の大小はありますが、全てのすくすくスクールにおいて学校施設全体を活用する考えです。
【コメント】
学校施設全体がいつでも自由に使えるかのような表現は、すくすくスクールの現状に即していないと、保護者は感じています。質問41をご参照ください。
◆質問55
【区民からの質問】
学童クラブ事業について、子供が行きたいと思える場所、学校の勉強を深められる場所になってほしい。
【江戸川区の回答】
学年に応じた子どもの自立を最優先に考えております。遊びや学び、人とのふれあいの中で豊かな心を育む事業と考えております。
【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。
質問34、質問35と絡んだ内容ですので、そちらをご参照ください。
◆質問56
【区民からの質問】
学童クラブについて、学校による差があるなどの不安がある。働く家庭が安心できるようにしてほしい。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、児童が一緒に過ごせることに、全国から高い評価をいただいており、視察が相次いでいる状況です
【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。
質問34、35、50と絡んだ内容ですので、そちらをご参照ください。
◆質問57
【区民からの質問】
学童クラブの場は、子供が親を待つ場ではなく、クリエイティブな生活の場であってほしい。
【江戸川区の回答】
地域の連携、学校との連携により、学校や家庭ではできない学びや遊び、ふれあいを実現しています。
◆質問58
【区民からの質問】
すくすくスクールについて、春江小学校の活動の広さに懸念がある。
【江戸川区の回答】
春江小学校は学校改築工事を行っており、校庭や活動場所の制限がありご不便をおかけしていましたが、今年4月から新校舎で過ごします。
◆質問59
【区民からの質問】
学童クラブについて、大勢のすくすく登録の子どもと一緒に遊んでいるため安全面に不安を感じる。指導員の増員を検討してほしい。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。今後も地域や保護者との連携強化を図ってまいります。
【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。就労する保護者のニーズに、真摯に回答していない姿勢が見受けられます。
◆質問60
【区民からの質問】
学童クラブ事業について、今後どのように事業展開されるのか。「民間事業者との連携を図る」とこれまでにない記載があり、不安が募る一方である。
また、「希望者は全員受け入れ可能」と記載されてはいますが、現在の現場においてはさまざまな制限がなされており、これらの実情から考えるとこの実現は容易ではないかと思う。
【江戸川区の回答】
児童福祉法の改正により、市町村、社会福祉法人以外の者が放課後児童健全育成事業を行うことができるとなりました。そのことにより市町村が基準の条例を定めることになりました。
また、事業を行う者に対し、報告を求めたり指導を行うこととあり、総合して連携を図るとしています。学童クラブ事業を含むすくすくスクール事業は、現在もこれからも希望者は全員受け入れる方針です。ただし、すくすくスクールに参加することが子どもにとってどうかという視点で、参加方法を保護者と相談することはあります。
【コメント】
「『すくすくスクールに参加することが子どもにとってどうか』という視点で、保護者と相談することがあります」とは、実際にはどういう意味なのでしょうか?
具体的に「どういう子ども」を指して、「保護者と相談することがある」のでしょうか?
すくすくスクールに参加できないことで、就労の継続が困難になる家庭があるのではないでしょうか。
パブリック・コメントに関する当会の見解は、以上です。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
さて本年1月26日、本ブログにて下記の記事を掲載し、江戸川区のパブリック・コメントに対して意見を出しましょう、と呼びかけをさせていただきました。
■【2/2(月)〆切】江戸川区の学童クラブ事業に対し「パブリックコメント」を利用して意見・質問を送りましょう!
そして4月1日、江戸川区ホームページに、その結果が公表されました。
■江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募手続きの結果
結果をまとめたPDFは、こちらからダウンロードできます。
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江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募手続きの結果 |
なお本題に入る前に、お伝えしたいことが2点、あります。
1. 「パブリック・コメント」とは?
通称「パブリック・コメント」、正式には「意見公募」とは、「行政機関が命令等(政令、省令など)を制定するにあたって、事前に命令等の案を示し、その案について広く国民から意見や情報を募集する(総務省HP)」もので、平成17年から新設された手続きです。国の機関はもとより、地方自治体においても国に準じて実施されています。
江戸川区でも、パブリック・コメントの募集は随時行われており、区民が行政に意見・質問を伝える貴重な機会となっています。募集は、「江戸川区ホームページ」または「広報えどがわ」などで行われています。
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江戸川区ホームページ |
2. 江戸川区のパブリック・コメントとしては
「異例の多さ」の意見・質問が集まりました
今回の「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募」において、集まった意見は60件。これは江戸川区のパブリック・コメントの集まり状況としては、突出した「異例の多さ」と言えます。
では通常、江戸川区のパブリック・コメントでどのくらいの意見が集まっているものなのでしょうか?
過去の様々なパブリック・コメントの集まり状況は、「江戸川区 パブリック・コメント 結果を公表している案件」のページで、案件をひとつひとつ開いて見ていくとわかります。
本日時点で、時系列的に上のほうにある案件を順に開いて見ていきますと、下記のような状況です。そのほとんどが、「意見0件」または数件と言う状況です。
実施日
H27年3月 平成27年度江戸川区食品衛生監視指導計画(案)の意見公募 意見8件(5名)
H27年3月 「エコタウンえどがわ推進計画見直し(案)」の意見公募 意見0件
H27年3月 江戸川区実施計画(案)の意見公募 意見5件(2名)
H27年3月 「江戸川区住宅等整備事業における基準等に関する(中略)~」に関する意見募集 意見0件
H27年3月 「第4期江戸川区障害福祉計画(案)」の意見公募 意見152件(370名・2団体)
H27年3月 江戸川区介護保険事業計画等改定に(中略)~意見公募 意見63件(50名・1団体)
H26年12月 「特定個人情報保護評価書(案)(地方税に関す(中略)~)」の意見公募 意見0件
H26年12月 「特定個人情報保護評価書(案)(住民基本台帳(中略)~」の意見公募 意見2件(1名)
H26年9月 第二次江戸川区学校教育情報化推進計画(案)の意見公募 意見0件
H26年3月「江戸川区新型インフルエンザ等対策行動計画(案)」の意見公募 意見0件
H25年4月「江戸川区みどりの基本計画(案)」の意見公募 意見5件(5名)
:
障がい者福祉、および介護に関する案件のみ突出した数を示しています。
よって今回のパブリック・コメント「60件」というのは、異例の数の多さであり、区民の関心の高さが伺えます。
しかも60件のうち、なんと半分近くの「27件」が、すくすくスクールに関する意見・質問となっています。
さて、いよいよここから本題です。
こちらからダウンロードできる、「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募(パブリック・コメント)手続きの結果について」という文書を、可能な方はぜひプリントアウトして、比較しながらお読みいただければと思います。
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江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」の意見公募(パブリック・コメント)手続きの結果について |
なお以下に記載の文章のうち、【区民からの質問】【江戸川区の回答】の部分については、上記文書からのそのままの抜粋であり、当会では一切、手を加えていません。
(ただし【コメント】との関連性を示すために、「下線」を入れている場合があります)
そして、その下の【コメント】の部分が、当会による解説等となっております。
また特にコメントのない質問に関しても、そのまま掲載させていただきました。
すくすくスクール(学童クラブ)に関する質問は、「質問番号34」から、始まっています。上記文書の7ページ目からご覧ください。
◆質問34
【区民からの質問】
すくすく利用者の親は、年間500円の保険料で子どもを預かってくれる無料の託児所という認識。学童利用者は、お金を払って確保している生活の場という認識で、大きな認識の差がある。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、放課後や学校休業日に児童がどう過ごすかということに重点を置き、コミュニケーション力や発想力、生きる力を育むよう育成・支援してまいります。
【コメント】
おそらく質問者の方は、「生活の場」を必要とする就労家庭のニーズを述べておられると察しますが、これに対し、「コミュニケーション力や発想力、生きる力をはぐくむ育成支援の場である」とのみ、回答しています。
質問者の質問に、答えていない回答です。
◆質問35
【区民からの質問】
すくすくスクールでは仕事との両立が難しく、学童の機能が事実上ないように思える。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は、全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、就労等により家庭で適切な保護を受けられない児童を対象にした学童クラブ登録もすくすくスクールの中で行っています。
【コメント】
これも質問者の方は、「(現状のすくすくスクール学童クラブでは)仕事との両立が難しい」という現状を訴え、改善を要望をしていると思われます。
しかしこれも、質問者の質問に答えていない回答です。
◆質問36
【区民からの質問】
すくすくスクールを利用できる時間が短い(同様意見他3 件)。
【江戸川区の回答】
保護者が留守になる時間全てを補う事業ではないと考えております。
【コメント】
まず質問者の方は、「時間が短い」と述べておられ、江戸川区の回答にある「留守になる時間すべてを補ってほしい」とは質問していません。
どうやらこれは、「質問が相当省略されている、あるいは「同様意見」としてまとめられているため、質問者の意図が見えない形になっているのではないか?」 当会はそう考えました。
そこで各所に問い合わせをした結果、「同様意見」と記載された中の質問者の方、お一人から「質問の原文」をいただくことができました。
《質問原文》
『今回の子ども子育て支援計画(案)によれば、フルタイム就労する母親が増加する一方、日常的にこどもをみてもらえる祖父母などの親族、友人知人がいる家庭の割合は22.3%に過ぎないという結果です。
NHKの国民生活時間調査(2010年)では、通勤時間が東京圏では往復1時間37分となっており、フルタイム就労の場合、現在の学童クラブの終了時間には、親の迎えが間に合わないケースが平均的と考えられます。
昨今多発する凶悪事件の被害者になられた児童は、親の迎えがある幼児ではなく、ほぼ全てが学齢期児童であること、江戸川区内における不審者情報の多発を考えると、大人の保護がシームレスに行える環境がぜひとも必要になっています。
学童クラブ終了後はファミリーサポートの利用をと区の窓口は案内しますが、ファミリーサポートの充足数は現状でも不足しているうえ、今後はさらにニーズが増加するとの予想です。
従って、行政が責任を持って必要数を充足するか、学童クラブの終了時間延長などの措置がなければ危険の放置と考えます。この状況に対して区の方針をお伺いしたく存じます』(原文ここまで)
上記の長い質問が、なんとほんの一行、「すくすくスクールを利用できる時間が短い」という質問に省略されているわけです。
質問原文を、すべて掲載とは言いませんが、「質問者の真の意図・指摘を見えなくなるまで省略した意図」とは何か?気になるところです。
なお現状、すくすくスクールの開所時間は「9時」です。
通常の登校日ならともなく、夏休みの一日預かり日など「9時開所」では、都心の企業などに9時までに出社する保護者には間に合わない時間です。
「せめて夏休みだけでも8時、8時半から開所してほしい」という就労家庭のニーズは当然のごとくあり、過去幾度となく、「区長への手紙」や「陳情」など様々な手段をで江戸川区に伝えている経緯があります。それは単に、省略された質問文の「利用できる時間が短い」という言葉だけでは表しきれない、「就労家庭の切実な声」なのです。
★参考情報★
夏休みなどの「8時半開所」については、こちらの記事でご紹介していますが、江戸川区の予算委員会で、すくすくスクール担当部署責任者(教育推進課)が、「職員は8時半出勤のため、早く来た児童を中に入れないわけではない。柔軟に対応している」という主旨の発言をされております。
もしお困りの方は、すくすくスクール担当部署、もしくはお通いのすくすくスクールなどにお問い合わせいただければ、「柔軟に対応」していただけるのではないでしょうか。
◆質問37
【区民からの質問】
事業計画(案)の放課後児童健全育成事業について、すくすくスクール事業以外の学童すなわち民間などを指し、すくすくスクール事業以外は児童福祉法に準拠し、すくすくスクール事業は児童福祉法に準拠しないということか。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール事業は児童福祉法によらない江戸川区独自の事業として、これまでと変わらず実施していきます。
すくすくスクール事業については1月20日号の広報えどがわでご紹介しております。
【コメント】
「これまでと変わらず実施しています」と回答されていますが、これは疑問が残ります。
なにしろすくすくスクール事業が、法的に正式に「児童福祉法によらない江戸川区独自の事業」となったのは、つい昨年、平成26年の10月に江戸川区議会で「すくすくスクール事業条例」が成立した時点から(しかも条例の施行は平成27年4月、つい今月から)、だからです。
※参考記事
2014年10月28日 【 ~拝啓・江戸川区議会議員の皆様~ 】それでも貴方は今日の本会議で、「すくすくスクール事業条例」の可決に【賛成】しますか?
この「すくすくスクール事業条例」成立の以前は、江戸川区の「学童クラブ」は、「厚労省の定める児童福祉法に則っていなくてはならない」はずでした。
しかし「児童福祉法の下」の学童クラブであったにも関わらず、おやつをはじめ学童保育の機能が次々と消滅していったことを、私たち保護者等は問題視し、指摘を続けていたわけです。
「すくすくスクール事業条例」は、多田正見区長が発議し、これを江戸川区議会が承認しました。
これにより、児童福祉法の基準にあわない学童クラブを定めた「江戸川区独自の条例」が法律上、正当なものになったという経緯があります。
ですので、すくすくスクール導入された11年前から平成27年3月31日までは、児童福祉法によった学童クラブでなければならなかったはずなのに、「区民に正式に告知することなく、実はそうしてこなかった」ことを、江戸川区はここの回答で明言しています。
◆質問38
【区民からの質問】
事業計画(案)の学童クラブ事業について、「希望者は全員受入れ可能」となっているが、ここでは全校生徒の予定人数が反映されており、実際に18 時まで保育が必要な人数の予測がされていない。
【江戸川区の回答】
18時までにおいても希望者は全員受け入れ可能です。
【コメント】
質問者の方は、「(学童クラブとしての)保育の質が確保できるだけの集団の大きさ」があるものと想定して、このような質問をされていると察します。
しかし江戸川区は、「全員受け入れ可能」と繰り返すのみであり、これも質問者の質問に答えていない回答です。
「全員受け入れ可能」という言葉。これは、すくすくスクールの広報でよく見かける言葉です。
これは、下記のような言い方をされることもあります。
「待機児ゼロの画期的な学童保育」
「希望者全員受け入れ可能の学童保育」
「全入(ぜんにゅう)の学童保育」
![]() |
「全国初!」をうたい「全入」の学童保育を誇る、東洋経済の記事(2013年11月25日)『脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」~「つまらない」「入れない」の常識を覆す』 |
「全員受け入れ可能」…これは言い換えれば、「どれほど詰め込みになっても気にしない」ということです。
これに関する実際の保護者の意見等は、えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!「学童保育」の常識を覆す 脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』で、ぜひご覧ください。
![]() |
えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた! 「学童保育」の常識を覆す 脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』 |
◆質問39
【区民からの質問】
学童クラブの補食を復活してほしい(同様意見他10 件)。
【江戸川区の回答】
保護者の自主運営である補食の委託をお受けすることは考えておりません。
【コメント】
これも、質問に対する回答になっていないと考えます。
江戸川区すくすくスクールでは、平成24年度から「補食(おやつ)」が廃止されました。
この復活を願う保護者の活動に関しては、「江戸川区・学童補食の継続を願う会」のブログをご覧ください。
江戸川区・学童補食の継続を願う会 (2013年2月~2014年2月:現在更新停止中)
現在、東京23区内で「おやつ」がない学童クラブは、なんと江戸川区だけです。
江戸川区と同じ「全児童対策事業」を取り入れている品川区の「すまいるスクール」は、通常時はおやつがありませんが、学童クラブの子どもが一日過ごすことになる夏休みなどに限っては、「おやつの持ち込み」を許可し、就労家庭のニーズに応えています。
また江戸川区は、あくまで「補食(おやつ)は保護者の自主運営である」と、繰り返しています。
本来、おやつの提供は江戸川区が対応すべきことではない、保護者がやりなさい、ということです。
しかしこの「自主運営」については、江戸川区の学童クラブで補食が廃止になった平成24年度以降、「自主運営」に向けて動きを起こしたいくつかの小学校の保護者に対して、江戸川区は下記の条件が必須である、これができなければ自主運営は認めない、と提示しました。
①すくすくホームルームで食べることは禁止。
食べる場所を別途確保すること。
(学校内を使用する場合は、自分たちで学校と交渉すること。いったん下校して学校外で食べる分には構わない)
②子どもたちへのおやつの配布や管理(見守り等)を、
すくすくスクールの職員は行わない。
保護者などが行うこと。
これは就労している保護者にとって、「とうてい不可能」な条件であり、非現実的です。
平成24年度からのおやつ廃止以降、水道水だけで18時まで空腹をしのいでいる子どもたちをなんとかしたい!と、自主運営に向けて動き出した各地の保護者らの活動は、この江戸川区の条件提示で、すべて頓挫を余儀なくされました。
まさに就労家庭のニーズから、目をそむける回答と言えます。
成長期の子どもにとって、適切な時間の適切な補食は、心と身体の成長に欠かせないものであることは、国も認めています。
放課後児童クラブにおいて「おやつ」を適切に提供することの必要性は、平成27年3月に厚労省から発表された「放課後児童クラブ運営指針(案)」において、「実施すべきこと」として明確に位置づけられています。
なぜ江戸川区の子どもたちだけが、18時までおなかを空かせて親の帰りを待つことになるのか? 江戸川区在住の就労家庭としては、大いに疑問を感じると言わざるを得ません。
◆質問40
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の常勤サブマネージャーの確保について、今後の方針を教えてほしい。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール指導員の非常勤化の考えに変更はありません。
【コメント】
ここの回答に、驚くべき発見があります。
江戸川区が、すくすくスクールの指導員を「非常勤化する考え」と言うものを、公文書で正式に表明したのは、これが初めてではないでしょうか。
「退職者不補充の方針である」との説明は、かつて一部の保護者になされたこともあるようですが、区民は繰り返し常勤指導員の必要性を訴えてきており、常勤指導員がぎりぎりまで減少した後は、常勤指導員の育成が再び始まる可能性に期待していました。
しかし実際に、すくすくスクールで常勤の正規職員を不採用となってから、すでに11年が経過しています。
◆質問41
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の活動場所について、定員がないために子ども達が過密状態になってしまう懸念があるが、今後どのように対応されるのか。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール事業は、空き教室の活用ではなく、学校施設全体を活用します。放課後は校庭(雨天の場合は体育館)を中心に活動しますので、充分な広さを確保していると考えております。
【コメント】
「学校施設全体を活用」は、本当でしょうか?
例えば、4時間授業で13時半頃にすくすくスクールに来る1年生は、高学年の6時間目が終わる15時半過ぎまで、校庭や体育館はほぼ使えません(体育の授業等がある)。
ほか、学校により相当の差がありますが、「授業で使うため」「式典で使うためその準備」「運動会の準備」「クラブ活動のため」「見守りの職員数が足りないため」、さらには「夏休みの間は改修工事の機材置き場になるため」等々、様々な事情ですくすくホームルーム以外の場所の使用は制限され、江戸川区の誇っている「学校施設全体の活用」が、現実には実施されていないすくすくスクールは多くあります。
また、学童クラブ登録したある1年生保護者から、こんな話も伺いました。
「入学前、学童登録時に職員の方に聞いたら、“すくすくスクールでは、図書室も使えます”という話があってほっとしたんです。本好きなうちの子は、雨の日などは、子どもがあふれかえって、ひじょうに騒がしいすくすくスクールホームルームではなく、図書室で静かに読書をしてすごせるなら、親としてとても安心できるからです」
しかし入学し、新学期が始まっても、すくすくスクールでいっこうに図書室を利用している様子がなかったとのこと。
その方は、心配になって先輩の保護者に色々聞いてみたら、昨年度は実際に図書室にすくすくスクールの児童が入れたのは、なんと
「すくすくスクールでの図書館の利用は一年間に、わずか2回」
「時間にして1回2時間程度」
「しかも通常時ではなく、夏休みの図書室開放日だった」
と知り、「すくすくスクールは学校施設全体を活用」という江戸川区の触れ込みに、大いに疑問を感じた…とのことでした。
このように、「学校全体をいつでも自由に使っているかのような」江戸川区の回答は、現実に即しているとは言い難いものです。
これに関する実際の保護者の意見等も、えどがわ学童保育フォーラムホームページ『現役「すくすくスクール」の、江戸川区ママたちが驚いた!「学童保育」の常識を覆す 脱現実! 東洋経済のすごい「記事」』で、ぜひご覧ください。
またこの質問に関しても、質問がどうやら相当、省略されているのではないかと思われたため、ある保護者の方に質問原文を投稿いただきました。ご紹介しましょう。
《質問原文》
『すくすくスクール事業においては、学校の空き教室を活用するとされています。
しかし、近年の少子化に伴う学校統合に伴い、一部の小学校ではむしろ児童数が増え、学校運営に必要な教室が増加しこれに伴って空き教室が減る学校が実際に現れています。
すなわち、児童数が多い為に利用者が多い学校ほど、すくすくスクールに使用できる空き教室が減るという矛盾した状況に拍車がかかっています』(原文ここまで)
『学校統廃合で児童数が増加、空き教室が減り、すくすくスクールに充当するスペースがむしろ減っている学校もある』。
質問のこの部分は江戸川区により省略され、回答がなされていないことがわかります。
◆質問42
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、学童クラブ事業が児童福祉法外のものとなり、区条例で運営されるなかで、どのように運営されるのか。
【江戸川区の回答】
厚生労働省令の職員が複数でそのうち一人は有資格者という職員配置ではなく、全てのすくすくスクールに複数の有資格者を配置するとともに、臨時職員、ボランティアなど多くの大人が関わる体制を整えていきます。
【コメント】
一度読んだだけでは、この回答文は、理解が困難でした。
みなさんはいかがですか?
まず江戸川区の回答にある、「厚生労働省令」について、正確にご紹介しましょう。
「厚生労働省令」では、まず子ども集団の規模を定義しています。
それは、「職員と個々の子どもが信頼関係を築ける規模」として、職員一人あたり「おおむね40人以下」とされています。
江戸川区の場合、この点についての考慮はありません。
次に「有資格者」の部分ですが、江戸川区が回答している「有資格者」とは、具体的には「保育士、教員、教育学士、社会学士、心理学士等」を指しています。
「保育士」「教員」はよく知られる資格ですが、その他の「○○学士」とは、主に4年制大学を卒業した者に自動的に付与される資格を指します。例えば、4年制大学の社会学部を卒業すれば、自動的に「社会学士」の有資格者となります。
これが、江戸川区のすくすくスクールが求めている、職員の「資格」です。
いっぽう厚労省の言う「有資格者」とは、少々分かりにくいのですが、「(江戸川区と同様の)資格を持った者」、あるいは「2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者」であって、加えて「市町村長が適当と認めた者」、さらに「都道府県知事が行う研修を修了した者」でなくてはならない、と定義しています。
さらに、放課後の児童の健全育成を目指し、これに関わる専門資格の新設も視野に入れて検討を重ねており、現状では放課後児童育成について、独自課題を含む研修を指導員に受けさせようとしています。
ようは国の方針として、今後「放課後児童育成のプロ」養成に力を入れようとしているのです。
※参考情報
厚生労働省 「放課後児童クラブの質の向上のための研修企画検討会(「子育て支援員(仮称)研修制度に関する検討会」専門研修ワーキングチーム(放課後児童クラブ)」
ただし江戸川区は、この「放課後児童育成のプロ」育成の流れに参加せず、「江戸川流」を貫く可能性が高いと予想できます。
なぜなら「すくすくスクール学童クラブ」に関しては、昨年10月の江戸川区議会における「すくすくスクール事業条例」可決後、「児童福祉法適用外」となったからです。
よって、現状では、すくすくスクールの指導員は上記研修の対象とならない(研修を受けないことを江戸川区は選択する)可能性が高いと予想されます。
さらに江戸川区の回答は、質問に対する正確な回答になっておらず、ただ「多くの大人が関わる体制」という茫洋とした回答であり、具体性を欠いていると言えるでしょう。
◆質問43
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、区条例で運営されるなかでもこれまでの説明の通り指導員が学童クラブの児童に必要なアプローチを行っていくと理解してよいか。
【江戸川区の回答】
学年が上がってもなお職員と保護者が連絡を取り合うことが子どもの自立において最善の方法とは考えておりません。連絡帳に限ることなく、子どもの成長や自立に応じて保護者との連絡方法を変えていき、最終的には親子間の約束で参加(下校)時間を児童自らが確認できるよう支援していきます。
【コメント】
質問と回答の整合性がなくちぐはぐであり、理解が非常に困難な項目です。
質問者の方は、「必要なアプローチを行ってくれるのか?」と聞いていますが、江戸川区は「連絡帳(連絡方法)」に限った回答をしています。
これはもしや、質問がまた「省略」されすぎているのではないか…?そんな疑問が湧きました。
そこでまた、この質問の「原文」を送っていただきました。
《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母らへの説明会が行われました。
その際の区の説明では、児童の心のケアについては実績と自信がある、という明言があり、学童クラブの子どもたちについては毎日通い続けられるように保護者と連絡を取り合いながら見守り、生活の様子については、保育園のようにはすべてのこどもに詳しく記録を書くことはできないが、連絡帳で知らせるとあります。
学童クラブの子どもについては指導員は家庭状況をよく把握し、今まで通りこどもに関わって行くとあります。
すくすく事業条例の施行下でもこれまでの説明のごとく指導員が学童クラブの児童に必要なアプローチを行って行くと理解してよいでしょうか』(原文ここまで)
このように原文を拝見すると、江戸川区の回答の意味が、はじめてわかります。
質問を省略することで質問者の意図を失わせたものの、省略の仕方が、いささか不適切だったようです。そして回答は、省略された原文をベースに作成してしまったため、このようなちぐはぐなQ&Aとなった、ということがよくわかります。
◆質問44
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、学校の設備の違い等により、子どもが過ごす環境は、学校によって大きく違うのが実情である。区条例で運営されるなかで均一化する努力はされるのか。
【江戸川区の回答】
学校規模の違いはあっても、全校で充実した放課後が過ごせるよう学校連携、地域連携を図ってまいります。
【コメント】
質問者の方の意図としては、学校により対応がバラバラ(現場運用任せ)のため、学校によっては「充実した放課後が過ごせていない現実がある」と見受けられますが、それに対する回答となっていないのではないでしょうか?
これも、質問の原文が必要です。先の質問者と同じ方でしたので、原文をいただきました。
《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母らへの説明会が行われました。
その際の区の説明では、くつろぐための時間の確保、学校の大きな空間を借りることでの空間と安全は確保できるとあり、全区的にサービスを均一化したいとの説明でした。
また、2013年11月25日付けの東洋経済の多田区長インタビューでも、校舎を開放することによる管理上の問題は学校の先生が責任を負う必要はなく、行政がすべての責任を負うと述べています。
しかしながら実際には、学校の設備の違い等により、毎日学童クラブ事業に行かなければならない子どもが過ごす環境は、学校によって大きく違うのが実情です。
たとえば、ほぼ毎日図書館が利用でき、静かに過ごせたり宿題をやってから遊びをはじめるといった、学童のこどもにとって大切な生活リズムの形成が可能な学校もある一方、まったく図書館や静かにすごせる空間がなく、学童の子どもが毎日放課後に行っていなければ生活がまわらない、生活上必要な活動ができない状況にあります。
このような学校格差、環境の不十分さをよい方向で均一化する努力は、すくすく事業条例下で行政は行う予定でしょうか』(原文ここまで)
これまでとおなじく、質問者の意図に対する、誠意ある回答になっていないことがよくわかります。
![]() |
「管理上の問題は行政がすべて責任を負う」と語る東洋経済の記事(2013年11月25日)『脱常識!江戸川区のすごい「学童保育」~「つまらない」「入れない」の常識を覆す』 |
◆質問45
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、集団生活に障害がある児童の受け入れについては、今後もこれまでと同じ方針と理解してよいか。
【江戸川区の回答】
集団生活の中で児童が楽しく過ごせるよう保護者と参加方法について相談し、必要があれば保護者に代わるヘルパーなどの大人と参加していただきます。
【コメント】
省略された質問文では、「これまでと同じ方針」が何であるのか?まったくわからなくなっています。
これも「質問の原文」をいただくことができましたので、ご紹介します。
《質問原文》
『学童クラブのすくすくスクール統合に際し、2003年11月に行われた父母等への説明会が行われました。
その際、集団生活に障害がある児童の受け入れはという質問に対し、『いままで通り親とよく相談し、必要に応じて職員を加配する』との説明がされました。すくすく事業条例化の今後も、同じ方針と理解して宜しいでしょうか?』(原文ここまで)
このように原文を読むと、「これまでと同じ方針」とは、「集団生活に障害がある児童の受け入れについては、いままで通り親とよく相談し、必要に応じて職員を加配する」ことであったことがわかります。
しかし、このように2003年当時は「職員を加配して受け入れる」と言っていましたが、いつの間にか「集団生活に障害のある児童は、(保護者に代わる)ヘルパーなどの大人と一緒にすくすくスクールに参加する」ことに、なっています。
これは、一体いつ、変更になったのでしょうか?
また、その方針の変更は、区民にはいつ告知されたのでしょうか?
大いに疑問が残る回答となりました。
現実的に、就労している親が、我が子のヘルパーとしてすくすくスクールに一緒に参加することは、ほぼ不可能でしょう。また、別途ヘルパーなどを雇用して一緒にすくすくスクールに参加させるには、費用等の問題で難しい家庭が多いのではないでしょうか。
◆質問46
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、災害時においてはどの部署が開所の判断をし、どのように学童クラブ事業の利用者へ連絡するのか。
【江戸川区の回答】
台風などの災害時には学校の対応に準じます。これまでと同様、江戸川区教育委員会事務局教育推進課が判断し、通知や電話、学校連絡メール、ツイッターなどでお知らせします。
◆質問47
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、以前冷蔵庫は必要に応じて設置すると説明があったが、今後も継続されるのか。
【江戸川区の回答】
これまでと同様です。
【コメント】
「これまで」が何を指すのか、不明であり、回答になっていないと考えます。また「冷蔵庫の必要性」は誰が判断するのでしょうか?
◆質問48
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、大きな事故にはスタッフが救急車に同乗すると思うが、今後も同じ方針であるか。
【江戸川区の回答】
これまでと同様です。
【コメント】
「これまで」が何を指すのか、不明であり、回答になっていないと考えます。
◆質問49
【区民からの質問】
すくすくスクール事業の区条例において、区長はすくすくスクール事業の登録取り消しまたは停止をすることができるとあるが、これらはどのような状況を想定しているのか。
【江戸川区の回答】
集団生活に支障がある場合を想定しています。
【コメント】
先般の「質問45」と密接に絡んだ内容です。
これにより、障害のある児童の保護者は、就労を継続することを困難にしているという現状があります。
◆質問50
【区民からの質問】
全児童対策は指導員の負担が大きいため、国基準の学童保育を行ってほしい。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、児童が一緒に過ごせることに、全国から高い評価をいただいており、視察が相次いでいる状況です。
【コメント】
江戸川区では、昨年あたりから「すくすくスクールへの視察の数の多さ」を広報することに力を入れ始めており、江戸川区議会のホームページでも、その内容と数などを公表し始めました。
※参考情報 江戸川区議会・視察受け入れ状況
しかし私たち区民が知りたいのは、「視察の数」、それだけではないのです。
すくすくスクールを視察した結果、「江戸川区方式(すくすくスクール方式)を、実際に導入した自治体の事例」が、実際にどれくらいあるのか?
視察し、色々調査した結果、「江戸川区方式(すくすくスクール)を採用することをやめた」自治体もあったはずです。
この数は、視察した自治体などのうち、何割くらいなのでしょうか?
ここに、興味ある情報があります。
厚労省は、「全児童対策事業」と学童保育事業を一体化したモデル事業を定め、その自治体を発表しています。
しかし、「全児童対策事業」の先駆けであり、全国から視察が相次いでいるはずの江戸川区の「すくすくスクール」は、モデル自治体に選ばれていないのです。
これについての江戸川区の見解を、ぜひお聞きしたいものです。
◆質問51
【区民からの質問】
すくすくスクール事業について、専門的な知識をもった学童指導員を配置してほしい。
【江戸川区の回答】
すくすくスクール指導員は全員有資格者です。学童クラブ時代より職員の配置は増やしています。
【コメント】
ここで江戸川区がいう「有資格者」とは、「保育士、教員、教育学士、社会学士、心理学士等」を指しています。詳しくは「質問42」をご参照ください。
また「学童クラブ時代より職員の配置は増やしている」との回答ですが、問題は単に数ではなく、「子どもの数」に対する「職員の数」という「比率」です。
しかし江戸川区は、江戸川区民が繰り返し質問を行っても、その具体的な比率の数値を明らかにしません。上記でもそうですが、「適正な配置比率である」という回答のみを繰り返すのみとなっています。(質問42もご参照ください)
◆質問52
【区民からの質問】
①区条例で行われる「すくすくスクール事業」は、国の基準と同等または上回る基準が提供されるのか。
②「放課後子ども総合プラン」(26 文科生第277 号、厚児発0731 第4 号)との整合性について、江戸川区の方針を伺いたい。
③前項の、「一体型の放課後児童クラブ及び放課後子ども教室」という国の方針に対して、独自事業とする意味合いを伺いたい。
④放課後児童クラブの基準が「おおむね10 歳まで」という項目が国の指針で変更になったが、その対応策について伺いたい。
【江戸川区の回答】
①厚生労働省令では、職員は複数、そのうち1名は有資格者としています。江戸川区では、全校複数の有資格者を配置しています。また、定員40名程度とする国基準に対し、江戸川区では希望すれば誰でも登録できる事業としています。
②「放課後子ども総合プラン」の前身の「放課後子どもプラン」は、江戸川区をモデルに厚生労働省と文部科学省が打ち出したものであり、江戸川区が先に実施していると考えております。
③国のプランでの一体型や一体的とは、全児童対策の児童は学童クラブの部屋に入れないなどの考え方であり、登録に関わらず児童は一緒に過ごす本区の考え方とは相いれない部分があるため独自事業とします。
④国に先立ち、10年前より本区では1年生から6年生までに拡大しています。
【コメント】
①質問42と同内容となっていますので、そちらをご参照ください。
②これも、質問に対する回答になっていないと考えます。
③「全児童対策の児童は、学童クラブの部屋に入れない」とは、国のプランは言っていません。
「全児童対策の児童」とは、江戸川区で言えば「すくすく登録(一般登録)」の児童のことです。
ですので、これをもって「国のプランは不適切である」という江戸川区の主張は根拠のないものと言えます。
◆質問53
【区民からの質問】
①学童クラブ(旧制度)を利用して仕事と子育てを両立できた親として感謝しているが、現行制度の概要がつかめない。広報を強化してほしい。
②学童クラブの民間事業者への委託については、自治体が主体で、民間事業者には側面からの協力という立場を重視してほしい。
【江戸川区の回答】
①広報の内容充実を図ってまいります。
②全てのすくすくスクールについて、区の直営事業として行っております。
◆質問54
【区民からの質問】
常勤指導員の増員や学校規模による不公平のないようにしてほしい。
【江戸川区の回答】
学校規模の大小はありますが、全てのすくすくスクールにおいて学校施設全体を活用する考えです。
【コメント】
学校施設全体がいつでも自由に使えるかのような表現は、すくすくスクールの現状に即していないと、保護者は感じています。質問41をご参照ください。
◆質問55
【区民からの質問】
学童クラブ事業について、子供が行きたいと思える場所、学校の勉強を深められる場所になってほしい。
【江戸川区の回答】
学年に応じた子どもの自立を最優先に考えております。遊びや学び、人とのふれあいの中で豊かな心を育む事業と考えております。
【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。
質問34、質問35と絡んだ内容ですので、そちらをご参照ください。
◆質問56
【区民からの質問】
学童クラブについて、学校による差があるなどの不安がある。働く家庭が安心できるようにしてほしい。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。
登録や保護者の就労等に関わらず、児童が一緒に過ごせることに、全国から高い評価をいただいており、視察が相次いでいる状況です
【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。
質問34、35、50と絡んだ内容ですので、そちらをご参照ください。
◆質問57
【区民からの質問】
学童クラブの場は、子供が親を待つ場ではなく、クリエイティブな生活の場であってほしい。
【江戸川区の回答】
地域の連携、学校との連携により、学校や家庭ではできない学びや遊び、ふれあいを実現しています。
◆質問58
【区民からの質問】
すくすくスクールについて、春江小学校の活動の広さに懸念がある。
【江戸川区の回答】
春江小学校は学校改築工事を行っており、校庭や活動場所の制限がありご不便をおかけしていましたが、今年4月から新校舎で過ごします。
◆質問59
【区民からの質問】
学童クラブについて、大勢のすくすく登録の子どもと一緒に遊んでいるため安全面に不安を感じる。指導員の増員を検討してほしい。
【江戸川区の回答】
「すくすくスクール事業」は全児童の健全育成事業として実施しております。放課後、全ての児童が学年を超えて一緒に過ごし、地域の関わりもいただき、人とのふれあいの中で豊かな心を育むことが目的です。今後も地域や保護者との連携強化を図ってまいります。
【コメント】
これも質問に対する回答になっていません。就労する保護者のニーズに、真摯に回答していない姿勢が見受けられます。
◆質問60
【区民からの質問】
学童クラブ事業について、今後どのように事業展開されるのか。「民間事業者との連携を図る」とこれまでにない記載があり、不安が募る一方である。
また、「希望者は全員受け入れ可能」と記載されてはいますが、現在の現場においてはさまざまな制限がなされており、これらの実情から考えるとこの実現は容易ではないかと思う。
【江戸川区の回答】
児童福祉法の改正により、市町村、社会福祉法人以外の者が放課後児童健全育成事業を行うことができるとなりました。そのことにより市町村が基準の条例を定めることになりました。
また、事業を行う者に対し、報告を求めたり指導を行うこととあり、総合して連携を図るとしています。学童クラブ事業を含むすくすくスクール事業は、現在もこれからも希望者は全員受け入れる方針です。ただし、すくすくスクールに参加することが子どもにとってどうかという視点で、参加方法を保護者と相談することはあります。
【コメント】
「『すくすくスクールに参加することが子どもにとってどうか』という視点で、保護者と相談することがあります」とは、実際にはどういう意味なのでしょうか?
具体的に「どういう子ども」を指して、「保護者と相談することがある」のでしょうか?
すくすくスクールに参加できないことで、就労の継続が困難になる家庭があるのではないでしょうか。
パブリック・コメントに関する当会の見解は、以上です。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
2015年3月23日月曜日
【予算特別委員会傍聴】おやつなし、正規職員新規採用なし、厚労省の基準に沿わなくてよし等々…すくすくスクール(学童クラブ)の方針に変更ないことを明言
江戸川区議会では、去る2/23から3/19までの間、来年度の予算について審議を行う「予算特別委員会」が開催されていました。
その中で、3/5(木)に、すくすくスクール(学童クラブ)の予算についての審議があり、傍聴に行かれた方から投稿をいただきましたので、ご紹介します。
いま、まさに保育園を3/31で卒園し、4/1からすくすくスクール学童クラブに通い始めるお子さんをお持ちのご家庭は、すくすくスクールで、これからわが子がどういった環境で過ごすのか? 関心が高い時期かと思われますので、傍聴メモをご紹介いたします。
なお投稿者の方によりますと、やり取りを手書きのメモで記録し、聞き取りづらい箇所もあったとのことで、完全に正確に再現するものではありません、とのことですが、おおよそこのようなやり取りが行われた、とのことです。
【以下、投稿です】
■公明党・窪田議員
すくすくスクール事業について日経デュアル(※)の記事を読んだ。
ほかの自治体も関心を持ってみている。他区はどんなところに関心を持っているのか?
(※)日経DUAL 2014年12月17日記事
江戸川区 「おやつ問題を騒ぎ立てず、本質を見よ」 多田正見・江戸川区長
全文を読むには、日経DUALへの会員登録が必要です。
■教育推進課長(すくすくスクール学童クラブ担当部署責任者)
これまで450以上の団体が視察に来ている。26年度だけでも28団体。
最も関心の高いのが、待機児童解消をどうやっているのか、通常学童クラブでは3年までが多いが、6年生までどうやって預かっているのか。希望者全員をどうやって受けていれているのか。クラブマネジャーやサポートセンターをどうやって組織しているのか。
全部の学校で2年という短い間に急速によくできたものだと驚かれる。
■公明党・窪田議員
厚労省のガイドラインでは1部屋に40人定員となっているが、本当にできるのか。
■教育推進課長
4月からの運用で無理して40人にしなくていいなどの動きもある。
■公明党・窪田議員
夏休みの午前中の預かり時間を、もう少し早くしてほしいという要望がある。
■教育推進課長
職員は8時半出勤のため、早く来た児童を中に入れないわけではない。柔軟に対応している。
■公明党・伊藤照子議員
すくすくスクールは素晴らしい事業だともっと保護者に説明すべきだ。学童クラブもしっかりやっていることを宣伝すべきだ。
■多田正見江戸川区長
すくすくスクールは学童クラブのことばかり関心を持たれているが、本来は多くの大人や異年齢の人間同士が関われるすばらしい人間教育というほうに重きがある。
■公明党・伊藤照子議員
いま世の中は豊かになっているが、こうした人間教育ができることについて感謝の気持ちを持ってもらえるよう、もっと宣伝すべきである。
■共産党・大橋みえ子議員
すくすくスクールは人間教育といういい面もあるが、学童クラブ機能を内包する中で問題もある。
10年前の広報に「学童クラブはますます充実します」とあるが実際は本当にそうなっているのか?かつての学童クラブは、親が働いているとはいえ、指導員、親、子どもたちがともに作り上げる行事などをやっていた。現状はどうか?
■教育推進課長
今はすくすくスクールの中に学童クラブがあるので、学童だけの特別行事はない。
■共産党・大橋みえ子議員
学童クラブの保護者会をやっていないとのことだが・・。
■教育推進課長
日々の活動の中で、現場のクラブマネジャーやサブマネジャーが保護者の声を聞いている。
■共産党・大橋みえ子議員
指導員は学童クラブ運営の要だ。指導員の配置基準は?
■教育推進課長
すくすくスクール参加児童数に合わせて決めている。
学童クラブ児童数は基準になっていない。
■共産党・大橋みえ子議員
一般の子は毎日来るとは限らない。毎日来なければならない学童クラブ児童数に合わせて、基準を設けるべきではないか。
■教育推進課長
すくすくスクール参加児童数を基準にしている。
■共産党・大橋みえ子議員
学童クラブ機能を残すというからには、指導員の配置基準を学童クラブ児童にすべきだ。
■共産党・大橋みえ子議員
指導員の研修はどのようにしているか?
■教育推進課長
子どもに対して何でもしてあげることが子どものためになるのではない、という視点を持たせている。
また否定言葉ではなく肯定言葉をできるだけ使うといったことも指導している。
研修は年に11回ほどプラスOJT。
■共産党・大橋みえ子議員
正規採用がなくなり、これから先、指導員としての専門性をどうやって維持していくのか懸念している。
■教育推進課長
非常勤の中に学童クラブ時代から続いている人もいる。
それぞれの職場でスキルアップしている。
■共産党・大橋みえ子議員
本来は正規採用を再開すべきだ。
■教育推進課長
退職者不補充の方針に変わりはない。
■共産党・大橋みえ子議員
正規採用してほしい。
■共産党・大橋みえ子議員
サポートセンターの予算基準は?
■教育推進課長
前年実績をもとに作成している。
■共産党・大橋みえ子議員
予算をもっと増やすべきだ。おやつ問題に移る。現在の学童児童数を。
■教育推進課長
2月1日現在で3,432人、4月からは、3月3日時点の登録で4,276人。
■共産党・大橋みえ子議員
4,276人もの子どもたちがひもじい思いをすることを考えてほしい。
とくに小1の子どもは3月まで保育園でおやつを食べていたのに急になくなる。本当にひどいことだ。せめて自宅からおやつを持参することをもう一度検討してほしい。
■教育推進課長
補食の提供をすることは考えていない。
■共産党・大橋みえ子議員
政府はパブリックコメントでおやつを提供すると言っているが、このことをどう思うのか?
■教育推進課長
3月はじめに出されたもので、まだ精査していない。
■共産党・大橋みえ子議員
放課後児童クラブの運営指針は、今までなかったもので今回初めて規定された。
今後細かい指針が出されることが予想される。改めておやつの復活を求める。
■青空・間宮由美議員
学童クラブの補食について
子どもの権利条約に関わることだ。子どもの声をどう聞いているのか。
■教育推進課長
クラブマネジャー、サブマネジャーが声を拾っている。
■青空・間宮議員
子どもから声を聞いている様子は伺えない。
■えどがわ区民ひろば・滝沢泰子議員
すくすくスクール運営予算が減額されているが、その理由は?
■教育推進課長
(回答聞き取れず)
■えどがわ区民ひろば・滝沢泰子議員
指導員の配置基準の説明を保護者にしているのか?
■教育推進課長
とくにしていない。内規で決まっていること。
【参考注】
全すくすくスクール73校の非常勤指導員の数
平成25年:145人
平成26年:125人
平成27年:135人
■えどがわ区民ひろば・滝沢議員
説明をせずに学童はこれまでと変わらないと言われても不透明さをぬぐえない。
指導員の配置基準は?
■教育推進課長
あくまですくすくスクール全体の児童数を基準にしている。
正規職員の退職者不補充で、非常勤は増えている。
非常勤も含めたスキルアップをしている。
■えどがわ区民ひろば・滝沢議員
指導員の配置基準は基本的で重要な問題だ。保護者への説明は必要だ。
任期付き職員の採用を求める。一定の勤務時間の確保と職員の仕事の継続性が求められる。
ほかおやつの復活、開所時間を朝8時から夜7時まで
子ども子育て支援制度は、親のニーズをもりこまなけれという趣旨だ。
すくすくスクール運営予算を平成24年度以前の予算にもどすべきだ。
いただいた投稿は以上です。
なお、ご参考としてご紹介します。
文中の「日経DUAL」の記事は、これまで江戸川区の学童保育関連で、2件、掲載されています。
その中で、3/5(木)に、すくすくスクール(学童クラブ)の予算についての審議があり、傍聴に行かれた方から投稿をいただきましたので、ご紹介します。
いま、まさに保育園を3/31で卒園し、4/1からすくすくスクール学童クラブに通い始めるお子さんをお持ちのご家庭は、すくすくスクールで、これからわが子がどういった環境で過ごすのか? 関心が高い時期かと思われますので、傍聴メモをご紹介いたします。
なお投稿者の方によりますと、やり取りを手書きのメモで記録し、聞き取りづらい箇所もあったとのことで、完全に正確に再現するものではありません、とのことですが、おおよそこのようなやり取りが行われた、とのことです。
【以下、投稿です】
■公明党・窪田議員
すくすくスクール事業について日経デュアル(※)の記事を読んだ。
ほかの自治体も関心を持ってみている。他区はどんなところに関心を持っているのか?
(※)日経DUAL 2014年12月17日記事
江戸川区 「おやつ問題を騒ぎ立てず、本質を見よ」 多田正見・江戸川区長
全文を読むには、日経DUALへの会員登録が必要です。
■教育推進課長(すくすくスクール学童クラブ担当部署責任者)
これまで450以上の団体が視察に来ている。26年度だけでも28団体。
最も関心の高いのが、待機児童解消をどうやっているのか、通常学童クラブでは3年までが多いが、6年生までどうやって預かっているのか。希望者全員をどうやって受けていれているのか。クラブマネジャーやサポートセンターをどうやって組織しているのか。
全部の学校で2年という短い間に急速によくできたものだと驚かれる。
■公明党・窪田議員
厚労省のガイドラインでは1部屋に40人定員となっているが、本当にできるのか。
■教育推進課長
4月からの運用で無理して40人にしなくていいなどの動きもある。
■公明党・窪田議員
夏休みの午前中の預かり時間を、もう少し早くしてほしいという要望がある。
■教育推進課長
職員は8時半出勤のため、早く来た児童を中に入れないわけではない。柔軟に対応している。
■公明党・伊藤照子議員
すくすくスクールは素晴らしい事業だともっと保護者に説明すべきだ。学童クラブもしっかりやっていることを宣伝すべきだ。
■多田正見江戸川区長
すくすくスクールは学童クラブのことばかり関心を持たれているが、本来は多くの大人や異年齢の人間同士が関われるすばらしい人間教育というほうに重きがある。
■公明党・伊藤照子議員
いま世の中は豊かになっているが、こうした人間教育ができることについて感謝の気持ちを持ってもらえるよう、もっと宣伝すべきである。
■共産党・大橋みえ子議員
すくすくスクールは人間教育といういい面もあるが、学童クラブ機能を内包する中で問題もある。
10年前の広報に「学童クラブはますます充実します」とあるが実際は本当にそうなっているのか?かつての学童クラブは、親が働いているとはいえ、指導員、親、子どもたちがともに作り上げる行事などをやっていた。現状はどうか?
■教育推進課長
今はすくすくスクールの中に学童クラブがあるので、学童だけの特別行事はない。
■共産党・大橋みえ子議員
学童クラブの保護者会をやっていないとのことだが・・。
■教育推進課長
日々の活動の中で、現場のクラブマネジャーやサブマネジャーが保護者の声を聞いている。
■共産党・大橋みえ子議員
指導員は学童クラブ運営の要だ。指導員の配置基準は?
■教育推進課長
すくすくスクール参加児童数に合わせて決めている。
学童クラブ児童数は基準になっていない。
■共産党・大橋みえ子議員
一般の子は毎日来るとは限らない。毎日来なければならない学童クラブ児童数に合わせて、基準を設けるべきではないか。
■教育推進課長
すくすくスクール参加児童数を基準にしている。
■共産党・大橋みえ子議員
学童クラブ機能を残すというからには、指導員の配置基準を学童クラブ児童にすべきだ。
■共産党・大橋みえ子議員
指導員の研修はどのようにしているか?
■教育推進課長
子どもに対して何でもしてあげることが子どものためになるのではない、という視点を持たせている。
また否定言葉ではなく肯定言葉をできるだけ使うといったことも指導している。
研修は年に11回ほどプラスOJT。
■共産党・大橋みえ子議員
正規採用がなくなり、これから先、指導員としての専門性をどうやって維持していくのか懸念している。
■教育推進課長
非常勤の中に学童クラブ時代から続いている人もいる。
それぞれの職場でスキルアップしている。
■共産党・大橋みえ子議員
本来は正規採用を再開すべきだ。
■教育推進課長
退職者不補充の方針に変わりはない。
■共産党・大橋みえ子議員
正規採用してほしい。
■共産党・大橋みえ子議員
サポートセンターの予算基準は?
■教育推進課長
前年実績をもとに作成している。
■共産党・大橋みえ子議員
予算をもっと増やすべきだ。おやつ問題に移る。現在の学童児童数を。
■教育推進課長
2月1日現在で3,432人、4月からは、3月3日時点の登録で4,276人。
■共産党・大橋みえ子議員
4,276人もの子どもたちがひもじい思いをすることを考えてほしい。
とくに小1の子どもは3月まで保育園でおやつを食べていたのに急になくなる。本当にひどいことだ。せめて自宅からおやつを持参することをもう一度検討してほしい。
■教育推進課長
補食の提供をすることは考えていない。
■共産党・大橋みえ子議員
政府はパブリックコメントでおやつを提供すると言っているが、このことをどう思うのか?
■教育推進課長
3月はじめに出されたもので、まだ精査していない。
■共産党・大橋みえ子議員
放課後児童クラブの運営指針は、今までなかったもので今回初めて規定された。
今後細かい指針が出されることが予想される。改めておやつの復活を求める。
■青空・間宮由美議員
学童クラブの補食について
子どもの権利条約に関わることだ。子どもの声をどう聞いているのか。
■教育推進課長
クラブマネジャー、サブマネジャーが声を拾っている。
■青空・間宮議員
子どもから声を聞いている様子は伺えない。
■えどがわ区民ひろば・滝沢泰子議員
すくすくスクール運営予算が減額されているが、その理由は?
■教育推進課長
(回答聞き取れず)
■えどがわ区民ひろば・滝沢泰子議員
指導員の配置基準の説明を保護者にしているのか?
■教育推進課長
とくにしていない。内規で決まっていること。
【参考注】
全すくすくスクール73校の非常勤指導員の数
平成25年:145人
平成26年:125人
平成27年:135人
■えどがわ区民ひろば・滝沢議員
説明をせずに学童はこれまでと変わらないと言われても不透明さをぬぐえない。
指導員の配置基準は?
■教育推進課長
あくまですくすくスクール全体の児童数を基準にしている。
正規職員の退職者不補充で、非常勤は増えている。
非常勤も含めたスキルアップをしている。
■えどがわ区民ひろば・滝沢議員
指導員の配置基準は基本的で重要な問題だ。保護者への説明は必要だ。
任期付き職員の採用を求める。一定の勤務時間の確保と職員の仕事の継続性が求められる。
ほかおやつの復活、開所時間を朝8時から夜7時まで
子ども子育て支援制度は、親のニーズをもりこまなけれという趣旨だ。
すくすくスクール運営予算を平成24年度以前の予算にもどすべきだ。
いただいた投稿は以上です。
なお、ご参考としてご紹介します。
文中の「日経DUAL」の記事は、これまで江戸川区の学童保育関連で、2件、掲載されています。
「青枠」の記事は、江戸川区長・多田正見氏に対してなされたインタビュー記事で、昨年12月掲載です。多田正見江戸川区長は、おやつのことを騒ぐのでなく、すくすくスクールの「人間教育」の素晴らしさを見よ、と述べています。
「赤枠」の記事は、すくすくスクール学童クラブの複数の保護者に対してなされたインタビュー記事で、昨年8月の掲載です。すくすくスクール学童クラブでおやつがなくなり、また学童保育としてのの必要機能や質的要素が低下・消滅し、困惑する保護者らの「生の声」が掲載されています。
利用者の現状とニーズとまったく乖離した行政側の姿勢が浮き彫りになる、好対照の2つの記事となっています。
「日経DUAL」のサイトで、「すくすくスクール」で検索すると、2つの記事が出てきます。日経DUALへの会員登録が必要ですが、ご関心のある方は是非お読みいただけばと思います。
2015年1月26日月曜日
【2/2(月)〆切】江戸川区の学童クラブ事業に対し「パブリックコメント」を利用して意見・質問を送りましょう!
2ヶ月の間ブログ更新ができませんでした。仕事をしながら家事育児をしつつの活動ゆえ、ご報告も遅くなり申し訳ありません。
今回は二つ、重要なお知らせがあります。
ひとつめは、皆様にご協力と応援をお願いして参りました、「平成26年第3回江戸川区議会定例会に提出される第74号議案「江戸川区すくすく事業条例」およびこれの付則3である「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止」の廃案を求める陳情」が、昨年12月10日開催の江戸川区議会本会議において不採択になりました。
これが実物です。
この通知を読みますと、すくすくスクール事業は、「適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図る」とあります。江戸川区独自の事業であるといいながら、その目的は、児童福祉法が定義する放課後児童健全育成事業(第六条の三の2)の記載と同一であることがわかります。
目的が同じでありながら、厚労省が示した放課後児童健全育成事業が達するべき基準からははずれる事業とした理由は、以下のように述べています。
「児童福祉法の枠組みは、「すくすくスクール利用児童と学童クラブ児童を分離させるものであり、待機児童を出さないとする本区のすくすくスクール事業の主旨とは相違するものである」
とすれば、児童福祉のために行われると自ら定義しているすくすくスクール事業が、その役割をきっちりと果たすよう、江戸川区がどのように施行規則や要綱を定めていくのか、区民は大きな関心を持って江戸川区政を監視していかなければなりません。
国の法律が学童児の過ごす環境を守り、一定の基準を達成した事業にするよう自治体に担保させる…「江戸川区では学童クラブ事業が国の法律をはずれる」とする、すくすく事業条例が成立してしまったときから、この国の仕組みが、江戸川区では保障されなくなってしまったからです。
そして早くも、学童の子どもたちの環境を改善したいと思うならば、学童保護者が行動を起こし、意見を区に届けなければいけない事案が起こっています。
ここで二つ目の話題となります。
みなさまは、江戸川区が「子ども子育て支援法」に従い、パブリックコメントの募集をしていることを、ご存知でしたでしょうか?
下記をURLをクリックしていただけると、フォームがでますので、記入すればそのまま送信できます。
↓
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/cgi-bin/form_enq/formmail.cgi?d=pub20141201k
私どもえどがわ学童保育フォーラムのメンバーがこれを知り得たのも実は昨日のことで、いそぎ、このブログにおいて緊急拡散いたします。
意見を送る前に、いまどのようなことが検討されているのか?見てみましょう。
最新の計画が、下記で公開されています。学童クラブについては、29ページに記載があります。
江戸川区・子ども子育て支援事業計画(案)
確かに「学童クラブ事業案」がありますが…たった半ページです…。
そして、どのような「事業計画案」なのか、具体的な情報開示はまったくありません。
「現状を継続する」という説明になっていますが、平成26年度現在で、江戸川区のすくすくスクール内学童クラブ事業は、各施設が達するべき基準を設定していません。
なぜ??????はたくさんあると思います。
他区ではこうなのに、江戸川区だけが、なぜ???も。
その「なぜ?」を、江戸川区に送りましょう。下記から送ることができます。
また、この事業計画について話し合いを行っている、「江戸川区・子ども子育て応援会議」については、下記に情報があります。この「応援会議」の、会議日程(傍聴可能です)、構成メンバー(区職員、議員、団体代表、識者、区民等)などや、毎回の会議録を見ることができます。
そもそも、区民との対話をする姿勢に乏しい江戸川区です。
今回は、その江戸川区に公式に意見をぶつけ、しかもそれに対する公式見解が得られる非常に稀な機会です。ホームページにありますように、区には「説明責任がある」のです。
どしどし、意見をぶつけましょう!今回を逃すと、江戸川区民の意見に耳が傾けれられる機会は、今後はほとんどないと予測されます。
締め切りは、2月2日です。
一人でも多くの「声」を、どうぞよろしくお願いします!
今回は二つ、重要なお知らせがあります。
ひとつめは、皆様にご協力と応援をお願いして参りました、「平成26年第3回江戸川区議会定例会に提出される第74号議案「江戸川区すくすく事業条例」およびこれの付則3である「江戸川区学童クラブ事業条例の廃止」の廃案を求める陳情」が、昨年12月10日開催の江戸川区議会本会議において不採択になりました。
これが実物です。
![]() |
江戸川区議会からの不採択通知 |
この通知を読みますと、すくすくスクール事業は、「適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図る」とあります。江戸川区独自の事業であるといいながら、その目的は、児童福祉法が定義する放課後児童健全育成事業(第六条の三の2)の記載と同一であることがわかります。
目的が同じでありながら、厚労省が示した放課後児童健全育成事業が達するべき基準からははずれる事業とした理由は、以下のように述べています。
「児童福祉法の枠組みは、「すくすくスクール利用児童と学童クラブ児童を分離させるものであり、待機児童を出さないとする本区のすくすくスクール事業の主旨とは相違するものである」
とすれば、児童福祉のために行われると自ら定義しているすくすくスクール事業が、その役割をきっちりと果たすよう、江戸川区がどのように施行規則や要綱を定めていくのか、区民は大きな関心を持って江戸川区政を監視していかなければなりません。
国の法律が学童児の過ごす環境を守り、一定の基準を達成した事業にするよう自治体に担保させる…「江戸川区では学童クラブ事業が国の法律をはずれる」とする、すくすく事業条例が成立してしまったときから、この国の仕組みが、江戸川区では保障されなくなってしまったからです。
そして早くも、学童の子どもたちの環境を改善したいと思うならば、学童保護者が行動を起こし、意見を区に届けなければいけない事案が起こっています。
「江戸川区子ども・子育て支援事業計画(案)」に対する
区民の意見募集(パブリックコメント募集)が
行われています
みなさまは、江戸川区が「子ども子育て支援法」に従い、パブリックコメントの募集をしていることを、ご存知でしたでしょうか?
下記をURLをクリックしていただけると、フォームがでますので、記入すればそのまま送信できます。
↓
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/cgi-bin/form_enq/formmail.cgi?d=pub20141201k
私どもえどがわ学童保育フォーラムのメンバーがこれを知り得たのも実は昨日のことで、いそぎ、このブログにおいて緊急拡散いたします。
意見を送る前に、いまどのようなことが検討されているのか?見てみましょう。
最新の計画が、下記で公開されています。学童クラブについては、29ページに記載があります。
江戸川区・子ども子育て支援事業計画(案)
確かに「学童クラブ事業案」がありますが…たった半ページです…。
そして、どのような「事業計画案」なのか、具体的な情報開示はまったくありません。
「現状を継続する」という説明になっていますが、平成26年度現在で、江戸川区のすくすくスクール内学童クラブ事業は、各施設が達するべき基準を設定していません。
ですので今後も、「各学校の特色を生かす」という名目で、毎日の生活の場としての不適切な環境が整備されないまま継承される可能性が大いにあるのです。
なぜ、こどもが毎日安定して学童に通い生活を送るために欠かせない補食が、生活の場である学童クラブから奪われたのか?
なぜ、学童のこどもたちが「自立できる時まで毎日通いきる、過ごしやすい環境を用意する」ために欠かせない「経験と知識をつんだ常勤指導員」が、廃止される方向で年々減少させられているのか?
なぜ、喧噪極まる大部屋しか用意されず、静かに過ごす場、学童の先生に自分をはき出せるような環境が整備されないのか?
なぜ、学校により使用できる設備、教室が大きく違い、その不公平が放置されるのか?
災害時の開所基準は?
なぜ??????はたくさんあると思います。
他区ではこうなのに、江戸川区だけが、なぜ???も。
その「なぜ?」を、江戸川区に送りましょう。下記から送ることができます。
![]() |
江戸川区・子ども子育て支援事業い計画(案)パブリックコメント募集 |
また、この事業計画について話し合いを行っている、「江戸川区・子ども子育て応援会議」については、下記に情報があります。この「応援会議」の、会議日程(傍聴可能です)、構成メンバー(区職員、議員、団体代表、識者、区民等)などや、毎回の会議録を見ることができます。
![]() |
江戸川区・子ども子育て応援会議 |
そもそも、区民との対話をする姿勢に乏しい江戸川区です。
今回は、その江戸川区に公式に意見をぶつけ、しかもそれに対する公式見解が得られる非常に稀な機会です。ホームページにありますように、区には「説明責任がある」のです。
どしどし、意見をぶつけましょう!今回を逃すと、江戸川区民の意見に耳が傾けれられる機会は、今後はほとんどないと予測されます。
締め切りは、2月2日です。
一人でも多くの「声」を、どうぞよろしくお願いします!
2014年11月24日月曜日
【これからのことを考える】児童福祉法を外れた、「すくすくスクール学童クラブ事業」の行く末は?
10月28日の江戸川区議会本会議で、学童クラブを内包した全児童対策事業である「すくすく」事業条例が可決され、あわせて「児童福祉法に基づく学童クラブ条例」が、廃止されました。
その3日前、10/25(金)、江戸川区・教育委員会・教育推進課からの、「すくすくスクール学童クラブでは、就労支援を、現在も、そしてこれからも行わない」との、公式回答をご紹介いたしました。
しかし、本会議直前の10/28(火)の午前になって、江戸川区は急きょこれを撤回しました。そして「学童クラブ事業は、現在も、これからも、その趣旨に就労支援を含む」ということを正式回答としたのです。
◆やっぱり「就労支援」にしておく。でも中身は…?
今回の「やっぱり就労支援です」という宣言は、江戸川区が、「小学生を持つ就労家庭に対し、公的な就労支援を行う」と宣言したことであり、江戸川区民のわたしたちにとって、ひとつの朗報であることは間違いありません。
しかし、同時に、疑問と懸念も生じます。
これまで、すくすくスクール学童クラブで、就労支援の機能を次々と消滅させていき、「これでは就労が成り立たない!」と苦情を申し立てる区民に対して、江戸川区・教育推進課は、「すくすくスクール学童クラブは就労支援ではないから」と説明し、近所に住む祖父母を頼りなさい、ファミリーサポートを利用しなさい(ファミサポ制度は就労支援としては不十分)など、他の就労支援を探すよう促していたのですから。
つまり、現行のすくすくスクール学童クラブの内容が、就労支援としては、自他ともに認めるほど、不十分な内容であるということです。
学童クラブ事業が児童福祉法の下にある、現在でさえ不十分であるのに、来年4月から新しい「すくすく事業条例」が施行されると、学童クラブ事業が児童福祉法を外れ、江戸川区の独自事業である「すくすく事業」の中に完全に吸収されることになります。就労支援として不十分な内容の学童クラブ事業が、「江戸川区流の就労支援」として、法的な後ろ盾を持って、将来に引き継がれいくことになるのです。
ですから、私たち保護者は、学童クラブ事業につき、区がなすべき義務を、児童福祉法にそって整備するよう、みなさまから寄せられた署名を提出し、区議会と区長に求めてきました。しかし残念なことに、「すくすく事業条例」は賛成多数で可決、成立しました。
◆新「すくすく事業条例」下での、学童クラブ事業の行く末は?
以下が、「すくすく事業条例」として可決した、第74号議案です。
(詳しくは こちら からダウンロードしてお読みいただけます)
江戸川区ではこの条例を根拠に、今後、いかなる就労支援が行われるのでしょうか?
この条例において、学童クラブ事業の定義は、ただひとつ、「保護者の就労等の理由により、家庭において適切な保護を受けることができない児童に対する事業」と書かれているのみです。
これでは、行政が、学童クラブ事業の内容を「どんな」事業に定めることもできてしまいます。
事実、この条例原案のままで、10月27日に至るまで、区の執行部は「就労支援ではない」事業と解釈していました。このままでは、今後の行く先は明白…つまり「いま現在以上に、就労支援が充実するとは考えにくい。さらに低下する可能性は大きい」です。
私たち保護者は、「学童クラブ事業が就労支援であるのか、ないのか」に関する今回の公開質問状について、区の回答、その変更について、逐一、区議会開催前に、全議員にメールで主旨の説明等を行い、情報を伝える努力を行って参りました。
10月28日の区議会では、3名の議員の方が、この第74号議案は、原案のままでは不十分であり、継続審議または、反対であるという反対討論をそれぞれのお立場で行われましたが、しかし、大変残念なことですが、江戸川区議会は原案のまま賛成多数でこれを可決しています。
現在行っている学童クラブの運営内容が、児童福祉の観点から、就労支援として適切であるのか?、またそれを新条例で引き継ぐことが妥当なのか?という、肝心の部分についての議会での議論を私たちは希望していましたが、ほとんどの区議会議員の皆さんは、そういった議論は不必要であり、原案で可決としたわけです。
◆すくすくスクールの「質」は、学校ごとにバラバラになる?
さて、今回の区議会では、今後のすくすくスクール実施要綱について、「学校ごとのすくすくスクールの特徴を生かしつつ必要最小限の事項を定めた要綱を制定していきたい」と、総務委員会で区が答弁したことも発表されました。
ということは、各学校(およびすくすくスクール)の「実情」によって、学童クラブの運営内容が異なることがありうるということでしょう。
●帰りの時間管理をきっちりしてもらえる学校があれば、帰る時間の管理は各家庭の自己責任になる学校もある。
●静養の場所を設けられる学校もあれば、そうでない学校もある
●指導員配置、資格要件が充分でない学校もある
●人口過密で、学童の子どもの生活の場所として不適切な環境の学校もあれば、学童保育として許容範囲の学校もある
●施設に置かれた遊具や図書などの環境が、年齢や発達に応じた配慮のなされている学校もあれば、そうでないものもある
●サポートセンターのイベントでおやつが比較的頻繁に食べられる子もいれば、そうでない学校では学童クラブの子どもたちはずっと空腹のままである
●休校日に開所している学童クラブもあれば、そうでない学童クラブもある
現状でも、区内各校のすくすくスクールの状況は、ばらつきがあります。
今後はますます、その「差」が拡大しうる、ということです。
そしてたとえ現状は良くても、人の異動(すくすくスクールスタッフや学校責任者の異動)により、対応が変わる可能性もある、年度によって質が上下する可能性がある、ということでしょう。
すくすくスクールの内容が不満で、行きたくなければ行かない、別の場所で遊べば良いという選択肢のある、「すくすく(一般)登録」の子どもなら、それはそれでよいのかもしれません。
しかし学童クラブ登録の子は、毎日そこへ行かなければいけないのです。地域の自主性や指導員の力量次第、学校の施設状況次第で、事業内容が上下していいような事業ではないのです。
だからこそいま、国は児童福祉法を改正し、地方自治体に対して「学童クラブが達すべき水準を示し、国を挙げてこれを達成しよう」としているというのに、江戸川区はそれから離脱しました。
それならそれで、国が示した水準を上回る学童保育が達成されるよう、条例の内容を吟味し、江戸川区行政が達しなければならない水準を示す条例を作ることを、私たちは、求めてきました。
しかし、可決された条例の内容は、上記にご紹介した通りです。
このままでは、新しい「すくすく事業条例」のもとでの学童クラブ登録の運営内容が、現場まかせの、国の基準を下回るものになることが充分予想されます。就労家庭は現在と同様かそれ以上の苦境に立たされることになるでしょう。
多田区長は、このことを、「区民に周知はするが、説明はしない」と、区議会で発言しました。
大切な学童保育に関する条例、児童福祉法を外れるという大きな判断が、たった30余日の議論で終わってしまったことは、江戸川区民としては、残念としか言いようがありません。
しかし、署名、コメントなどで、多くの皆様が江戸川区に対し声を上げてくださったことが、”学童クラブは就労支援をその趣旨に含む”と回答した江戸川区の判断に大きく影響したことは間違いないと考えます。
ご協力いただきました皆様には、心から御礼申し上げます。
また11/30(日)は、皆様のご参加をお待ちしております。
詳しくは下記をご覧ください。
◆【参加者募集!】11/30(日)「すくすくスクール学童クラブ事業に関する意見・情報交換会」開催!
その3日前、10/25(金)、江戸川区・教育委員会・教育推進課からの、「すくすくスクール学童クラブでは、就労支援を、現在も、そしてこれからも行わない」との、公式回答をご紹介いたしました。
しかし、本会議直前の10/28(火)の午前になって、江戸川区は急きょこれを撤回しました。そして「学童クラブ事業は、現在も、これからも、その趣旨に就労支援を含む」ということを正式回答としたのです。
◆やっぱり「就労支援」にしておく。でも中身は…?
今回の「やっぱり就労支援です」という宣言は、江戸川区が、「小学生を持つ就労家庭に対し、公的な就労支援を行う」と宣言したことであり、江戸川区民のわたしたちにとって、ひとつの朗報であることは間違いありません。
しかし、同時に、疑問と懸念も生じます。
これまで、すくすくスクール学童クラブで、就労支援の機能を次々と消滅させていき、「これでは就労が成り立たない!」と苦情を申し立てる区民に対して、江戸川区・教育推進課は、「すくすくスクール学童クラブは就労支援ではないから」と説明し、近所に住む祖父母を頼りなさい、ファミリーサポートを利用しなさい(ファミサポ制度は就労支援としては不十分)など、他の就労支援を探すよう促していたのですから。
つまり、現行のすくすくスクール学童クラブの内容が、就労支援としては、自他ともに認めるほど、不十分な内容であるということです。
学童クラブ事業が児童福祉法の下にある、現在でさえ不十分であるのに、来年4月から新しい「すくすく事業条例」が施行されると、学童クラブ事業が児童福祉法を外れ、江戸川区の独自事業である「すくすく事業」の中に完全に吸収されることになります。就労支援として不十分な内容の学童クラブ事業が、「江戸川区流の就労支援」として、法的な後ろ盾を持って、将来に引き継がれいくことになるのです。
ですから、私たち保護者は、学童クラブ事業につき、区がなすべき義務を、児童福祉法にそって整備するよう、みなさまから寄せられた署名を提出し、区議会と区長に求めてきました。しかし残念なことに、「すくすく事業条例」は賛成多数で可決、成立しました。
◆新「すくすく事業条例」下での、学童クラブ事業の行く末は?
以下が、「すくすく事業条例」として可決した、第74号議案です。
(詳しくは こちら からダウンロードしてお読みいただけます)
江戸川区ではこの条例を根拠に、今後、いかなる就労支援が行われるのでしょうか?
この条例において、学童クラブ事業の定義は、ただひとつ、「保護者の就労等の理由により、家庭において適切な保護を受けることができない児童に対する事業」と書かれているのみです。
これでは、行政が、学童クラブ事業の内容を「どんな」事業に定めることもできてしまいます。
事実、この条例原案のままで、10月27日に至るまで、区の執行部は「就労支援ではない」事業と解釈していました。このままでは、今後の行く先は明白…つまり「いま現在以上に、就労支援が充実するとは考えにくい。さらに低下する可能性は大きい」です。
私たち保護者は、「学童クラブ事業が就労支援であるのか、ないのか」に関する今回の公開質問状について、区の回答、その変更について、逐一、区議会開催前に、全議員にメールで主旨の説明等を行い、情報を伝える努力を行って参りました。
10月28日の区議会では、3名の議員の方が、この第74号議案は、原案のままでは不十分であり、継続審議または、反対であるという反対討論をそれぞれのお立場で行われましたが、しかし、大変残念なことですが、江戸川区議会は原案のまま賛成多数でこれを可決しています。
現在行っている学童クラブの運営内容が、児童福祉の観点から、就労支援として適切であるのか?、またそれを新条例で引き継ぐことが妥当なのか?という、肝心の部分についての議会での議論を私たちは希望していましたが、ほとんどの区議会議員の皆さんは、そういった議論は不必要であり、原案で可決としたわけです。
◆すくすくスクールの「質」は、学校ごとにバラバラになる?
さて、今回の区議会では、今後のすくすくスクール実施要綱について、「学校ごとのすくすくスクールの特徴を生かしつつ必要最小限の事項を定めた要綱を制定していきたい」と、総務委員会で区が答弁したことも発表されました。
ということは、各学校(およびすくすくスクール)の「実情」によって、学童クラブの運営内容が異なることがありうるということでしょう。
●帰りの時間管理をきっちりしてもらえる学校があれば、帰る時間の管理は各家庭の自己責任になる学校もある。
●静養の場所を設けられる学校もあれば、そうでない学校もある
●指導員配置、資格要件が充分でない学校もある
●人口過密で、学童の子どもの生活の場所として不適切な環境の学校もあれば、学童保育として許容範囲の学校もある
●施設に置かれた遊具や図書などの環境が、年齢や発達に応じた配慮のなされている学校もあれば、そうでないものもある
●サポートセンターのイベントでおやつが比較的頻繁に食べられる子もいれば、そうでない学校では学童クラブの子どもたちはずっと空腹のままである
●休校日に開所している学童クラブもあれば、そうでない学童クラブもある
現状でも、区内各校のすくすくスクールの状況は、ばらつきがあります。
今後はますます、その「差」が拡大しうる、ということです。
そしてたとえ現状は良くても、人の異動(すくすくスクールスタッフや学校責任者の異動)により、対応が変わる可能性もある、年度によって質が上下する可能性がある、ということでしょう。
すくすくスクールの内容が不満で、行きたくなければ行かない、別の場所で遊べば良いという選択肢のある、「すくすく(一般)登録」の子どもなら、それはそれでよいのかもしれません。
しかし学童クラブ登録の子は、毎日そこへ行かなければいけないのです。地域の自主性や指導員の力量次第、学校の施設状況次第で、事業内容が上下していいような事業ではないのです。
だからこそいま、国は児童福祉法を改正し、地方自治体に対して「学童クラブが達すべき水準を示し、国を挙げてこれを達成しよう」としているというのに、江戸川区はそれから離脱しました。
それならそれで、国が示した水準を上回る学童保育が達成されるよう、条例の内容を吟味し、江戸川区行政が達しなければならない水準を示す条例を作ることを、私たちは、求めてきました。
しかし、可決された条例の内容は、上記にご紹介した通りです。
このままでは、新しい「すくすく事業条例」のもとでの学童クラブ登録の運営内容が、現場まかせの、国の基準を下回るものになることが充分予想されます。就労家庭は現在と同様かそれ以上の苦境に立たされることになるでしょう。
多田区長は、このことを、「区民に周知はするが、説明はしない」と、区議会で発言しました。
大切な学童保育に関する条例、児童福祉法を外れるという大きな判断が、たった30余日の議論で終わってしまったことは、江戸川区民としては、残念としか言いようがありません。
しかし、署名、コメントなどで、多くの皆様が江戸川区に対し声を上げてくださったことが、”学童クラブは就労支援をその趣旨に含む”と回答した江戸川区の判断に大きく影響したことは間違いないと考えます。
ご協力いただきました皆様には、心から御礼申し上げます。
また11/30(日)は、皆様のご参加をお待ちしております。
詳しくは下記をご覧ください。
◆【参加者募集!】11/30(日)「すくすくスクール学童クラブ事業に関する意見・情報交換会」開催!
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